基本情報/Basic Information

開講科目名 ／Class	福祉用具論 【理】／Life Design Tools for Rehabilitation
授業コード ／Class Code	B700321001
開講キャンパス ／Campus	有瀬
開講所属 ／Course	総合リハビリテーション学部／Rehabilitation
年度 ／Year	2023年度／Academic Year
開講区分 ／Semester	前期／SPRING
曜日・時限 ／Day, Period	金4(前期)／FRI4(SPR.)
単位数 ／Credits	1.0
主担当教員 ／Main Instructor	金井　謙介／KANAI KENSUKE
科目区分 ／Course Group	【専門教育科目】　《専門基礎分野》／*** MAJORS *** 《BASIC SCIENCES》
遠隔授業 ／Remote lecture	No

担当教員情報/Instructor Information

教員名 ／Instructor	教員所属名 ／Affiliation
金井　謙介／KANAI KENSUKE	社会リハビリテーション学科／Social Rehabilitation

授業の方法 ／Class Format	講義と演習（対面授業） 講義を中心に行うが、講義内容の理解促進のために学内にある福祉用具を用いた演習も取り入れる。
授業の目的 ／Class Purpose	福祉用具は障害のある人や高齢者など心身機能が低下した人が使用する道具であるため、モノの側がヒトにアプローチし、適合させる必要性の高いプロダクトである。それにより、障害のある人や高齢者の自立度を高め、また介護者の介護負担を軽減することができるものである。一方で、福祉用具支援にかかわる支援者の関わり方次第でこれらの道具の有用性や安全性が左右され、結果として対象者の生活に大きな影響を与えるものでもある。 そこで本講義では、理学療法士として福祉用具支援に関わる際に理解しておくべき知識や技術、基本概念について学ぶことで、総合的に福祉用具が理解できるようになることを目的とする。また、自ら福祉用具に関する情報を集めて整理・分析することにより、自ら思考・判断する態度を習得し、またその内容を他者に向けて表現する力をつけることも目的としている。 これらはＤＰにおける「理学療法士の国家資格を取得できる知識・技能」を担保する一つの能力である。 この科目の担当者はリハビリテーションセンター等の臨床現場で福祉用具や住環境整備の支援に関わった経験のある教員が講義を行い、福祉用具に関する総合的な理解を深める。
到　達　目　標 ／Class Objectives	・福祉用具の機能や構造を説明できる ・福祉用具の選び方・使い方が説明できる ・福祉用具の安全性について説明できる ・対象者の生活を理解し、適切な福祉用具を選択できる ・福祉用具に関する情報収集方法を知っている ・収集した情報を適切に判断できる ・収集した情報について他者と議論することができる
授業のキーワード ／Keywords	福祉用具、福祉機器、アシスティブ・テクノロジー、リハビリテーション工学、支援技術、人間工学、福祉住環境、生活支援、安全、事故、デザイン、ものづくり、製品開発
授業の進め方 ／Method of Instruction	・初回授業において授業方法等に関するオリエンテーションを行う ・講義はスライドを用いて行い、適宜実機を使って理解促進につとめる ・また講義内容を踏まえた演習も行う ・演習の結果はレポートにまとめ提出する ・授業の最後にコメントシートを提出してもらい、その中の疑問・質問等について次回授業時にフィードバックを行う ・必要に応じてゲストスピーカーに来てもらったり、学外見学を行うこともある
履修するにあたって ／Instruction to Students	・特別な事情がない限り、遅刻や欠席をしないこと ・毎回出席を取る ・出席回数が10回（授業回数の2/3）に満たない場合は単位は認定されない ・20分以上の遅刻は欠席とみなす（正当な理由がある場合は除く） ・積極的に授業に参加することを期待する ・4/19（水）～21（金）にインテックス大阪で開催される福祉機器展「バリアフリー2023」（https://www.tvoe.co.jp/bmk/）を各自見学することをお勧めします（入場無料）。
授業時間外に必要な学修 ／Expected Work outside of Class	・普段の通学などの日常生活の中で、周りの環境や製品、人の動きなどをよく観察しておくこと（週2,3回程度を目安とする） ・その際に「もし自分が車椅子に乗っていたら」「目が見えなかったら」とイメージしながら観察すること ・次回の講義内容についてや文献やインターネットで事前に調べること（1時間） ・講義後には復習としてその日の講義内容について配布資料を熟読し（1時間）、インターネットや文献、学内にある福祉用具などで確認をすること（1時間）
提出課題など ／Quiz,Report,etc	・毎回講義終了時にコメントシートを提出してもらい、その中に記載された疑問・質問を翌週に解説することで理解促進を図る ・講義期間内で3回程度の演習に関する課題レポートを提出してもらう ・期末にレポート課題を課す ・レポートの提出が1つでも不足していた場合は単位は認定されない ・コメントシートの記載内容や自発的発言・発表、授業への取り組み姿勢などを授業参加度として総合的に判断する
成績評価方法・基準 ／Grading Method・Criteria	授業内レポート課題40％、期末レポート課題50％、コメントシートの記載内容10％で評価する
テキスト ／Required Texts	レジメを配布する
参考図書 ／Reference Books	・「福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト」東京商工会議所 ・作業療法ジャーナル増刊号「保存版テクニカルエイド—生活の視点で役立つ選び方・使い方—」三輪書店 ・「リハビリテーションMOOK15　リハビリテーション工学と福祉機器」千野直一・安藤徳彦編集主幹、金原出版株式会社 ・「生活支援工学概論」日本生活支援工学会・日本リハビリテーション工学協会共編、コロナ社 ・クリニカル作業療法シリーズ「福祉用具・住環境整備の作業療法」玉垣努・渡邉慎一編集、中央法規 ・「元気のでる車いすの話」車いす姿勢保持協会編、はる書房 その他、適宜講義の中で紹介する。

