シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
舞台芸術研究Ⅲ/身体芸術研究Ⅰ/Studies in Performing Arts Ⅲ
授業コード
/Class Code
B506183001
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
前期/SPRING
曜日・時限
/Day, Period
水5(前期)/WED5(SPR.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
森岡 めぐみ/MORIOKA MEGUMI
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人間探究科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF PERSONAL DEVELOPMENT AND CULTURE〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
森岡 めぐみ/MORIOKA MEGUMI 人文学部/Humanities and Sciences
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
本授業は、人文学部DP「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけ」「獲得した知識と技能を活用して、自らが設定した課題や問題点を論理的な分析と考察をとおして解決・解明へと導くことができる」ことを目的とします。
舞台芸術は、演じ手・観客がお互いに影響を与えあい、劇場(含コンサートホール)という場で成立する芸術です。この3つの要素(演じ手・観客・場)のそれぞれについて知識を深めながら相互関係性から生まれる舞台芸術の魅力について考えます。
講師は、クラシック音楽のコンサートホールで広報を中心にホール業務全般に約30年間携わった後、公立のオーケストラと合唱団の運営を担当している実務経験のある教員です。講義では,その経験をもとに、アートマネジメントの観点から「舞台芸術」に迫ります。その際フィールドワークとして、講師が企画制作しているコンサートのリハーサル見学を予定し、学問と実務を立体的に結びつけます。
到 達 目 標
/Class Objectives
・自分にとって舞台芸術の魅力は何であるかを、説得力をもって述べることができる。
・文化芸術と社会のつながりについて論理的に説明することができる。
授業のキーワード
/Keywords
アートマネジメント、ドラマトゥルク、劇場・コンサートホール、観客・聴衆、社旗包摂
授業の進め方
/Method of Instruction
講義、および映像等の鑑賞で進めます。フィールドワーク(5月17日)を1回予定し、神戸文化ホールで実際の演奏会制作現場(リハーサル)を見学します。
履修するにあたって
/Instruction to Students
音楽や演劇、ダンスなどの実演芸術が好き、または知ってみたい、劇場やホールに興味がある、公演の企画制作、運営の仕事に携わりたいと考えている学生を歓迎します。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
フィールドワークで訪れるコンサートの本番(「神戸文化ホール開館50周年ガラコンサート」5月19日(金)18時30分開演・神戸文化ホール大ホール)の鑑賞(約2時間半)を推奨します(チケットの入手方法などはオリエンテーション時に説明します)。コンサート制作は,本番に立ち会うことで全貌を理解できるものです。
それ以外に、シラバスや授業で示す参考資料を読む、オンラインや劇場やコンサートホールに出かけて鑑賞するなど、関連情報収集に努めて下さい。
上記のような鑑賞に少なくとも4時間程度、ひとつのレポート執筆に1~2時間程度の学修を求めます。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
ミニ・レポート(第6回・第10回 字数は授業で説明)、期末レポート(第15回、2800字程度)。
優れた内容、あるいは重要な問いを含むミニ・レポートについては、提出者の名前を伏せたまま授業内で紹介、あるいはフィードバックします。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
(評価方法)
課題取り組み度(授業での自発的な発言、ミニレポートの内容を総合的に評価)40%
期末レポート 60%
(評価の基準)
・授業内容理解度 50%
・作成したレポートの説得力 50%
※なお、授業外である5月19日(金)のコンサート鑑賞有無は、評価には影響しません。
テキスト
