シラバス参照

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
地誌学/現代社会の基礎Ⅱ/Topography
授業コード
/Class Code
B501473001
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
月3(後期)/MON3(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人と社会と自然科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF ENVIRONMENT, HUMAN, COMMUNITY AND HISTORY〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
矢嶋 巌/YAJIMA IWAO 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
本授業では、現代社会を理解するための一研究手法として、地誌学を講じます。地誌学は、ある地域について、自然、人文、社会の点から総合的に説明し、その地域性について考察する分野です。地域を総合的に捉える視点を持つことは、地域を取り上げるさまざまな研究において有用ですし、実社会において地域と関わる業務に携わる際においても役立つことでしょう。世界と日本の地域性についての視野を得るために、授業では、近代以降に農村から観光都市として発展し、近年ではさまざまな地域づくりの動きも見られる兵庫県宝塚市を取り上げ、自然環境、歴史、人々の暮らしの変化について取り上げます。なお、本授業では、受講学生自身が、地誌理解を深めるために自ら地域を研究し、各自が現地を訪れることを課題に含む地誌研究レポートを授業期間中に課します。
以上を通して、人文学部ディプロマポリシーにある、複数の分野の基礎知識を教養として身につけるとともに、獲得した知識と体験と技能を活用して、自らが設定した課題や問題点を論理的な分析と考察をとおして解決・解明へと導く力を修得します。また、教職課程履修者は、地域社会の課題を理解する力を修得します。 
到 達 目 標
/Class Objectives
取り上げた地域の特徴をなす自然、人文、社会の諸要素の展開について理解するとともに、要素間の関係性について認識する。
人文分野における地域的研究の際に求められる地域理解のための基礎力を養う。
地図や統計資料を活用するための基礎力を修得する。
授業のキーワード
/Keywords
授業の進め方
/Method of Instruction
講義形式で実施する。必要に応じて、ビデオなどの映像資料も活用する。
履修するにあたって
/Instruction to Students
関連科目である地域社会概論Ⅰ(2020年度以前入学生は都市村落研究)、地域社会概論Ⅱ(2020年度以前入学生は都市村落研究)、人文地理学、自然地理学、地域形成論、人文情報処理(以上後期)も履修するようにして下さい。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
シラバスを参考にして、講義前に関係する事項について1時間程度の予習を、また、講義後には授業内容について1時間程度の復習をすることを心がけて下さい。また、日頃から地誌的視点でさまざまな地域の景観を観察したり、テレビ番組を見ることを心がけて下さい。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
一つの市町村区を取り上げて地誌研究を行うレポートを、授業期間中(11月出題、1月初旬提出期限の予定)に必修で課します。このレポートでは、各自が取り上げた地域を自らが実際に訪れて、関係する写真を撮影して掲載することを求めます。また、講義中に、講義内容に関する小課題を毎回実施します。フィードバックとして、受講者の理解を深めるために、前回の小課題をいくつかを選んで、匿名にて論評することがあります。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
定期試験40%、地誌研究レポート30%、毎回の授業における小課題30%で評価します。
テキスト
/Required Texts
使用しません。
参考図書
/Reference Books
菊地俊夫編(2011)『世界地誌シリーズ1日本』朝倉書店
定藤繁樹編著(2017)『たからづか学―まちの姿と歴史文化が語る宝塚―』関西学院大学出版会
田辺眞人監修、宝塚市文化財団編(2015)『宝塚まちかど学【新版】』神戸新聞総合出版センター
田中義岳(2019)『地域のガバナンスと自治―平等参加・伝統主義をめぐる宝塚市民活動の葛藤―』東信堂
矢ケ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣 雄矢(2020)『地誌学概論第2版』朝倉書店
矢野恒太記念会編集発行(2020)『数字で見る日本の百年―改訂第七版―』
矢野恒太記念会編集発行(2022)『日本国勢図会2022/23』
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 ガイダンスと地誌学の意義、世界の地域区分 この授業の進め方について説明したのち、地誌学の目的と方法について説明します。
2 第2回 地誌学の位置づけ 地誌学の学びにはどのような意味があるのか、中学校や高等学校の教科書を参照しつつ考えます。
3 第3回 宝塚の自然環境 その1 平野に都市が発達した南部と、山間で村落が位置する中部・北部といった地形について説明します。
4 第4回 宝塚の自然環境 その2 市域の大部分が流域に含まれる武庫川の特性と水害史、六甲山地の土石流被害など、宝塚市の自然環境を概観します。
5 第5回 宝塚の自然環境 その3 阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震で甚大な被害を引き起こした断層帯の分布
6 第6回 近世・近代前期の宝塚 その1 近世から近代前期の宝塚の歴史のうち、安土桃山時代に豊臣秀吉も立ち寄った寺内町として成立していた宝塚市小浜地区を中心に紹介します。
7 第7回 近世・近代前期の宝塚 その2 近世から近代前期の宝塚の歴史のうち、江戸時代には酒造も盛んな宿場町と、都市として成立していた宝塚市小浜地区と、植木産業が発展した山本地区などの村落の様子を中心に紹介します。
8 第8回 近世・近代前期の宝塚 その3 近世から近代前期の宝塚の歴史のうち、中山寺参詣を中心に紹介します。
9 第9回 近代後期における宝塚の観光地域化 その1 近代後期における温泉開発と失敗、鉄道(現福知山線)の敷設と温泉の再興を中心とする観光地域化の経緯について紹介します。
10 第10回 近代後期における宝塚の観光地域化 その2 近代後期における小林一三による電鉄敷設の経緯について紹介します。
11 第11回 近代後期における宝塚の観光地域化 その3 近代後期における電鉄会社(現阪急)を中心とする観光地域化の経緯について紹介します。
12 第12回 現代の宝塚の構造:宝塚市の成立と人口推移 第二次世界大戦後の宝塚市の成立と人口の推移について概観します。
13 第13回 現代の宝塚の構造:宝塚の農業と村落地域の今後 日本の農業と同様に宝塚の農業も縮小しつつあります。山本地区の植木産業の現状を把握した後、縮小しつつ農業が継続し魅力的な取り組みも見られる北部の西谷地区における農業と今後について、小学生向け地域教材における紹介をもとに把握し、将来について考えます。
14 第14回 現代の宝塚の構造:宝塚の工業と商業 宝塚市の武庫川沿いには、近代における武庫川の治水工事の進展と第二次世界大戦の影響で工業が立地し、高度経済成長期には工場集中地区が形成されましたが、現代では衰退しつつあります。また、日本の小売業の変化と同様に、宝塚の小売業も大きな変化を遂げています。小学生向け地域教材における紹介も参考にして、第二次世界大戦後の宝塚の工業・商業とそれらの現状を把握します。
15 第15回 地誌理解の意義
これまでの講義を振り返り、地誌を理解することが持つ意義について考えます。

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