科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
身体運動の物理学演習Ⅱ/Physics |
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授業コード /Class Code |
B700831001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
総合リハビリテーション学部/Rehabilitation |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期集中/AUTUMN INTENSIVE |
曜日・時限 /Day, Period |
他(後期)/OTHERS(AUT.) |
単位数 /Credits |
1.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
田代 大祐/TASHIRO DAISUKE |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 《専門入門分野》/*** MAJORS *** 《INTRODUCTORY STUDIES》 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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田代 大祐/TASHIRO DAISUKE | 作業療法学科/Occupational Therapy |
授業の方法 /Class Format |
遠隔授業(オンデマンド授業)によって、教科書の各単元を基準とした課題を提出する。その課題について、レポートを提示する。課題の中には物理学に関する練習問題を含む場合もある。課題の提示、提出には、Dot Campusと教員のメールを併用します。 特別警報または暴風警報発令の場合も授業を実施します。ただし、避難指示、避難勧告が発令されている場合はご自身の安全を最優先にし、自治体の指示に従って行動してください。 教員の連絡先: tashiro@reha.kobegakuin.ac.jp |
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授業の目的 /Class Purpose |
作業療法において必要となる身体運動が物理学的な原理で説明できることを知り、そのための物理学を学ぶことで、筋肉や重力の働きで身体が運動を行っていることを説明できるようになる。この科目は、学部DP1,2を達成することを目指しています。 なお、この講義の担当者は、作業療法士として身体障害領域の実務を5年以上経験している。その経験を活かした講義を行います。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
日常生活における道具や障害者が使用する福祉用具の働きを物理学的に説明できるようになり「知識」、身体運動が同様に物理学的原理が適用できることを実験的に理解し、身体運動を物理学的に説明できるようになる。実際の臨床に役立てることができるように、実験を通してデータを取得する方法を考え、そのレポートを作成することによって、対象者にどのようなことを説明すると、理解してもらうことができるかが理解できるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
てこ、力学、位置・速度・加速度、仕事、エネルギー |
授業の進め方 /Method of Instruction |
身体運動の物理学演習Ⅰにおいて、物理学の理論を中心に学んだが、実験を行うことを想定して考えることで、模擬体験的に物理学を理解することを目指し、教科書の記載を振り返って理解し、その原理を用いて実験することを想定して、各自で実験を構成する。 集中講義でWEB講義(オンディマンド)であり、さらに受講者人数が少ないので、第1回の講義日をいつにするかについては、田代から受講者にメールを送って相談します |
履修するにあたって /Instruction to Students |
高校まで物理学を選択しなかった学生がほとんどであることから、身の回りの道具や福祉用具に物理学的な原理が働いていることに気づくことから始める・歩行を含む身体運動も同様に物理学的に統一した説明ができることに気づく・物理学を講義の時間だけのものと考えずに、日常生活の中での気づきに応用することを考えることが重要である |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
各回の演習で実施される内容について、予習と復習行うこと(各60分程度)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
日常生活に見る道具や機械の動作原理を物理学的に説明したレポート・身体運動や歩行の物理学的表現とその動作原理を物理学的に説明したレポート・これらは講義時間内に作成することを原則とし、約2週間後の指定期限までに、メールに添付して提出する。提出されたレポートに対しては、各課題ごとにフィードバックを行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
100%レポート課題による |
テキスト /Required Texts |
江原義弘、山本澄子、中川昭夫著 「PT・OT・PO 身体運動の理解につなげる物理学」 2,800円+税、南江堂、ISBN:9784524268658 |
