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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
舞台芸術研究Ⅳ/身体芸術研究Ⅱ/Studies in Performing Arts Ⅳ
授業コード
/Class Code
B504294001
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
水4(後期)/WED4(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
亀岡 典子/KAMEOKA NORIKO
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人間探究科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF PERSONAL DEVELOPMENT AND CULTURE〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
亀岡 典子/KAMEOKA NORIKO 人文学部/Humanities and Sciences
授業の方法
/Class Format
講義(対面授業)

ワンドライブのリンク先です
https://kobegakuin-my.sharepoint.com/:f:/g/personal/hn111505_human_kobegakuin_ac_jp/EpkPyNJfm8ZOvYZeTXbk1-cBWA31KThoCLLmtSLrndEzLw?e=I3dG1T
授業の目的
/Class Purpose
〈主題〉「日本の古典芸能にみる日本人の精神性と日本文化の可能性」 〈目標〉この授業では、人文学部のDPにある「人間の行動や文化に関する専門知識と技能を総合的、体系的に身につけ」、「獲得した知識と体験と技能を活用して、自らが設定した課題や問題点を論理的な分析と考察をとおして解決・解明へと導き」、「多様な他者と共存して、異なった価値観を尊重し、積極的に交流・協働でき」、「人文学の知見にもとづき、知的好奇心をもって、自立的に深く学修できる」力を培うことを目指す。具体的には、伝統芸能についての基礎的な知識を持ち、それぞれのジャンルの芸能の特色や、世界でも類を見ない日本の伝統芸能のオリジナリティーあふれる表現や現在まで継承されてきた理由などを検証。特に上方において戦後、衰退と再興を繰り返してきた伝統芸能の課題と現状、さらに未来への可能性を探る。なお、この授業の担当者は新聞社の伝統芸能担当という実務経験のある教員なので、より実践的、具体的な事例を引いて解説するものとする。
到 達 目 標
/Class Objectives
・古典芸能について概略的な知識を身につけることができる。 ・現代における古典芸能のあり方について建設的かつ創造的な議論ができる。 ・古典芸能について、その発展に貢献できるような批評ができる。 ・古典芸能の作品に描かれているテーマをよく把握し、そこに潜む日本人の精神性を理解することができる。
授業のキーワード
/Keywords
授業の進め方
/Method of Instruction
講義を中心に進めますが、理解を促進するために、舞台写真などビジュアル的な要素を積極的に取り入れるようにします。コロナ禍の収束次第では、ただの解説ではなく、いま伝統芸能の世界で起こっている課題にアプローチし、解決法を考える「ディスカッション」の時間も設ける予定です。
履修するにあたって
/Instruction to Students
古典芸能を実際に見たことがなくても、興味があるという学生や、テレビや文学、歴史、現代演劇などを通して興味をがあったという学生、また、将来、演劇にかかわる仕事がしてみたいと考えている学生が受講してくれることを希望します。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
古典芸能の本質を知るために、本来は劇場等で実際になまの舞台を鑑賞する機会がほしいが、コロナ禍の状況下では、実現は難しいと思われる。また、能楽堂や歌舞伎の劇場などの構造を理解するため劇場等を見学する機会も作りたいが、こちらも難しいのが現状だ。なまの舞台鑑賞が不可能な場合、テレビ放送やインターネット、DVDなどでの鑑賞で代替してよい。1週間に1時間程度が必要と思われます。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
①i講義を聞いた上で、テーマにのっとった中間レポートと期末レポートを提出する。②伝統芸能が未来にどういう可能性を持ち得るかなど社会的かつ創造的な観点からレポートとして提出する。なお、提出されたレポートに関しては、その内容について触れる授業を行いたいと思っている。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
上記、①②を総合的に判定する。
テキスト
/Required Texts
適宜、プリントを配布します。
参考図書
/Reference Books
