科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
演習Ⅱ(及び卒業論文)【19-】/Seminar Ⅱ (Graduation Thesis) |
---|---|
授業コード /Class Code |
B601661012 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
経営学部/Business Administration |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
水3/WED3 |
単位数 /Credits |
8.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
辻 幸恵/TSUJI YUKIE |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈コア科目〉/*** MAJORS *** 〈Core Subjects〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
辻 幸恵/TSUJI YUKIE | 経営学部/Business Administration |
授業の方法 /Class Format |
演習(対面) |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
マーケティング論の基本と応用を学ぶ。ケーススタディから成功要因と失敗要因を比較し、それらの原因を比較、理解、考察することを目的とする。前期は各自が問題意識をもち、後期は卒業論文としてまとめる。よって、最終的な目標は、経営の問題を総合的に分析・解析できる知識と技能を習得することである。そのために実務経験がある教員として事例などを示しながら、実際の消費者の行動とマーケティングの理論の合致するところとしないところを説明する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.知識については、企業におけるマーケティングの有用性について自覚することができる能力を養う。たとえば、研究テーマについて、どこでマーケティング手法がいかされているかを説明できるようになることである。2.態度・習慣については、ビジネスシーンを想定してそれにふさわしい態度ができることを目的とする。3.技能については、分析手法について理解ができ、データから確かな洞察ができる力を養う。 |
授業のキーワード /Keywords |
マーケティング、リサーチ、ケーススタディ、消費者 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
毎回、異なるケース(企業の戦略など)を例示し、幅広く日本の企業のマーケティングを学ぶ。授業では理論を先に学習し、その後にケーススタディを学ぶ。ケーススタディについてディスカッションをした後に、簡単な課題を用意するので、解答を授業内で仕上げたり、ディスカッションをする。後期は主に卒論を作成するための課題を優先する。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
ケースは特別な企業を取り上げているわけではないので、該当企業を知らない場合は、事前その企業については調べておくようにする。また、卒論は各自がテーマを選択するので、前期のうちから、授業内での課題やテーマに関心をもって、何をどのように選択してテーマとするのかを早い時期からの準備が必要である |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
マーケティングに関する基本的な書物を読んでおくこと(わからない場合はこちらから指定する). 産学官との連携も積極的にすすめているので、その課題に対する学習は別途、ゼミ時間とは別に設ける。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業内で課題を出すので、その課題は授業内に仕上げてその場で提出する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
評価は以下の3つの方法の総計とする。 1.毎回の授業内で課題を出すのでその場で解答を作成する。 2.ディスカッション・タイムでの発言を加算する。 3.前期と後期のまとめの時間内で理解度をチェックする課題を点数化する。 配点は1の課題については4点(4点×13回)で52点。2のディスカッション・タイムについては1点~6点の配点とする。前期、後期ともに授業内で3回実施する(6点×3回)で18点。 最終的な卒業論文についての進捗状況をチェックする課題については1点~30点の配点とする。 なお、前期のディスカッション・タイムの予定は6、7、8回目を予定している。15回目は理解度のチェックをかねて実施する。後期のディスカッション・タイムの予定は19、20、21を予定している。 |
テキスト /Required Texts |
随時配布する |
参考図書 /Reference Books |
