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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
人文の知専門講義ⅡA/人文の知専門講義Ⅱ 【①】/Advanced Lecture on Knowledge of Humanities ⅡA
授業コード
/Class Code
B509322001
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
月3(後期)/MON3(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
中山 文/NAKAYAMA FUMI
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人文の知科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF KNOWLEDGE OF HUMANITIES〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
中山 文/NAKAYAMA FUMI 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面講義
授業の目的
/Class Purpose
この科目は、人文学部のDPに示す、2「人間の心理、行動および文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけている」、7「多様な他者と共存して、異なった価値観を尊重し、積極的に交流・協働できる」、8「人文学の知見にもとづき、自由で公正で豊かな社会の実現に貢献できる」に関連しています。

男らしさ・女らしさとは何か考えたことはありませんか?漫画やメディアで描かれたり、言葉の使い方に現れたりする男女の違いとは?女子力男子という言葉がありますが、そもそも女子力とは?この授業では、このようなジェンダーという概念がどのように作られ、どのようにものの見方に影響を与えているのかをみんなで考えていきます。そのうえで、世界ではどのようなジェンダー問題が注目を集めているのかについての知識を増やし、日本の状況を振り返ってみましょう。

到 達 目 標
/Class Objectives
1. 生物学的性(sex)と社会的・文化的な側面から見た性(gender)の違いを説明できる。(知識)
2. 性に関する様々な事柄を説明できる。(知識)
3. 性に関する偏見(gender bias)を認識し、どのように対処していくべきなのかを説明できる。(知識)
4. 言葉に見られる、性的特徴や、その土台となっているそれぞれの性による社会の見方の違いについて説明できる。(知識)
5. 女々しさ、女子力といった言葉が意味する事柄が、性の問題とどのように関連しているのかを説明できる。(知識)
6. 性のあり方が多様化する社会で、性的に何らかの点で異なる他者を許容し、協調していくことができる。(態度・習慣)
7.ジェンダーについて日本特有のものがあるのかどうか、考える(知識)
授業のキーワード
/Keywords
生物学的性(sex)と社会的・文化的な側面から見た性(gender)、性の多様化、LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender)、性役割、男らしさ、女らしさ、ジェンダー規範、性別による社会の見方の違い、文学に見られるジェンダー、性暴力、セクシャルハラスメント
授業の進め方
/Method of Instruction
担当者は中国の文学・演劇、ジェンダー学を専門としています。
本講義では、まずジェンダーとはなにか。男女の社会的差異が「当たり前」「普通」と思われる
ことで、どのような社会的問題が生じているのかについて、文学や映像を使って理解します。
みなさんは毎回、アンケートの記述欄に講義内容に関するミニテストや、講義を受けて感じたこと、考えたこと、疑問に思ったことを記述します。第15回目の講義では、内容に関するまとめを行います。
履修するにあたって
/Instruction to Students
アメリカのMetoo運動を皮切りに、日本でもKutoo運動が始まった。だが「おじさん」社会における女性への性差別における現状は正されない。女性だけでなく、性的マイノリティを含む社会的
マイノリティへの蔑視をみていると、「おじさん」の考えを教育で変えることはもはや無理なのだろうかと絶望的になる。
だが、「おじさん」になる前の「お兄さん」たちなら、きっともっと理解ができる。
あなたたちが社会の中心になったときに、誰もが今よりもっと生きやすくなるために、
現状を知ろう。これからジェンダー問題を知るべきなのは、女子よりも男子なのだ。

小説は現実を描きだす。映像は視的に訴える。フィクションを題材に、自分の周囲で起こっている、表面化しない問題について考える。ジェンダー問題を考えさせるフィクションにたくさん触れよう。それらを自分の生き方を考えるきっかけにしよう。

後期の間に1度、男女共同参画室が企画する映画会が開かれます。まだ日程、作品は未定ですが、
できるだけその映画会とアフターシアターに参加してください。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
授業で学んだ用語がどのような概念を表すのか復習する(60分)。ジェンダーやLGBTに関する本、あるいはそれを題材とした小説や漫画を読んだり、アニメや映画を見たりして、ふだんからジェンダーにまつわる問題を理解しようとする(30分)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回の授業の感想を出席カード(3回目授業以後はドットキャンパス)に記入して提出する。
翌週の授業で優秀レポートを紹介する。