参考図書 /Reference Books |
山本 澄子, 石井 慎一郎, 江原 義弘著 「基礎バイオメカニクス第2版」 3,900円+税、医歯薬出版、ISBN:9784263219416 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | てこの原理の理解1 第1のてこ |
第1のてこを使用している装置の動作原理を考えて、身の回りで第1のてこの原理を利用している機器や装置を見出す。それらの動作原理と機能を説明する | |
2 | 第2回 | てこの原理の理解2 第2のてこ |
第2のてこを使用している装置の動作原理を考えて、身の回りで第2のてこの原理を利用している機器や装置を見出す。それらの動作原理と機能を説明する | |
3 | 第3回 | てこの原理の理解3 第3のてこ |
第3のてこを使用している装置の動作原理を考えて、身の回りで第3のてこの原理を利用している機器や装置を見出す。それらの動作原理と機能を説明する | |
4 | 第4回 | 肘や肩関節の屈曲・伸展をてこの理論で説明することで、筋肉のてことしての働きを理解する | 上肢の様々な肢位での肘や肩関節の運動と筋の働きとの関係を、自分自身や友人の上肢で理解するとともに、支点、力点、作用点はどこかが理解できるようになる | |
5 | 第5回 | 膝や足関節の屈曲・伸展をてこの理論で説明することで、筋肉のてことしての働きを理解する | 下肢の様々な肢位での膝関節や足関節の運動と筋の働きとの関係を、自分自身や友人の下肢で理解するとともに、支点、力点、作用点はどこかが理解できるようになる | |
6 | 第6回 | 体重心位置を、てこの原理 により、実験的に測定す る方法を考える |
重心とは何かを考え、てこの原理等を応用して、体重心の計測方法を考えることで、てこの原理の応用について、より深く理解できるようになる。 | |
7 | 第7回 | 物体の落下をどのように観 察、計測するかを検討し て、物体の位置、速度、加 速度を求める |
大がかりで高価な計測装置を使うのではなく、身近なものを使って計測する 方法を考えて計測し、計算する。計測誤差などについても気づくことができ るようになる |
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8 | 第8回 | 物体の投げ上げをどのように観察、計測するかを考案 し、物体の位置、速度、加 速度を求める |
物体を投げあげると、最高点に達した後は落下することで運動の方向が変化することや、最初に投げあげた位置より下に行くなど、データに正負が出てくることで、ベクトルの考え方を理解できるようになる | |
9 | 第9回 | 物体の落下、投げ上げについて、実験で得られたデータと理論値とを比較し、どのような違いがあり、その原因は何かを考察する | 理論値では瞬間の速度や加速度が得られるが、実験では一定の時間間隔ごとにデータを求めるため、平均値しか求めることができないことを理解する。そして、実験値をより瞬間の値に近づけるためには、どのような方法があるかを検討する。さらに、実験値を理論値と比較することにより、データに影響する誤差についても検討を加えることで、今後の作業療法の評価時に得られるデータについて、誤差を少なくするための方法を考えることができるようになる | |
10 | 第10回 | 力学的仕事と力学的エネルギー保存の法則 | 人の身体や物体に力が作用したとき、その作用の大きさを表す方法の基礎になるのが力学的仕事である。物体の落下や投げあげの実験で得られたデータと理論値を用いて、力学的仕事を求めるとともに、力学的エネルギー保存の法則が適用できることを確認し、身体運動についての説明に結びつけることができるようになる | |
11 | 第11回 | 身体運動を物理学的に説明する1 しゃがみこみとジャンプ |
これまで学んだ物理学の原理を用いて、身体運動を物理学的に説明することを試みる。静立位からしゃがみこむまでの間の重力と筋力の働き、位置、速度、加速度などを、実際に自分自身や友人で行い、分析する。同様に、静立位からしゃがみこみ、引き続きジャンプし、再び、着地し、静立位にもどるときの運動を分析することで、てこの働きや位置、速度、加速度、力の関係を総合的に理解することができるようになる | |
12 | 第12回 | 身体運動を物理学的に説明する2 歩行時の床反力と重心の関 係を理解する |
歩行を物理学的に説明することを試みる。重心の位置と、床反力の位置の関 係を理解できるようになる |
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13 | 第13回 | 身体運動を物理学的に説明する3 歩行時の重心の運動を理解 する |
歩行分析によって得られる重心の移動、床反力作用点の移動、それらの関係について、理解できるようになる | |
14 | 第14回 | 身体運動を物理学的に説明する4 歩き始めと歩行時の重心の 移動と床反力の関係を理解 する |
歩き始めという現象を、物理学的に説明できるようになる。また、その後の 歩行時の重心の動きと床反力などの関係が理解できるようになる |
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15 | 第15回 | 身体運動を物理学的に説明する5 歩行を観察により分析す る |
実際の歩行を分析するための方法論を考え、標準化された方法の必要性につ いて理解できるようになる |