辻幸恵『こだわりと日本人』白桃書房、2013年 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 1回目 | ガイダンス | マーケティング論特殊講義としては理論と実践(ケーススタディ)の両輪で授業をすすめる。授業の具体的なすすめかた、評価方法、授業内容の理解度のチェック方法など、初回の本講義内で説明をする。また、マーケティング論の基礎は学習しているはずではあるが、今回から4回目までで基礎的な部分の復習をおこなう。 | |
2 | 2回目 | マーケティング論の基礎の復習(製品と流通) | マーケティングの4Pのうち、今回は製品と流通について説明をする。一般的な製品の流れや現在の問題点などを学習する。マーケティング論を履修している者にとってはその授業内でも話した内容にもふれるので、復習になる。 | |
3 | 3回目 | マーケティング論の基礎の復習(価格) | マーケティングの4Pのうち、今回は価格について説明をする。価格破壊、価格創造など、価格にまつわるキーワードは多い。特に価格破壊については1970年代~1980年に飛躍的に成長した企業を例示しながら、大衆と呼ばれた人々の価格への意識変化について説明をする。 | |
4 | 4回目 | マーケティング論の基礎の復習(広告) | マーケティングの4Pのうち、今回は広告について説明をする。インターネットの普及によって、昨今の広告はネット広告が盛んであるが、広告そのものは、古い時代から存在している。近代の広告の変遷と広告の重要性について学習をする。 | |
5 | 5回目 | ジンメルの理論とスポーツ飲料のケース | ドイツの社会学者のジンメルは同調と差別化について述べている。この理論に基づいてスポーツ飲料を販売している企業を事例とし、現在でもその理論が通じていること、あるいは日本では差別化が先行していることなどを説明する。 | |
6 | 6回目 | 飲料メーカーの戦略について | サントリーと伊藤園の販売戦略について説明をする。今回は前回のスポーツ飲料を含め、飲料に対する消費者ニーズについてディスカッションをする。その後、各企業が顧客ニーズにどのように対応しているのかを説明し、過去からの顧客ニーズの変化について考察する。 | |
7 | 7回目 | 日本酒業界の改革について | スポーツ飲料、お茶に続き、今回は飲料の最後のケースとして日本酒を取り上げる。京都の伏見の酒や神戸の灘の酒など酒造は地域との結びつきが強い。地酒ブームもあったが、その中で地域ブランドとして構築が成功したものと失敗したものを例示し、成功要因と失敗要因を比較する。今回もディスカッションを実施し、より考察を深める。 | |
8 | 8回目 | 前期前半のまとめ | マーケティングの基礎(4P)の復習と飲料をキーワードに製品と顧客ニーズについて学んできた。今回は復習をしてそれらを総括して、今後の飲料業界には何が必要であるのかを共通テーマとして、各自の意見を発表する。これは発表点として評価にも加える。 | |
9 | 9回目 | 広告理論と情報の伝播 | ここからは広告について学ぶ。最初に広告の手法が多様化してきた現在において、どのような手法がどの対象に影響があるのかを学ぶ。ジンメルのトリクルダウン・セオリーを中心にどのような情報の流れができているのかを確認する。 | |
10 | 10回目 | 広告効果の数値化について | 広告の効果測定法については先行研究がいくつもある。その中からいくつかを選択して、広告が人々に与える影響の度合いについて学ぶ。また、最近はブログやツイッターなど個人間の情報のやり取りもあるので、それらを含めて考察する。 | |
11 | 11回目 | 広告心理について | 前回の広告の効果に続き、広告による消費者の心理の変化について述べる。これは刺激と反応の理論を用いる。ただし、今回は単純な刺激だけではなく、製品情報の蓄積、知覚、認知など心理学の分野も引用しながら、広告心理を考察する。心理学の中で広告という視覚への刺激をどのように捉え、記憶に結びつけているのかについても説明を加える。 | |
12 | 12回目 | 化粧品業界の広告戦略について | 資生堂、カネボウなどの大手の企業と味の素や菊正宗などの本業以外に化粧品をあつかっている企業の広告戦略の相違点について学ぶ。本業の企業が広告の王道であるならば、副業的な企業はどのような戦略やコンセプトをもって化粧品を販売しているのかについて説明をする。 | |
13 | 13回目 | ファッション業界の広告戦略について | 前回の化粧品に引き続き、ファッションの世界でも広告戦略は重要である。ユニクロ、無印良品などと海外有名ブランドとの広告戦略の相違点について学ぶ。 | |
14 | 14回目 | ハンドメイド、雑貨の広告戦略について | ハンドメイドという大量生産ではない商品の広告戦略について学ぶ。同時に雑貨と呼ばれる多品種多種類の製品をどのように企画し、あるいは統一的なコンセプトで売り出すのかについても事例で説明をする。この授業の終わりに次回の発表課題を各自が選択をする。発表課題は前半の学習範囲から選択する。 | |
15 | 15回目 | 前期のまとめ | 前期の最後の時間なので、課題について各自が発表をおこなう。これは発表点として評価に加点する。 | |
