科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
福祉用具ものづくり論/Basis of Manufacturing and Maintenance for Assisting Technology |
---|---|
授業コード /Class Code |
B702722001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
総合リハビリテーション学部/Rehabilitation |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期集中/AUTUMN INTENSIVE |
曜日・時限 /Day, Period |
他(後期)/OTHERS(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
金井 謙介/KANAI KENSUKE |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 《生活福祉デザイン専門分野》/*** MAJORS *** 《生活福祉デザイン専門分野》 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
金井 謙介/KANAI KENSUKE | 社会リハビリテーション学科/Social Rehabilitation |
授業の方法 /Class Format |
講義と演習(対面授業) 講義を基本とするが、理解促進のために学内の福祉用具等を使った演習も行う。 |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
人の暮らしはヒトとモノの相互作用で成り立っています。中でも福祉用具は、心身に障害のある人が使用するものであるため、モノの側がヒトにアプローチし、適合させる必要性が高いプロダクトです。そのため、福祉用具の開発や適合支援を行う際には、工学的知識だけでなく、使う人の心身機能・構造や心理・認知機能、感覚機能等の特性を十分に理解しておく必要があります。また同時にその支援に関わる支援者の関わり方も、その人の生活に大きな影響を与えます。 そこでこの科目では、福祉用具の開発や選択・適合をする際に理解しておくべき知識や技術、基本概念等について学ぶことで、福祉用具について総合的に理解できるようになることを目的とします。 この科目は「福祉用具入門」や「福祉用具論」、「福祉生活環境論」を補強する応用科目としても位置づけられ、リハビリテーションセンター等の臨床現場で実務経験のある教員が実際に経験した事例などを通じて講義を行い、福祉用具に関する総合的な理解を深めます。 またこの科目は、学部DP3とDP4に掲げる地域社会や企業などにおいて、生活上の困難を抱えた人に対することと、地域社会での課題を解決し地域社会開発の担い手となることを目指しています。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
障害のある人の心身機能、心理などの特性を説明できる。<知識> 車椅子などの福祉用具の構造が説明できる。<知識> 車椅子などの福祉用具の選び方・使い方が説明できる。<知識> 福祉用具の安全性について説明できる。<知識> 幅広い視点で福祉用具や製品を考えられるようになる。<態度・習慣> 身近にある製品を調査し、生活を改善する工夫や課題を見つけることができる。<技能、態度・習慣> |
授業のキーワード /Keywords |
福祉用具、福祉機器、アシスティブ・テクノロジー、リハビリテーション工学、支援技術、人間工学、安全、生活、ものづくり、デザイン、製品開発 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
・主にものづくり実習室(15-201)、屋外住環境実習室(15-202)で行います。 ・講義はパワーポイントおよび学内にある福祉用具を用いて展開します。 ・座学だけでなく、理解を深めるため福祉用具を用いた演習も行います。 ・演習の結果は課題レポートとして提出してもらいます。 ・講義内容の理解促進のために小テストを行うこともあります。 ・授業の最後にコメントシートを記入してもらい、その中の疑問や質問等について翌週の講義でフィードバックします。 ・理解を深めるために必要と判断したときは、講義の順番を入れ替えたりします。 ・理解を深めるために、指名して質問をすることがあります。 ・状況に応じて福祉用具を使用している障害のある人にゲストで来ていただくこともあります。 ・自分のスマートフォンやタブレット端末にアプリ(基本的には無料のもの)をインストールして演習を行うこともあります。 ・状況に応じて学外の施設見学を行うこともあります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
・講義に出席するのは当たり前ですので、特別な事情がない限り、遅刻や欠席はしないこと。 ・出席回数が講義回数の3分の2に満たない場合は、成績評価の対象から外します。 ・20分以上の遅刻は特別な事業がないかぎり、欠席とみなします。 ・毎回出席を取ります。 ・私語など他人の迷惑になる行為や携帯電話の操作、食事は厳禁とします。 ・「福祉用具入門」「福祉用具論」を履修していることが望ましい。 ・福祉住環境コーディネーター2級のテキストを持っていることが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