第14回授業は、男女共同参画室が主催する映画鑑賞会を兼ねて、4限に行う。
作品鑑賞後、作演出家の山田由梨氏を招いてアフターシアターを行う。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
毎回の出席カードの記載内容60%、確認ワーク時のレポート40%

レポートの評価基準は
テーマの理解:自分の意見:日本語:アイデア=1:1:1:1
テキスト
/Required Texts
特になし。必要に応じてワンドライブにアップします。
参考図書
/Reference Books
小浜政子、板橋曉子『東アジアの家族とセクシュアリティーー規範と逸脱』京都大学学術出版会2022年

『中国の娯楽とジェンダー』勉誠出版社 2022年

『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会 2018年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 導入 担当者の自己紹介と、自分の専門に関する簡単な話をした後に、この授業でどのようなことを扱うのか、どのようなことに関心を持って聴いて欲しいか、15回分の講義内容について簡単に説明します。

なお、毎回の内容についてはdotCampusに順次アップされます。課題に関してもdotCampusに提出となりますので、確認するようにして下さい。
2 第2回 ジェンダーについて ジェンダーって、何?
ジェンダーとは生物学的な性別ではなく、社会的・文化的な性別のこと。性別は持って生まれた先天的なものだけでなく、社会・文化によって創られていくことが、近年広く認識されるようになりました。さて、みなさんはどんなときにジェンダーを感じますか?グループに分かれて、ディスカッションをしてみましょう。
3 第3回 文学1 文学で考えるジェンダー1
高村光太郎『智恵子抄』  文学作品のなかには、その社会が何を重要と考えているかが表れています。男女の差異もそのひとつ。日本人はどんな男らしさ・女らしさを理想としていたのでしょう。純愛詩集『智恵子抄』から読み解きます。
4 第4回 文学2 文学で考えるジェンダー2
現代の若い女性はジェンダー規範に縛られることをどのように感じているかを文学作品から読み取ってみよう。題材はチョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』、松田青子『スタッキング可能』など。
5 第5回 文学3 マンガで考えるジェンダー
特撮好きの女性が、自分の趣味を隠して生きるのはなぜか?『トクサツガガガ』を題材に、「女らしさ」を幸福と考える母と自分らしく生きたい娘の葛藤はどこから来るのか。ジェンダー規範に背を向けることの困難について考える。
6 第6回 母たちの問題 母が、重たい。
母は何を考えているのか。「女性の自立」を歴史的に考える。


7 第7回 母と娘 日本以外の国ではどうなのか?
近年、韓国で急激にフェミニズム文学が隆盛を極めているのはなぜか?
家族制度や社会におけるジェンダー役割から考えてみよう。

8 第8回 娘たちの問題 ロマンチックイデオロギーの罠。「愛している」の落とし穴。
母からのバトンを受け取りそびれたのは、なぜかについて考えよう。
9 第9回 男たちの問題① 今やジェンダーやフェミニズムは女性問題から男性問題へと移行している。
おじさん社会は、男たちにとっても、こんなに苦しい。
このままでいたら、男子学生が社会に出たときにとっても苦しい目に合いそうだ。今や男性こそジェンダーについて学ぶべきなのです。
10 第10回 男たちの問題② チェ・スンポム『私は男でフェミニストです』から学ぶ「男らしさのしんどさ」。
11 第11回 LGBTQについて① 産むか産まぬか、それが問題だ。
生物学的性(sex)と社会的・文化的な側面から見た性(gender)の違いを理解した後、それを踏まえてLGBT(Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender)について見ていきます。

『彼らが本気で編むときは』を取り上げ、ジェンダーとセクシュアリティについて考える。 
12 第12回 LGBTQについて② LGBT、トランスジェンダーは東アジアではどうとらえられているのか。
何が一番問題とされているのかを、中国のドキュメンタリー番組を見て考える。
13 第13回 家庭内暴力とジェンダー 家庭内暴力についてジェンダーの視点から考える。大正時代の家庭内暴力をテーマにした戯曲「短夜」(久保田万太郎)を読んで、当時のジェンダー構造について考えよう。夫婦の関係で、何が最も変わったのだろうか。
14 第14回 家庭内性暴力とジェンダー 贅沢貧乏『わかろうとはおもっているけれど』を題材に、女性と男性のわかりあえなさをわかり合おうとした先にあるものを考える。

15 第15回 確認ワーク 授業から啓発をうけた「ジェンダー問題」について、各自がレポートを書いて提出する。

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