科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
人文地理学/地域社会研究Ⅰ/Human Geography |
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授業コード /Class Code |
B508454001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月1(前期)/MON1(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈人と社会と自然科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF ENVIRONMENT, HUMAN, COMMUNITY AND HISTORY〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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矢嶋 巌/YAJIMA IWAO | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
複雑多様な現代においては、地域の自然環境や歴史的変化を踏まえつつ、地域において繰り広げられてきたさまざまな人間活動を把握することにより、目にする風景や人々の営みが持つ意味をより本質的に理解したうえで、地域の特性を生かしつつ将来の発展方向を模索する必要があります。この授業は、人間活動を要素ごとに地域的視点から考え、日本や世界の諸地域のそれぞれ独自な地域的特質を目に見えるように描き出す学問分野である人文地理学について学びます。第二次大戦後に劇的な変化を遂げた、農業、工業、小売業、観光といった主要な産業分野の変化について、近畿地方を中心に日本各地の事例を示して解説します。最後に、近代以降の世界や日本の人口の変化について理解します。以上を通して、人文学部ディプロマポリシーにある、複数の分野の基礎知識を教養として身につけるとともに、獲得した知識と体験と技能を活用して、自らが設定した課題や問題点を論理的な分析と考察をとおして解決・解明へと導く力を修得します。また、教職課程履修者は、地域社会の課題を理解する力を修得します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
現在の姿に至るまでの日本の地域構造の変貌を理解する素養を身につける。 社会に出た後も有用な人文分野における地域的研究の際に求められる地域理解のための基礎力を養う。 高等学校地歴科・中学校社会科分野や、地域社会や住民と関わる業務を遂行する際に有用な基礎力を得る。 |
授業のキーワード /Keywords |
地域 系統地理 歴史 農業 工業 小売業 社会人 教職課程 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義形式で進める。適宜ビデオ映像の視聴を行なう。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
関連科目である地域社会概論Ⅰ(2020年度以前入学生は都市村落研究)、地誌学、地域社会概論Ⅱ(2020年度以前入学生は都市村落研究)、自然地理学、地域形成論、人文情報処理(以上後期)も履修するようにして下さい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
シラバスを参考にして、講義前に関係する事項について1時間程度の予習を、また、講義後には授業内容について1時間程度の復習をすることを心がけて下さい。また、日頃から意識して景観を観察したり、地域の産業について取り上げたテレビ番組や新聞記事などを見ることを心がけて下さい。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義中に、講義内容に関する小レポートを時々実施します。なお、受講者の理解を深めるために、いくつかを選んで、次回の授業で匿名にて論評します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験70%、授業ごとに実施する小レポート30%の割合で評価します。 |
テキスト /Required Texts |
山口 覚・水田憲志・金子直樹・吉田雄介・中窪啓介・矢嶋 巌(2019)『図説京阪神の地理―地図から学ぶ―』ミネルヴァ書房 |
参考図書 /Reference Books |
伊藤達也・小田宏信・加藤幸治編(2020)『経済地理学への招待』ミネルヴァ書房 稲垣稜(2021)『日常生活行動からみる大阪大都市圏』ナカニシヤ出版 上野和彦・椿真智子編著(2015)『地理学概論(第2版)』朝倉書店 岡橋秀典(2020)『現代農村の地理学』古今書院 中澤高志(2019)『住まいと仕事の地理学』旬報社 平岡昭利編(2017)『読みたくなる「地図」西日本編―日本の都市はどう変わったか―』海青社 平岡昭利編(2019)『読みたくなる「地図」国土編―日本の国土はどう変わったか―』海青社 矢野恒太記念会編集発行(2020)『数字で見る日本の百年―改訂第七版―』 矢野恒太記念会編集発行(2022)『日本国勢図会2022/23』 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス | 本授業の目的と方法、授業の進め方について説明します。 | |
2 | 第2回 | 日本の農業と食料その1 | 日本における食料自給率の低下とその背景について説明したのち、日本の農業の特徴と課題について考えます。 | |
3 | 第3回 | 日本の農業と食料その2 | 農業が行われなくなってしまうと、どのような影響が生じるでしょう。農業が有する多面的機能を紹介し、日本において農業が果たす役割について考えます。 | |
4 | 第4回 | 日本の農業と食料その3 | 近畿地方の農業の特性と農業を活かした地域振興について考えます。とくに、神戸市西区や加古川市を例に、農業の都市化への対応についても考えます。 | |
5 | 第5回 | 工業と地域その1 | 近代に日本最大の工業地域へと発展した阪神工業地帯の形成過程について、官営工場(陸軍砲兵工廠・造幣局)と民間工場の展開から説明します。 | |
6 | 第6回 | 工業と地域その2 | 第二次世界大戦後、特に高度経済成長期以降における日本各地における工業の発展と阪神工業地帯の凋落について説明します。 | |
7 | 第7回 | 工業と地域その3 | 第二次世界大戦後から近年に至る阪神工業地帯の変容について説明します。とくに、日本の産業構造の変化と阪神工業地帯の苦境について、工業の衰退が京阪神地方の都市地域に及ぼした影響を中心に解説します。 | |
8 | 第8回 | 小売業と地域その1 | 第二次大戦後における日本の小売業の変化について説明します。特に、高度経済成長期以降のスーパーマーケットチェーンの発展と大規模小売店舗法制定の影響に注目します。 | |
9 | 第9回 | 小売業と地域その2 | 第二次大戦後における日本の小売業の変化のうち、1980年代以降の小売業の大規模化と日本人の買い物行動の変化について説明します。とくに、大規模小売店舗法の緩和・廃止、まちづくり3法の制定と小売業の変化に注目します。 | |
10 | 第10回 | 小売業と地域その3 | 小売業の変化が社会、とくに高齢者へ及ぼした影響について、深刻化しつつある買い物難民・フードデザート問題を事例に説明します。 | |
11 | 第11回 | 小売業と地域その4 | 近年の大規模小売店の動向について、イオンを例に検討します。また、京阪神地方の具体例を取り上げ、日本の広域型商店街の変化と近年の商店街振興の取り組みについて紹介します(神戸の元町商店街を予定)。 | |
12 | 第12回 | 人口と地域その1 | 人口の変容メカニズム(人口転換)について概観した後、先進国と発展途上国における出生・死亡数の変動と年齢別人口構成の変化の意味するところについて説明します。 | |
13 | 第13回 | 人口と地域その2 | 産業別人口の変化、世界における人口分布の地域的違いを引き起こした近代以降の人口移動について解説した後、日本の人口の変遷について説明します。 | |
14 | 第14回 | 人口と地域その3 | 日本の人口の変容に関して、とくに地域別に見た場合どのような差異があるのか、都市地域がどのように人口分布で示されるのかについて説明します。 | |
15 | 第15回 | 第二次世界大戦後の日本の構造変化 | 授業内容を振り返り、第二次世界大戦後の日本における構造変容が、人々の暮らしとどのように結びついているのか考えます。 |