科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
時事問題基礎Ⅱ/Basic Current Affairs 2 |
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授業コード /Class Code |
BA00141001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
現代社会学部/Contemporary Social Studies |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月2(前期)/MON2(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
坂本 曉彦/sakamoto akihiko |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈学部共通科目〉/*** MAJORS *** 〈Basic Subjects〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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坂本 曉彦/sakamoto akihiko | 現代社会学部/Contemporary Social Studies |
授業の方法 /Class Format |
今期は対面による講義中心で、コロナの影響が収まれば、学生との質疑応答や学生同士のグループワークも適宜行う可能性もあります。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は、現代社会学部のDPに示すような、社会の諸事象を総合的に理解し、課題解決の方途を探求し実践することを目指す科目である。就職対策関係の講座に属し、論作文や面接対策で必要な資質の育成への導入科目として位置づけられる。その点において、実践的教育から構成される授業科目である。この科目の履修により、学生は日本と関係の深い国際問題を題材にして、ニュースの分析方法を習得し、国際問題の背後にある本質的事項を理解することが出来るようになる。それにより、学生が多様な意見の対立があることを理解し、様々な要素を総合的に把握して自分自身の考えを構成し、かつ発表できる態度を習得することを目的とする。 この科目は現代社会学科と社会防災学科のディプロマシー1(知識・技能)に関連する。 担当講師は、民間で長年に渡って公務員試験や就職試験対策の時事講座や面接講座・論作文講座の講師を務めてきた実務経験のある講師である。従って、従来からの経験は時事問題の解説においても実社会で特に興味を持って捉えられるテーマの選択とポイントを突いた解説能力として活用できるものと考える。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.学生は近年における様々な国際問題を理解するのに不可欠な情報を習得できる(知識)。 2.学生は国際的な時事問題に関心を持ち、その背後関係に興味を持つことが出来るようになる(態度・習慣)。 3.学生はニュースの表面的な報道だけに影響されず、その背後にいかなる利害対立があるのかまで考えることが出来るようになる(態度・習慣)。 4.学生は意見の対立の理由まで理解して自らの見解を打ち立て、他者との討論が出来るようになる(技能)。 |
授業のキーワード /Keywords |
米中の覇権対立・台湾などの日本の周辺有事・温暖化防止「パリ協定」・中東問題とイスラム原理主義・権威主義的体制と民主主義体制 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
時事問題の解説を講義形式で行いつつ、適度に発問を行い問題の背景を考えてもらう。その際にいかなる立場の対立があるのかを受講生に更なる質問で考えさせ、相互の立場からいかなる主張が可能かを理解させる。そして定期的に、その結果を各自小レポートにまとめてもらい提出を求める。あるいは、時に一定のテーマについての討論会としてのグループワークも行うことも考える。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
日頃から新聞を読む習慣を付けておくこと。講師の質問や他の受講生との討論に積極的に対応すること。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
毎回の授業前に、既に提示済の次回の授業相当分のテキストの該当箇所やレジュメを繰り返し読むこと。特に事前学習として、問題の背後にどのような意見の対立があり、その根拠はどこにあるのかをしっかりと把握することを期待する。以上の事前学習時間は1時間30分程度必要と考える。 授業後の学習としては、授業の説明を参考にしながら、各種の意見の根拠やそれへの反論・再反論まで考えながらレジュメやテキストのみならず、参考文献として提示した指定図書についても復習として読み込むことを期待する。以上の事後学習時間も1時間30分程度必要と考える。(事前・事後学習各1時間30分程度)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義で取り扱った時事問題について、自分自身の意見の根拠や対立する意見への反論をまとめた数回の小レポートの提出を課す。この小レポートの提出にあたって、前提として講師からの発問とそれへの回答を実施することもあるので、それらを参考に自分の言葉でまとめること。フィードバックとして後日、レポート課題の講師の参考例を交付すると同時に、再度そのテーマに関する検討を行うことも考える。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
