科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
薬理学Ⅱ[19~]/Pharmacology Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
B411531003 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
薬学部/Pharmaceutical Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水1(後期)/WED1(AUT.) |
単位数 /Credits |
1.5 |
主担当教員 /Main Instructor |
榎本 理世/ENOMOTO RIYO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 《選択必修科目》/*** MAJORS *** 《SELECTIVELY REQUIRED COURSES》 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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榎本 理世/ENOMOTO RIYO | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
講義 enomoto@pharm.kobegakuin.ac.jp |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、選択必修科目であり2年次に配当している。 この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、2.3.7.8を目指す。 ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針) 本科目では中枢神経系に作用する薬の効き方について学習します。代表的な中枢作用薬の作用機構、適応疾患および副作用を理解し、中枢神経系疾患に対する薬物治療の基礎を身につけることが目的です。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
以下の各SBOsを到達目標とし、中枢神経系に作用する薬物の作用を科学的に考え、論理的に思考することができるようになることを目指します。 C4 生体分子・医薬品の化学による理解 (1)医薬品の標的となる生体分子の構造と化学的な性質 【②生体内で機能する小分子】 C4-(1)-②-1 細胞膜受容体および細胞内(核内)受容体の代表的な内因性リガンドの構造と性質について概説できる。 (3)医薬品の化学構造と性質、作用 【⑤受容体に作用する医薬品の構造と性質】 C4-(3)-⑤-4 ベンゾジアゼピン骨格およびバルビタール骨格を有する代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 C4-(3)-⑤-5 オピオイドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 C6 生命現象の基礎 (3)生命活動を担うタンパク質 【④酵素以外のタンパク質】 C6-(3)-④-1 膜輸送体の種類、構造、機能を説明できる。 C7 人体の成り立ちと生体機能の調節 (1)人体の成り立ち 【④神経系】 C7-(1)-④-1 中枢神経系について概説できる。 (2) 生体機能の調節 【①神経による調節機構】 C7-(2)-①-1 神経細胞の興奮と伝導、シナプス伝達の調節機構について説明できる。 C7-(2)-①-2 代表的な神経伝達物質を挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。 E2 薬理・病態・薬物治療 (1)神経系の疾患と薬 【②体性神経系に作用する薬・筋の疾患の薬、病態、治療】 E2-(1)-②-1 知覚神経に作用する代表的な薬物(局所麻酔薬など)を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用を説明できる。 【③中枢神経系の疾患の薬、病態、治療】 E2-(1)-③-1 全身麻酔薬、催眠薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。 E2-(1)-③-2 麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用(WHO三段階除痛ラダーを含む)を説明できる。 E2-(1)-③-3 中枢興奮薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。 E2-(1)-③-4 統合失調症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-5 うつ病、躁うつ病(双極性障害)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-6 不安神経症(パニック障害と全般性不安障害)、心身症、不眠症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-7 てんかんについて、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-8 脳血管疾患(脳内出血、脳梗塞(脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血)、くも膜下出血)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の 選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-9 Parkinson(パーキンソン)病について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-10 認知症(Alzheimer(アルツハイマー)型認知症、脳血管性認知症等)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(1)-③-11 片頭痛について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)について説明できる。 E2-(1)-③-14 以下の疾患について説明できる。Narcolepsy(ナルコレプシー)、薬物依存症、アルコール依存症 【④化学構造と薬効】 E2-(1)-④-1 神経系の疾患に用いられる代表的な薬物の基本構造と薬効(薬理・薬物動態)の関連を概説できる。 (4)呼吸器系・消化器系の疾患と薬 【①呼吸器系疾患の薬、病態、治療】 E2-(4)-①-2 慢性閉塞性肺疾患および喫煙に関連する疾患(ニコチン依存症を含む)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E2-(4)-①-4 鎮咳薬、去痰薬、呼吸興奮薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)および臨床適用を説明できる。 【②消化器系疾患の薬、病態、治療】 E2-(4)-②-8 悪心・嘔吐について、治療薬および関連薬物(催吐薬)の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 (7)病原微生物(感染症)・悪性新生物(がん)と薬 【⑨がん終末期医療と緩和ケア】 E2-(7)-⑨-2 がん性疼痛の病態(病態生理、症状等)と薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。 E4 薬の生体内運命 (1)薬物の体内動態 【④代謝】 E4-(1)-④-4 プロドラッグと活性代謝物について、例を挙げて説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