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1 はじめに この半期で何を学ぶのかを、授業の進め方とともに説明。三大伝統芸能といわれる能、歌舞伎、文楽を中心に、日本の古典芸能のおおまかな歴史や内容、ジャンルを解説します。
2 2 歌舞伎の成立と変貌 四百年前、京の河原で奇抜な踊りをしていた女性、出雲の阿国に始まったといわれる歌舞伎。遊女歌舞伎から若衆歌舞伎、野郎歌舞伎へと変化していった歌舞伎の形態をたどり、歌舞伎の最大の特色である「女形」誕生の過程とその特徴を説明します。
3 3 歌舞伎の独自性 さまざまな古典芸能のなかで歌舞伎は厳密な意味で唯一,現在も興行として成り立っています。なぜこういう運命をたどったのか。歌舞伎は能狂言をはじめ、多くの先行芸能を取り込み、オリジナリティーに富んだ表現や様式を作り上げていきました。歌舞伎の独自性と多様性を探ります。
4 4 上方と江戸 歌舞伎には大きく分けて江戸歌舞伎と上方歌舞伎があり、それぞれの地域の歴史や土壌が異なるスタイルを作り上げたといえます。上方歌舞伎は戦後次第に衰退していきますが、近年、盛り返しの気配を見せています。両者の特色を解説、上方歌舞伎の低迷と再興への道を解説します。
5 5 能の成立と変遷 三大伝統芸能の中で最も古く室町時代に成立した能楽。もともとは中国から伝わった「散楽」がのちに「猿楽」といわれるようになり、観阿弥、世阿弥親子によって洗練された芸術へと昇華しました。初期の上演形態からもっとも大きな変化を遂げたといわれる能楽。その変遷と理由を解説します。
6 6 鎮魂の芸術 能楽は鎮魂の芸術といわれます。主人公のほとんどは現世で罪を犯し、思いを残した死者の霊であり、シンプルな物語のなかに人間の業や運命を浮かび上がらせます。大きな天災の後など、能が現地でしばしば上演されるのは、人間の魂を鎮める力があるといわれるからです。能の物語に潜むテーマを検証します。
7 7 三位一体の文楽 世界中の人形劇のほとんどは子供向きですが、文楽はそのテーマの深さや表現形態など大人のための人形劇といえます。また、太夫、三味線、人形の三業が三位一体となって舞台を作り上げるなどオリジナリティーに富んだ表現形態も特色です。高い文学性と、他の芸能に与えた影響などを解説します。
8 8 文化と行政の関係 平成24年、大阪市が文楽協会への補助金見直しを打ち出しました。大阪で生まれ育った芸能である文楽に対して、大阪市が補助金削減を決めたことは当時大きなニュースになりました。改めて、文楽をはじめ、伝統芸能の問題点が浮き彫りにされました。文化と行政の関係性について、海外や日本の都市で成功している例をあげながら解説します。
9 9 時代が生んだ芸能 能、歌舞伎、文楽には同じ題材で描かれた作品が存在しますが、作者が込めたテーマは異なっています。そこにはその芸能が生まれた時代が反映されているのです。具体的な演目を取り上げ、それぞれの芸能の特性と影響を解説します。
10 10 上方を中心に伝統芸能の課題 伝統芸能はこの数百年の間に衰退と再興を繰り返してきました。特に戦後の関西での低迷は著しく、現在も、芸の継承、観客の減少、若者離れなど複合的な問題が指摘されています。伝統芸能が次代に継承されていく上での課題と未来への展望を解説します。
11 11 日本舞踊、女流義太夫 日本舞踊は歌舞伎や文楽に欠かせない芸能ですが、近年習う人が減少し、それに伴ってプロの舞踊家も減っています。一方、女流義太夫も、本場の大阪で衰退が深刻な芸能です。これらの芸能がなぜ厳しい状況に陥ったのかを検証し、現在の取り組みを探っていきます。
12 12 コロナ禍のなかでの挑戦 2020年から続くコロナ禍は、伝統芸能をはじめとする舞台芸術の世界に大きな打撃を与えました。エンタメ業界は、アーティスト、スタッフ、劇場、興行会社ら関わるすべての人たちが、コロナの時代の興行のあり方を模索しています。そんななか、インターネットを使った新しい形の動画配信などが伝統芸能の世界でも行われています。彼らの挑戦を探りながら、近年、漫画を原作にした新作歌舞伎やバーチャル・シンガーと俳優が共演する「超歌舞伎」などこれまでになかった斬新な舞台が次々に生まれる伝統芸能の世界を探り、その未来と可能性を考えます。
13 13 海外への進出 伝統芸能が海外で高く評価されているのは周知のとおりです。文楽のアルジェリア公演、能や歌舞伎のパリ公演などを例に取り上げながら、伝統芸能がなぜこれほど外国人を引き付けるのかを解説。将来、観光資源や文化資源として海外でどういう価値を持つものになるのかなどを説明します。
14 14 東西の芸術の融合と可能性 シェークスピア劇の歌舞伎化や文楽化、アイルランドの詩劇をもとにした新作能など東西の文化のボーダーを超えた新作づくりが盛んに行われています。一方で、文楽の三人遣いの人形劇が東南アジアなどに広がりを見せるなど、海外の芸能に影響を与えています。伝統芸能の未来を拓く鍵となる東西文化の融合について解説します。
15 15 まとめ 伝統芸能は、混沌とした現代社会において、わたしたちに何をもたらしてくれるのか。日本人のアイデンテイテイーを証明するものともいえる伝統芸能の意義を説明します。

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