・普段の通学などの日常生活の中で、周りの環境や製品、人の動きなどをよく観察しておくこと(週2回程度を目安とする) ・その際に「もし自分が車椅子に乗っていたら」「目が見えなかったら」とイメージしながら観察すること ・次回の講義内容についてインターネットや文献で事前に調べること(1時間) ・講義後には復習としてその内容についてインターネットや文献、学内にある福祉用具などで確認をすること(2時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
・講義期間内で2〜3回程度の演習に関する課題レポートを提出してもらいます ・講義の内容を踏まえた小テストを行います ・毎回講義終了時にコメントシートを提出してもらい、その中に記載された疑問・質問を翌週に解説することで理解促進を図ります ・課題レポート等についても講義内にて解説するなどフィードバックを行います ・コメントシートの記載内容や自発的発言・発表、授業への取り組み姿勢などを授業参加度として総合的に判断します |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
・課題レポート40%、小テスト40%、コメントシートの内容20%で評価します。 ・1つでも課題レポートの提出が欠けていた場合は成績評価の対象とはなりません。 ・課題で求められている内容を十分理解して取り組んでいない場合も評価対象とはしません。 ・成績評価にあたっては10回(講義回数の2/3)以上の出席を必要とします。これに満たない場合は評価対象から外します。 |
テキスト /Required Texts |
毎回レジメを配布します。 |
参考図書 /Reference Books |
福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト、東京商工会議所 作業療法ジャーナル増刊号保存版テクニカルエイド—生活の視点で役立つ選び方・使い方—、三輪書店 リハビリテーションMOOK15 リハビリテーション工学と福祉機器、千野直一・安藤徳彦編集主幹、金原出版株式会社 生活支援工学概論、日本生活支援工学会・日本リハビリテーション工学協会共編、コロナ社 人間工学からの発想—クオリティ・ライフの追求—、小原二郎、ブルーバックス 元気のでる車いすの話、車いす姿勢保持協会編、はる書房 その他、適宜講義の中で紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | オリエンテーションと福祉用具ものづくりの考え方 | 本講義の概要と進め方について説明と、福祉用具の基礎について実機を用いて概説します。 | |
2 | 第2回 | 福祉用具の基本概念とアプローチ | アシスティブ・テクノロジーの定義やICF等の人の暮らしや障害を捉える視点を学びながら、福祉用具の開発や支援に関わる際の基本概念を学びます。 | |
3 | 第3回 | 福祉用具開発のプロセス | これまで開発された道具や福祉用具を通じて、道具の役割や人の暮らしとの関係を学びます。また、ものづくりのプロセスについて学びます。 | |
4 | 第4回 | 福祉用具の事故とものづくり | 福祉用具ヒヤリハット事例を通じて、安全性の大切さとその機器的対策の重要性を学びます。また、腰痛予防対策など障害のある人だけでなく介護者を守ることの重要性についても考えます。また、課題として福祉用具のヒヤリハット事例を検索してもらい、その中で関心を持った事例とその改善方法についてレポートしてもらいます。 | |
5 | 第5回 | 人の身体機能とデザイン | 人の機能障害の理解とそれから生じる生活障害について理解し、福祉用具や道具による身体機能の代償・置換・補助の役割について考えます。 | |
6 | 第6回 | 人の心理とデザイン | 人と道具を適合する際に重要となる人の心理、認知機能、感覚機能について、人間工学の視点から学びます。 | |
7 | 第7回 | 動作観察と動作分析① | 福祉用具を開発する際に必要な動作の観察・分析について、演習を通じて学びます。 | |
8 | 第8回 | 動作観察と動作分析② | 第7回の演習で製作した自助具の試用評価を行い、改善点等をレポートにまとめます。 | |
9 | 第9回 | 福祉用具の構造と物理原則の理解① | 車椅子を例にして、機械工学の基礎であるてこの原理などの物理原則や機能・構造について学びます。また、適合する際のポイントについてものづくりの視点から学びます。 | |
10 | 第10回 | 福祉用具の構造と物理原則の理解② | 第9回に引き続き、歩行補助杖や介護ベッドを例にして、機械工学の基礎であるてこの原理などの物理原則や機能・構造についてさらに理解を深めます。 | |
11 | 第11回 | ものづくりの基礎知識 | 福祉用具に用いられる主な材料の性質や特性、工具の使い方、メンテナンス等のものづくりの基礎について学びます。 | |
12 | 第12回 | 福祉用具の適合 | 第9~11回で学んだ内容について、学内にある福祉用具を使用・体験して理解を深め、適合する際のポイントについてものづくりの視点から考えます。 | |
13 | 第13回 | 福祉用具のメンテナンス | 福祉用具に関する事故を考える際、保守管理が十分でないことも要因のひとつとなっています。福祉用具は工業製品ですので、耐用年数もありメンテナンスが不可欠です。そこで、車いすを例にして福祉用具のメンテナンスについて解説します。また学内にある車いすの点検をしてもらい、チェック結果をレポートしてもらいます。 | |
14 | 第14回 | 臨床工学サービス | リハビリテーションセンター等にて行われている臨床工学サービスについて映像を見て学び、その内容等をレポートにまとめます。 | |
15 | 第15回 | 技術の進歩と福祉用具への応用 | 最新のテクノロジーを用いた福祉用具について解説し、技術の進歩によって障害のある人の暮らしが拡がる可能性について考えます。同時に、ユニバーサルデザインの概念の重要性についても考えます。 |