科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
実践演習Ⅰ/Practical Seminar Ⅰ |
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授業コード /Class Code |
B509201007 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
火2(前期)/TUE2(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
長谷川 弘基/HASEGAWA HIROKI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈学部共通科目〉/*** MAJORS *** 〈FUCULTY COMMON SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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長谷川 弘基/HASEGAWA HIROKI | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
演習 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は人文学科の学科共通科目として設置され、文学を専門的に学ぶのに必須ともいえるテクスト分析の手法を習得するための演習科目である。文学作品の分析的読解を進める中で人文学科のDPにも示されている専門知識の獲得と、作品理解を通して思考力・判断力の伸長を目指す。 〈主題〉 文学が近代的学問になるために大きな貢献をしたのが、20世紀初頭に始まったいわゆるClose Readingと呼ばれる技法=態度である。Close Readingが定着することによって、文学研究は従来の印象批評から脱却し、より客観的で科学的な地位を手に入れることができた。日本語の著名な作品を読むことを通してClose Reading(先入観を排してテクストを精密に読む)の手法に慣れ親しみ、それが本質的には科学的データ分析と大部分共通していることを理解すると共に、テクスト解釈の基本を学ぶ。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1) 作品を読む際に分析的な視点を意識できるようになる 2) 「スタイル」の重要性について認識を深める 3) 「スタイル」が細部の積み重ねにあることを理解する 4)詩が鑑賞できるようになる |
授業のキーワード /Keywords |
テクスト、形式、スタイル、分析、細部 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
個々の作品を精読し、解説と質疑応答を織り交ぜ、作品の構造について理解を進める。資料を予め配布するので、授業前に教材と資料を読み合わせ、設問にネット上で答えておくようにして下さい。授業はそれを前提に進めます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
質問があるときは hsgw@human.kobegauin.ac.jp へメールを送って下さい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
各回の課題(前もっての作品講読など)に概ね1時間ほどを要する。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
数回短いレポート(400字程度)を課す。コメントを付して返却する。 また、これとは別に学期末に2000字程度のレポートを課す。希望者には返却する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
各回のレポートを採点し、演習への積極性を加味して評価する(60%)。 学期末のレポートが40%。 |
テキスト /Required Texts |
事前に配布する。 |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 「テクスト」とは何か? | 「作品」を「テクスト」として捉え直すことを通し、普段の無自覚な読書によっては見落とされてしまうものがあることを意識する。 | |
2 | 第2回 | 「羅生門」#1 | 芥川龍之介の「羅生門」を使い、単に「内容」だけではなく、その「形式=スタイル」に注意して読む作業を実践し、それから何が得られるのかを確認する。高校までの国語の授業とは全く違う世界を体験する。 | |
3 | 第3回 | 「羅生門」#2 | 前回に続き「羅生門」を読む。 | |
4 | 第4回 | 「羅生門」#3 | 引き続き「羅生門」を読む。テクスト中で特に際立つ特徴を見つけ、その意義について考察する。 | |
5 | 第5回 | 「蜘蛛の糸」#1 | 「羅生門」を通して学んだことを同じく芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に応用してみる。 | |
6 | 第6回 | 「やまなし」#2 | 引き続き「蜘蛛の糸」を題材とし、テクストの細部に注目することによって「わかること」と「わからないこと」を峻別する重要性を理解する。 | |
7 | 第7回 | 「一房の葡萄」#1 | 作品分析の手法を用いて有島武郎の「一房の葡萄」の解釈を試みる。 | |
8 | 第8回 | 「一房の葡萄」#2 | 引き続き「一房の葡萄」について作品分析を行う。 | |
9 | 第9回 | 詩の作品分析 #1 | おそらくこれまであまり馴染みのない詩を題材にして、言語作品の特性を確認するとともに、詩の鑑賞法を獲得する。ここでは萩原朔太郎の作品を扱う。 | |
10 | 第10回 | 詩の作品分析 #2 | 引き続き詩の題材を扱い、小説との類似点と相違点を意識し、それぞれの特徴を理解する。 ここでは金子光晴の作品を扱う。 | |
11 | 第11回 | ゼミ紹介行事(1) | 3年次のゼミ分けの準備として、3年ゼミを担当予定の教員等によるゼミの紹介を聞きます。 | |
12 | 第12回 | ゼミ紹介行事(2) | 2年生全員が専攻演習を選択する際の参考にするため、次年度専攻演習を担当する教員たちから直接話を聞く機会とします。関心を持った教員の指定する演習室を訪問し、それぞれのゼミの内容について理解を深めます。 | |
13 | 第13回 | 詩の作品分析 #3 | 引き続き詩の分析を進め、詩的言語の特徴を理解する。ここでは宮沢賢治の作品を扱う。 |
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14 | 第14回 | 詩の作品分析 #4 | 引き続き詩の分析を進め、詩的言語の特徴を理解する。ここでは草野心平と井上靖の作品を扱う。 | |
15 | 第15回 | まとめ | 演習を通して獲得した知識やスキルを振り返り、ポートフォリオにまとめる。 |