No.	回 ／Time	主題と位置付け ／Subjects and position in the whole class	学習方法と内容 ／Methods and contents	備考 ／Notes
1	第1回	オリエンテーションと福祉用具の意義	本講義の概要と進め方について説明と、福祉用具を使用する意義について解説します。
2	第2回	福祉用具の基本概念とアプローチ	福祉用具に関する様々な定義や概念について解説し、福祉用具を用いたリハ支援のあり方やセラピストとして関わる際の基本概念を学びます。
3	第3回	福祉用具の支援プロセス	福祉用具の利用や導入に関係する諸要素について理解し、支援プロセスについて学びます。また、利用者のニーズに基づいて開発する際の視点についても学びます。
4	第4回	福祉用具のリスクマネジメント	福祉用具ヒヤリハット事例を通じて、安全性の大切さとその対策の重要性を学びます。また、腰痛予防対策など障害のある人だけでなく介護者を守ることの重要性についても考えます。また、課題として福祉用具のヒヤリハット事例を検索してもらい、その中で関心を持った事例とその改善方法について期末レポートとして提出もらいます。
5	第5回	歩行補助具の理解と適合支援①	歩行が困難な高齢者や障害のある人が用いる杖、松葉杖、歩行器、歩行車について、その目的や機能・構造、特徴、使い方、適合方法などについて学びます。
6	第6回	歩行補助具の理解と適合支援②	第5回で学んだ内容を踏まえて、学内にある歩行補助具を使用し、調整方法や使用方法について演習を行います。演習の結果はレポートにまとめて提出してもらいます。
7	第7回	車いすの理解と適合支援①	福祉用具の代表格である車いすについて、その目的や機能、特徴、使い方、主な機種や種類について学びます。
8	第8回	車いすの理解と適合支援②	車いすは利用者の身体や生活に適合していることが求められます。そこで、身体寸法と車いす適合のポイントや車いすの機能・構造、物理原則について学び、車いすを適合する際の視点等を理解します。
9	第9回	車いすの理解と適合支援③	第7,8回で学んだ内容について、身体寸法計測演習や学内にある車椅子の機能や特徴について調査します。その結果をレポートにまとめてもらいます。
10	第10回	移動・移乗動作を支援する福祉用具	移乗動作を支援する移乗用リフトやスライディングボード、移動動作を支援する段差解消機、階段昇降機、住宅用エレベーターについて、その目的や機能・構造、特徴、使い方等について学びます。
11	第11回	起居・就寝を支援する福祉用具	高齢者や障害のある人の就寝や離床を支援する介護ベッドおよびその付属品、手すり等について、その目的や機能、特徴、使い方などについて学びます。
12	第12回	感覚障害のある人を支援する福祉用具	感覚障害（視覚障害・聴覚障害）の理解と、それによって生じする日常生活上の問題を解消する様々な福祉用具やICT機器、システムについて学びます。
13	第13回	福祉用具のメンテナンス	福祉用具に関する事故を考える際、保守管理が十分でないことも要因のひとつとなっています。福祉用具は工業製品ですので、耐用年数もありメンテナンスが不可欠です。そこで、車いすを例にして福祉用具のメンテナンスについて解説します。また、実際に学内にある福祉用具について点検をしてもらいます。
14	第14回	臨床工学サービス	リハビリテーションセンター等にて行われている臨床工学サービスについて映像を見て学び、その内容等をレポートにまとめます。
15	第15回	福祉用具に関する情報	福祉用具に関する展示場や福祉機器展、カタログ、福祉用具情報データベースなど、様々な情報入手方法があります。支援者として福祉用具に関する情報収集の重要性を理解し、その活用方法について学びます。