科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
人文の知専門講義Ⅲ/Advanced Lecture on Knowledge of Humanities Ⅲ |
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授業コード /Class Code |
B509331001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
木3(前期)/THU3(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
齋藤 鮎子/SAITO AYUKO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈人文の知科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF KNOWLEDGE OF HUMANITIES〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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齋藤 鮎子/SAITO AYUKO | 人文学部/Humanities and Sciences |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
本授業は,「人文の知科目群」に設置された人文学科専門教育科目である。人文学科のDPに示す専門分野に関する知識を身につけると共に,各自の思考力・判断力・表現力を高めることを目指している。 とりわけ,人と社会と自然科目群について考察するために,本授業では食と地域の関連についての講義を行う。食の概念は,人間の感覚や感情などの働きが及んだ意思決定によって行われる食物の生産から消費までの一連の過程である。これに加えて,その過程で生じる影響までも含めた事象と,多岐に渡る。また食は,さまざまな時代や空間スケールにおける地域の性格・特徴を示す指標でもある。 本授業は,単に食を紹介するものではない。地理学的視座から食を含めた特色ある地理的事象や地域を構成する諸要素を多面的に捉え,構成要素を関連付けながら地域の性格・特徴を解説する。とりわけ,日本を含む東アジア地域の食を話題の中心とするが,食が特定の地域に受容され,定着するまでのプロセスを重要な視点と位置づけて解説する。これを理解するために必要な社会・文化・自然的構造についても解説する。 本授業を通じて受講生は,食と地域についての知識を修得し,食がその地域へ受容・定着した背景とプロセスを理解できるようになることを目的とする。これに加えて,自らが当事者として食と地域に関する問題解決策を考えることができるようになることを目的とする。 なお,この授業の担当者は,高等学校での勤務(社会科・地理)を経験しており,実務経験のある教員であるため,実践的教育から構成される授業科目である。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1. 食と地域に関する基礎的知識を身につける(知識,技能)。2. 主題図や統計資料などを読み解く方法を獲得する(知識,技能)。3. 食に関する報道について関心を持ち,地理学的ものの見方・考え方にもとづき,自ら問題の解決策を自分の言葉で示すことができる(態度・習慣,技能)。 |
授業のキーワード /Keywords |
自然条件,社会条件,市場との距離,地域,食,内発的発展論,文化 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
本授業は講義形式で実施する。PowerPointを使用する。これを印刷したものを講義毎に配布する。必要に応じて,映像資料を活用する。必要に応じて受講生は,地図への書き込みや地形図の判読,図表の作成,受講生同士で議論のうえショートレポートをまとめてもらうなどのアクティブラーニングを導入する。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
能動的に講義へ参加し,工夫を凝らしたノートテイキングを目指しましょう。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
シラバスを参考に,授業で取り上げる地域や用語についてあらかじめ地図帳や辞書などを見て基礎的な事項を確認しておくこと。授業で取り上げる地域の場所を地図帳などで確認しておくこと,授業に関係する事柄について予習すること(1時間)。復習として補足の情報や自身の考察などをノートに加筆し,さらに充実したノートを作成すること(1時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
ときおり講義内容の理解度を確認するための小課題やレポート課題を実施する。受講生の理解度を深めるために,全体の傾向を総評し,授業で補足解説などを行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
1. 受講生の理解度を確認するための小課題,小レポートの提出状況(20%) 2. 講義全体についての理解を確認する小テストなど(60%) 3. 授業への参加態度など(20%) これにもとづき総合的に判断する。 ※成績評価の方法について,受講生の数や教室の規模によって変更の可能性がある。その場合は第1回授業内で告知する。 |
テキスト /Required Texts |
使用しない。授業で使用するPowerPointを印刷した資料を配布する。 |
参考図書 /Reference Books |
参考書は授業時に紹介するが,以下の書籍を参照されたい。 江原絢子・石川尚子・東四柳祥子(2009)『日本食物史』吉川弘文館。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 授業科目のガイダンス | 本授業の進め方について説明し,地理学とはどういった学問なのかを解説します。 | |
2 | 第2回 | 食の地理学と地域スケール | 食と地理学の関連について説明し,地域スケールについて解説します。 | |
3 | 第3回 | 食に関わる用語の概念 | 食に関わる言葉の偏在化についてタピオカを例に説明し,食の概念について解説します。 | |
4 | 第4回 | 食文化と食に関する近年の動向 | 食文化・料理の概念と近年の食に関する動向について解説します。 | |
5 | 第5回 | 主食から見る世界の食生活 | 農牧業地域の形成を自然条件,社会条件,市場への距離をもとに説明し,主食と世界の食生活を解説します。 | |
6 | 第6回 | 食に関わる研究の動向 | 食に関わる研究の動向を生態・栄養,象徴・文化,評価・実践の観点から解説します。 | |
7 | 第7回 | アジアの農業と稲作文化 | アジアの地域的特性と気候から,茶と稲の栽培と飲食文化について解説します。 | |
8 | 第8回 | うま味の発見と出汁 | 日本の伝統的食事とうま味について説明し,うま味の地域的展開について解説します。 | |
9 | 第9回 | 日本における外国料理の受容 | 江戸期から第二次世界大戦後直後までの外国料理との接触と受容について,解説します | |
10 | 第10回 | 食の地域ブランディングと地域振興 | 高度経済成長期以後の地方と農村における自治力を活かした内発的発展論から,ご当地グルメ・B級グルメなどの食を用いた地域振興について解説します。 | |
11 | 第11回 | 焼きそばと餃子の日本への受容・移植と変質 | 日本におけるソース,餃子の歴史を食物史を通じて解説します。 | |
12 | 第12回 | 富士宮やきそばによる地域振興 | 静岡県富士宮市のご当地グルメ,富士宮やきそばが食を用いた地域振興で成功した理由を解説します。 | |
13 | 第13回 | 宇都宮餃子の地域ブランディング | 栃木県宇都宮市のご当地グルメ,餃子がいかに地域に根付いたのかを解説します。 | |
14 | 第14回 | 都市と村落の食べ物 | 都市と村落の食べ物について,ファストフードから解説します。 | |
15 | 第15回 | 紅河デルタの食品加工村の実態 | ベトナムの紅河デルタの食品加工を行う家内工業が集積した村の実態を解説します。 |