16 | 16回目 | 後期のガイダンス | 前期の学習を思い出すと共に、後期の授業の流れについて説明をする。評価方法、発表方法は前期と同じであるが、後期初回であるので確認のために再度、説明をする。また、卒業論文製作についてもここで説明をする。テーマへの選択、その他作成に対する注意事項を含める。 | |
17 | 17回目 | 顧客志向のマーケティング | 顧客満足、顧客感動はどのようにすれば生じてくるのかを学ぶ。事例としてディズニーランドのサービスやホテルのサービスを学習する。また、身近な飲食店のサービスも例示して、顧客の気持ちについて考察し、リピーターをつくる戦略について学ぶ。 顧客満足に関する論文は比較的に多いので、卒論のテーマとしての見方についても説明を加える。 |
|
18 | 18回目 | 顧客ニーズの変化と価値観 | チェーン展開をしているファーストフードに対して、個人経営のカフェは独自の世界がある。マニュアル化されたサービスと個のサービスを比較し、現在の顧客ニーズへの対応とニーズそのものの変化、さらには現在人の価値観の変化について学ぶ。 | |
19 | 19回目 | 顧客ニーズと市場提供物について | 日本においてのエコ意識や東日本の震災後の若者の意識変化について学ぶ。今回は論文を用意しているので、論文を読み、そこから問題点を整理した後、ディスカッションをする。さらに論文の構成を理解し、卒業論文製作に対する参考とする。 | |
20 | 20回目 | 価値観の変化とイベント企画について | 2014年は食に関するイベントが流行した。飽食気味の日本において食をテーマにしたイベントが盛況な理由を分析する。これは大阪府吹田市の万博公園でのイベントと東京での食フェスとよばれるイベントを事例とする。前回に続き、問題点をあきらかにした後、ディスカッションをする。 | |
21 | 21回目 | 場のマネジメントについて | 前回では場とイベント内容について分析をしたが、「場」に着目をして見識を深める。ここでは伊丹敬之著『場のマネジメント-経営の新パラダイム』をベースに場のマネジメントについて考察する。「場」の創造性についてディスカッションをする。ディスカッションの結果から、卒論への引用や考え方につなげていけるように説明を加える。 | |
22 | 22回目 | 場のマネジメントのケーススタディ | 百貨店内の特設会場などの非日常的空間での販売について具体的事例を学ぶ。商品としては雑貨を考え、場の空間と商品とのバランスや顧客目線などをふまえ、どのような空間配置が最適かをシュミレーションする。 | |
23 | 23回目 | 後期における前半のまとめ | 顧客満足、顧客感動を生みだす場についてここではディスカションをする。その後、各自の卒業論文の進捗状況を発表する。 | |
24 | 24回目 | 戦略の基礎について | 企業には成功事例と失敗事例がある。今回はマクドナルドをとりあげて、成功と失敗のそれぞれの事例を分析する。なお、視点としては商品の成功などではなく、ビジネスモデルとしての成否を論じる。 | |
25 | 25回目 | 企業戦略、資源配分とポートフォリオ分析 | 成長戦略を類型し、経営資源の配分、ポートフォリオ分析について学ぶ。企業の成長のためには、市場浸透、市場開発、製品開発、多角化の方向がある。これらを市場成長率と相対市場シェアから考察する。 | |
26 | 26回目 | 消費者データと関与水準の分析 | 知識と関与の分析フレームについて説明をする。ここでは消費者情報処理の分析モデルを中心に学習をする。これらは概念モデルとして長く論じられてきたが、昨今では、解析モデルとしてあらわされている。 | |
27 | 27回目 | 競争環境の分析 | マーケティングと取り巻く環境にはマクロ的な要因である人口動態的環境、経済的環境、政治・法的環境、物的環境、技術的環境、社会・文化的環境があげられる。競争要因としては業界内の競合他社、潜在的参入者と移動の脅威などが考えられる。ここでは競争優位を得るための方策の事例をあげて考察する。また、今回はディスカッションにより、環境要因と競争への戦略について考察する。 | |
28 | 28回目 | 関係性マーケティング | 関係性マーケティングが生まれてきた背景から学習し、その重要性について考察する。ここでは概念定義を説明した後、キーワードである信頼、コミットメント、相互作用、顧客維持などの知識を深める。今回もディスカッションを実施し、顧客の類型による関係性マーケティングについて考える。 | |
29 | 29回目 | サービス・マーケティング | サービス財の特徴から説明をする。サービスの知覚品質と評価尺度の具体的な事例を提供するので、尺度のもつ意味とそれらを現実的にはどのように戦略に対応させているのかを知る。 | |
30 | 30回目 | 今後の研究の方向性と問題点について | マーケティングにおける社会性について考える。企業の社会的責任についてとわれることが多くなった現在で、地域貢献や社会貢献をボランティアではなく、マーケティングの原理にかなった方法でどのように実践していくのかについて考える。今回は、このテーマ以外に、最後の授業となるので、これまでの復習と理解度をみるために、課題を出す。その課題についての解答を求める。 |