中枢神経系、中枢薬理、神経伝達機構 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業計画に従って12回の講義を行ないます。 内容の多少により一部回がずれたり順番が前後する可能性があります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
講義の理解度やわからない点を知るため、毎回、授業の最後の5分程度を授業内容の整理の時間とします。自由記述欄のあるマークカードに記入してもらい、授業の最後に提出してもらいます。別途、課題を提示して提出を求めることもあります。さらに、内容の区切りごとに、dotCampusの機能を使ってオンライン小テストを実施します。 また、授業内容に関する質問、過去の定期試験問題の閲覧や資料の配布などは、dotCampusを活用します。必要に応じて、dotCampusで講義内容を補足する資料を配布します。 オフィスアワー(未定・授業内で案内)や授業終わりの休み時間、dotCampusの機能を使った質疑応答の場などで質問を受け付けます。わからないところやあいまいなところは早めに解消しましょう。dotCampusでは、質問者は教員には見えますが、学生は匿名で質問できます。他の人の質問とその解説も閲覧できますので、活用してください。メールでの1対1の質疑応答は不可とします。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事後学習として復習すること(目安として1時間。できれば授業当日に、無理でもその週のうちにやりましょう。) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の授業内容に関する記述式の課題提出があります。課題提出のかわりにオンライン小テストを実施する週もあります。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
毎週課すオンライン小テストと課題実施の合計が20%、定期試験が80%、合計100%で評価します。授業で学んだことを他人に説明できるレベルで理解していることを合格の基準とします。 なお、補充試験を実施した場合は、補充試験100%で再評価します。 |
テキスト /Required Texts |
NEW薬理学改訂第7版、自作プリント |
参考図書 /Reference Books |
コンパス薬理学改訂第2版、今日の治療薬 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 神経化学入門 | 1)中枢神経を構成する細胞(ニューロン・アストロサイト・ミクログリア)の機能を学ぶ※。 2)電気信号発生機構を学ぶ。 3)シナプス伝達機構を学ぶ。 ※:アドバンス的な内容 C4-(1)-②-1 C6-(3)-④-1 C7-(1)-④-1 C7-(2)-①-1 C7-(2)-①-2 |
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2 | 第2回 | 催眠薬の薬理 | 1)睡眠の生理を学ぶ。※ 2)覚醒機構を学ぶ。※ 3)ベンゾジアゼピン系催眠薬の薬理作用を学ぶ。 4)メラトニン受容体アゴニストの薬理作用を学ぶ。 5)ナルコレプシーの治療を学ぶ。 C7-(2)-①-1 C7-(2)-①-2 E2-(1)-③-1 |
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3 | 第3回 | 抗不安薬および抗てんかん薬の薬理 | 1)不安障害を学ぶ。 2)ベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系抗不安薬の薬理作用を学ぶ。 3)抗てんかん薬の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-6 E2-(1)-③-7 E2-(1)-④-1 E4-(1)-④-4 C4-(3)-⑤-4 |
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4 | 第4回 | 麻酔薬の薬理 ① 全身麻酔薬 ② 局所麻酔薬 |
1)全身麻酔の経過を学ぶ。 2)吸入麻酔薬の薬理作用を学ぶ。 3)静脈麻酔薬の薬理作用を学ぶ。 4)麻酔前投与を学ぶ。 5)知覚神経に作用する薬物の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-1 E2-(1)-②-1 E2-(1)-②-3 E2-(4)-②-8 |
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5 | 第5回 | 麻薬性鎮痛薬の薬理 | 1)痛覚の発生および伝達を学ぶ。※ 2)下降性抑制系の役割を学ぶ。※ 3)モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬の薬理作用を学ぶ。 4)非麻薬性鎮痛薬の薬理作用を学ぶ。 5)オピオイドペプチドの作用を学ぶ。※ E2-(1)-③-2 E2-(4)-①-4 E2-(7)-⑨-2 C4-(3)-⑤-5 |
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6 | 第6回 | 統合失調症治療薬の薬理 | 1)統合失調症の病態を学ぶ。 2)陽性および陰性症状と神経活動の関連性を学ぶ。※ 3)ドパミン仮説およびグルタミン酸仮説を学ぶ。※ 4)定型抗精神病薬の薬理作用を学ぶ。 5)非定型抗精神病薬の薬理作用を学ぶ。 6)多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-4 E2-(4)-②-8 |
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7 | 第7回 | 気分障害治療薬の薬理 | 1)うつ病の病態を学ぶ。 2)躁病の病態を学ぶ。 3)アミン仮説を学ぶ。※ 4)抗うつ薬の薬理作用を学ぶ。 5)抗そう薬の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-5 |
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8 | 第8回 | 認知症治療薬の薬理 | 1)認知症の症状(中核症状と行動・心理症状)を学ぶ。※ 2)コリン仮説、β-アミロイド仮説、グルタミン酸仮説を学ぶ。※ 3)認知症治療薬の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-10 |
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9 | 第9回 | パーキンソン病治療薬 | 1)パーキンソン病の病態を学ぶ。 2)パーキンソン病およびパーキンソン症候群の原因を学ぶ。 3)パーキンソン病治療薬の薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-9 |
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10 | 第10回 | 片頭痛治療薬の薬理 | 1)片頭痛の病態を説明学ぶ。※ 2)片頭痛治療薬の薬理作用を学ぶ。※ E2-(1)-③-11 |
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11 | 第11回 | 脳血管疾患治療薬の薬理 | 8.脳血管疾患(脳内出血、脳梗塞(脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血)、くも膜下出血)について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)、および病態(病態生理、症状等)・薬物治療(医薬品の選択等)を学ぶ。 E2-(1)-③-8 |
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12 | 第12回 | 中枢興奮薬の薬理 | 1)覚醒剤の薬理作用を学ぶ。 2)大麻類の薬理作用を学ぶ。 3)幻覚発現薬の薬理作用を学ぶ。 4)コカインの薬理作用を学ぶ。 5)ニコチンの薬理作用を学ぶ。 E2-(1)-③-3 E2-(4)-①-2 |