/Required Texts
特に定めません。必要な資料はその都度配布します。
参考図書
/Reference Books
生島美紀子『天才作曲家 大澤壽人』(みすず書房)
岡田暁生『音楽の危機』(中公新書)
平田栄一朗『ドラマトゥルク』(三元社)
藤野一夫『みんなの文化政策講義』(水曜社)
礒山雅(著)・森岡めぐみ(編著)『礒山雅随想集 神の降り立つ楽堂にて』(アルテスパブリッシング)
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 オリエンテーション 授業の進めかた、フィールドワークの説明、提出物の確認、評価の方法を説明する。また、実演芸術(舞台芸術)を成立させる3つの要素について学ぶ。
2 2 視点を得る①バロック・オペラ ジャン=フィリップ・ラモーのバロック歌劇≪優雅なインドの国々≫の一部をウィリアム・クリスティ指揮、レザール・フロリサンによるライブ映像で鑑賞し、作品情報と上演方法、ねらいや時代背景についての「視点」を得る。
3 3 視点を得る②コンテンポラリーダンス ドイツの振付家クルト・ヨースが1932年に発表したバレエ≪緑のテーブル≫を、米国ジョフリー・バレエ団の上演映像で鑑賞する。作品情報と上演方法、ねらいや時代背景についての「視点」を得る。
4 4 フィールドワークに向けて:大澤壽人を知る 2023年に没後70年となる神戸生まれのモダニズムの作曲家・大澤壽人(おおさわ ひさと)について学ぶ。大澤の幻の声楽作品≪ベネディクトゥス幻想曲≫の成立経緯、大澤の音楽の特色などに触れる。フィールドワーク(リハーサル見学)への準備でもある(注:見学曲目は変更の可能性もある)。
5 5 フィールドワーク:「神戸文化ホール開館50周年記念ガラ・コンサート」リハーサル見学(5月17日) 5月19日(金)に本番を迎えるコンサートのリハーサルを、会場となるホールで見学する。(17時30分集合 終了19時予定)集合時間や場所はオリエンテーションで説明する。

公演情報「神戸文化ホール開館50周年記念ガラ・コンサート」
出演: 山田和樹(指揮)、神戸市室内管弦楽団、神戸市混声合唱団ほか
6 6 企画制作とアーティストマネジメント これまでの5回のまとめ。どのような作品を、どうような企画で、どのようなアーティストとともに提供するのかという、企画制作のポイントについて学習する。また、アーティスト(演じ手)選定、またはアーティストたちといかに協働するのか、についても考える。
7 7 観客とつなぐ①ドラマトゥルク ドイツ演劇界で生まれた職分ドラマトゥルクについて知る。日本では「文芸担当」と解釈されるこの仕事は、観客と公演をつなぐのが使命であるという。
8 8 観客とつなぐ②広報 公演と観客をつなぐ役割として、一般的に連想させる業務は「広報」であろう。実際にその役割は多岐にわたり、広報戦略も多様化している。広報の基本を学ぶ。
9 9 観客とつなぐ③社会包摂活動 劇場やホールに足を運べない状況に置かれた人々のもとに出かけるアウトリーチ活動、アーティストも参加者もともに創作を行うワークショップなど、舞台芸術を活用した「誰も取り残さない」社会包摂活動が盛んに行われている。実例に触れたい。
10 10 社会とつなぐ:文化政策 「観客とつなぐ」3回を振り返りながら、観客とつながっていくその先にある「社会」について考察を進める。文化政策において舞台芸術に重要な法律をあたり、その意義を考えていく。
11 11 劇場史を知る①ギリシア・ローマ時代 演じ手と観客の関係、社会へ開かれた舞台芸術を確認したあと、舞台芸術論では死角に入りがちな「劇場」に着目する。劇場の機能とは何なのか。上演が行われてきた劇場史を、西洋の劇場を例に概観していく。
12 12 劇場史を知る②英国エリザベス朝や、ルネサンス時代 シェークスピアが活躍した英国のエリザベス朝の時代や、大陸のルネサンス時代につくられた劇場について、図面や資料などから読み解く。
13 13 劇場史を知る③オペラ劇場とワーグナー オペラ劇場はオペラを観劇する場所ではなかった?劇場で社交する風潮に対して作曲家リヒャルト・ワーグナーはどのように憤ったのか。ワーグナーの問題意識を吟味しながら、劇場の機能について考察する。
14 14 劇場史を知る④20-21世紀の劇場、コンサートホール 技術革新が著しく進み、観客のライフスタイルも著しく変化しつづけるいま、劇場はどのようなかたちになっていくのか、それは本講座のテーマである「舞台芸術の魅力」を味わえる場であり続けるのかを考えたい。
15 15 まとめ 劇場史①~④を振り返りつつ、講座全体のまとめとして、演じ手(作品・企画)・観客・劇場の相互関係性を概観、社会における劇場の意義を展望し、受講生それぞれに、舞台芸術の魅力をどう考えるかについて問う。

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