講義全体で定期的に数回の小レポートの提出を求め、小レポート内容、授業中の発言状況等により総合的に評価する予定である。その際小レポート90%や発言状況等は10%で評価する予定である。しかし、コロナの状況で学生に発言を求めることが不適切の場合は、小レポート100%で評価する。 |
テキスト /Required Texts |
『朝日キーワード2024』(朝日新聞出版)及び講師のオリジナルレジュメなどの配布資料 |
参考図書 /Reference Books |
『日経キーワード2023-2024』(日経HR) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 講義の実施方針や進め方の説明。及び戦後の国際関係をめぐる歴史的経緯の説明(その1) | 時事問題の読み方の概略や討論のやり方の説明。初回であることに鑑みて、一つのテーマに関して固定的な見方にとらわれず、賛否両論の根拠と、どちらからでも他説への反論が出来るような、相対主義的な見方の重要性を認識させる。後半からは今回の講義全体の基礎となる基本的な情報の確認としての戦後国際政治史の概略の説明に入る。 | |
2 | 第2回 | 戦後の国際関係をめぐる歴史的経緯の説明(その2) | 前回に引き続き、今回の講義の基礎知識としての戦後国際政治史を冷戦の開始・激化・デタント・再緊張・終結の流れに従って考察し、国際問題への関心を喚起する。尚、必要に応じて関連国の歴史にも波及して説明することもある。 | |
3 | 第3回 | 戦後の国際関係をめぐる歴史的経緯の説明(その3)及びアメリカの外交姿勢の概観 | 引き続き、戦後の国際政治史の説明を行い完結させる。次にアメリカの現政権下での、中国の人権姿勢や対外攻勢をめぐる米中対立・中東諸国との関係やイランとの核対立・温暖化対策や貿易自由化をめぐる政策姿勢などを解説する。その際、アメリカ社会の構造変化にも留意する。 | |
4 | 第4回 | 日本の周辺有事問題や固有の領土をめぐる諸問題 | 中国の香港・台湾への強圧的姿勢や海洋進出・軍備拡張、あるいは北朝鮮の核開発などへの日本の対応を考察する。また、近時の韓国との外交関係のもつれや韓国・中国やロシアに関し日本が直面する領土問題についても分析する。 | |
5 | 第5回 | ヨーロッパ統合問題や英国のEU離脱 | 戦後のEC・EUの歴史を説明し、欧州統合の現状を考える。及びEUの抱える移民問題や英国の離脱問題の背景についても考察する。 | |
6 | 第6回 | 世界の強権的指導者と、その背景の分析 | 世界における権威主義的体制の台頭と個性的指導者の分析を行う。特に中国の習近平主席・ロシアのプーチン大統領・トルコのエルドアン大統領や、欧州・ブラジル・インドなどにおけるポピュリズムの動向にも注目する。 | |
7 | 第7回 | 地球温暖化問題の歴史と「パリ協定」の発効、あるいはアメリカの動向 | 主に温暖化を中心とした国際環境問題の歴史を振り返りながら、先進国と発展途上国の利害対立を解説する。その上で、近年のパリ協定発効の歴史的意義とアメリカの動向を説明する。さらにSDGs(持続可能な開発目標)についても留意する。 | |
8 | 第8回 | 中東をめぐる諸問題の解説(その1) | 依然として解決の道が見えない、イスラエルとパレスチナなどアラブ諸国との対立の背景を、紀元前の出来事や20世紀前半の歴史に触れながら解説する。さらに、欧米とイスラム世界との微妙な関係を16世紀の宗教改革へのイスラム文化の影響も踏まえながら説明する。 | |
9 | 第9回 | 中東をめぐる諸問題の解説(その2) | イスラム国の拡大と消滅・シリア内戦と難民流出、あるいはイエメンをめぐるサウジアラビアとイランの対立、イランの核合意離脱、アメリカの外交政策の目的など、近時の複雑な中東情勢への理解を深める。アフガニスタンにおけるタリバン政権の復活の背景とテロ活動への影響についても分析する。 |
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10 | 第10回 | 日本の集団的自衛権・安全保障・憲法改正問題のポイント分析 | まず日本の安全保障の歴史的経緯について概観する。次に安全保障にかかわる憲法改正問題を解説し、安保関連法や集団的自衛権、あるいは周辺国との外交軍事関係の在り方について分析する。憲法改正問題については上記以外も補充的に説明する予定である。 | |
11 | 第11回 | WTOとEPAとの関係、あるいはTPPやAPEC・ASEANなど貿易協定や自由貿易圏をめぐる問題の解説 | 最初に貿易の自由化の背景やその歴史的経過について解説する。次に現時点での自由貿易圏や経済統合に関わる国際機関や国際協定を分析する。その際にEU統合の状況との比較や米中貿易紛争、あるいはアメリカ・メキシコ・カナダ協定についても触れる予定である。 | |
12 | 第12回 | 核軍縮問題 | 第一に、戦後の国際社会における核兵器の開発や制限・削減に関わる歴史的経過について説明する。第二に、現時点での各国の核保有の状況と、近年の核兵器禁止条約や核安全保障サミットの開催についても触れる予定である。 | |
13 | 第13回 | 中国の一帯一路政策と勢力圏拡大の現状と東シナ海・沖縄等をめぐる問題 | 中国の勢力拡大や海上進出の状況とその要因について、中国の歴代王朝の例を交えながら説明する。また、それとの関係で沖縄米軍基地の普天間から辺野古への移転問題の背景と現状についても分析する。 | |
14 | 第14回 | 世界の難民・移民問題の背景と現状 | 最初に、世界的な難民発生の歴史的経過と現状を解説する。例として、パレスチナ・シリア・イエメン・南スーダン・ミャンマー(ロヒンギャ)・スリランカ・ベネズエラなどに触れる。次に、EUの難民制度改革や、移民問題とポピュリズム高揚との関係についても説明する。 | |
15 | 第15回 | 日本の近現代史と周辺国との歴史問題 | 19世紀後半以降の欧米の動向と近代日本の対応、及びアジアの状況を解説し、それとの関係で現時の中国や韓国(特に慰安婦・徴用工問題)との歴史的外交的問題の背景に言及する。対中韓については、近代以前の関係についても触れる予定である。 |