科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
生化学Ⅱ[19~]/Biochemistry Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
B411491003 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
薬学部/Pharmaceutical Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
火2(前期)/TUE2(SPR.) |
単位数 /Credits |
1.5 |
主担当教員 /Main Instructor |
髙橋 隆幸/TAKAHASHI TAKAYUKI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 《選択必修科目》/*** MAJORS *** 《SELECTIVELY REQUIRED COURSES》 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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髙橋 隆幸/TAKAHASHI TAKAYUKI | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
対面授業を基本としますが、状況に応じてZoomを用いたオンライン授業(ライブ配信)を行います。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、選択必修科目であり2年次に配当している。 この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、1,2,7,8を目指す。 ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針) 生命現象を理解するためには、私たちが生命活動を営む(生きていく)ための仕組みを知る必要があります。私たちヒトを初めとするすべての生物は、外界から取り込んだ(摂取した)無機質、無機化合物、有機化合物をそのまま利用したり、それらを生体内で必要な物質(糖質、脂質、タンパク質や、生命活動に不可欠なエネルギーなど)に作り変えて利用したりして生きています。また、それと同時に、生物は、代謝過程や生命活動で不要になった物質を、老廃物として体外に排泄します。『生化学』は、これらの生命現象を、化学的な視点を交えて解き明かす学問です。ところで、第1学年後期の「生化学Ⅰ」では、私達の身体を構成する様々な生体分子(糖質・脂質、アミノ酸・タンパク質、ヌクレオチド)の化学構造と体内での働き(機能)について学びました。この講義では、まず初めに生命活動に不可欠なエネルギー(ATP)産生の仕組みを、エネルギー代謝の基礎となる糖質代謝を中心に学んでいきます。さらに、糖質以外の生体分子(脂質、アミノ酸・タンパク質、ヌクレオチド)の代謝を学び、生体内での利用やそれら相互の関係を理解することで、私たちの生命が維持されている仕組みを理解していきます。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
以下の各SBOsを到達目標とする。 C6-(3)-④-2 血漿リポタンパク質の種類、構造、機能を説明できる。 C6-(5)-①-1 エネルギー代謝の概要を説明できる。 C6-(5)-②-1 解糖系及び乳酸の生成について説明できる。 C6-(5)-②-2 クエン酸回路(TCA サイクル)について説明できる。 C6-(5)-②-3 電子伝達系(酸化的リン酸化)とATP 合成酵素について説明できる。 C6-(5)-②-4 グリコーゲンの代謝について説明できる。 C6-(5)-②-5 糖新生について説明できる。 C6-(5)-⑤-3 ペントースリン酸回路について説明できる。 C6-(5)-③-1 脂肪酸の生合成とβ酸化について説明できる。 C6-(5)-③-2 コレステロールの生合成と代謝について説明できる。 C6-(5)-④-1 飢餓状態のエネルギー代謝(ケトン体の利用など)について説明できる。 C6-(5)-④-2 余剰のエネルギーを蓄えるしくみを説明できる。 C6-(5)-⑤-1 アミノ酸分子中の炭素および窒素の代謝(尿素回路など)について説明できる。 C6-(5)-⑤-2 ヌクレオチドの生合成と分解について説明できる。 D1-(3)-①-2 各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを概説できる。 諸君らが、①「生体を構成する分子の構造と性質を理解し、その働きを説明できるようになる」、②「私たち生物の生命活動に不可欠なエネルギー(ATP)を、糖質(グルコース)からどのようにして作り出しているのかを説明できる」、③「糖質以外の生体分子(脂質、アミノ酸・タンパク質、核酸)がどのようにして代謝されていくのかを説明できる」、④「すべての生体分子の代謝系の相互の関係を理解できる」ことを最終目標にいたします。 |
授業のキーワード /Keywords |
生化学、生体分子、糖質、脂質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、ヌクレオチド、代謝、解糖系、クエン酸回路、TCA回路、乳酸発酵、アルコール発酵、電子伝達系、リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル、グリセロールリン酸シャトル、ペントースリン酸経路、糖新生、グルコース、グリコーゲン、ATP、脂質代謝、アミノ酸代謝、タンパク質代謝、ヌクレオチド代謝 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業計画に従っておこないます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
①授業前に以下の「授業計画」を参照し、テキスト(教科書)中の該当する部分を予習しておくことで、授業の理解度が上がると思われます。積極的に学習するようにしてください。 ②教科書の補足と講義の理解度を高めるために、参考資料としてプリントを毎回配布します。プリントには確認問題(練習問題)も載せてありますので、各自、講義内容が理解できているかどうかの確認に利用してください(あえて正解は示しません。わからないところは各自調べて解答するようにしてください)。 ③常日頃の予習・復習が大切であることを理解しておいてください。定期試験前の一時的な勉強では決して合格できませんよ! ④まずは「覚えていく」こと。次に、それを「理解」すること。何よりも最後には「理解」することが大切です。そうすれば必然的に「応用」が利くようになります。 ⑤解らないことがあったら、なるべく早く質問に来てください(質問大歓迎)。解らないところをそのまま放置しておきますと、その後の講義内容が理解できなくなることも多々あります。 ⑥毎回毎回の授業内容を独立したものと捉えずに、常に関連させて理解していくようにしてください。覚えていくことは多いですが、関連させて理解していくことにより、最小限の努力で理解できるようになるはずです。 ⑦オフィスアワーは、月曜日〜金曜日は2限と3限の間の昼休みと土曜日は午前9時から午後3時の間にいたしますが、それ以外の時間でも在室の場合は随時対応いたします。 教員連絡先:takahasi@pharm.kobegakuin.ac.jp |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事前学習として、教科書に目を通しておくこと(目安として0.5時間)。事後学習として、講義内容を復習し、忘れないうちにプリントの確認問題を解いて、得られた知識をその日のうちに確認すること(目安として1時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
特にありません。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
①この科目の成績は、定期試験の成績(100点満点)あるいは最大4回の確認試験と定期試験の合計の成績(100点満点)で評価します。確認試験は全評価の10~20%、残りを定期試験の合計点(計100%)で評価します。詳細は12回目の講義時にお伝えいたします。成績は学則に明記された基準に基づきます(合計が60%以上で合格)。 ②各試験は、マーク式問題と記述問題からなります。各問題の配点割合は、問題用紙に明記いたします。すべてのSBOsから万遍なく出題いたします。 |
テキスト /Required Texts |
前田正知、浅野真司編集 『コンパス 生化学・改訂第2版』南江堂(5,000円+税) |
参考図書 /Reference Books |
・堅田利明、菅原一幸、富田基郎編集 『NEW 生化学・第2版』廣川書店(8,500円+税) ・石橋泰樹・丸山敬監訳 『イラストレイテッド生化学 原書3版』丸善(8,000円+税) ・上代淑人監訳 『イラストレイテッド ハーパー・生化学』丸善(6,800円+税) ・竹島浩編集『医歯薬系学生のための基礎生命科学』京都廣川書店(2,800円+税) ・前野正夫・磯川桂太郎著『はじめの一歩のイラスト生化学・分子生物学』羊土社(3,800円+税) ・野尻久雄編著『パザパ 生化学演習』京都廣川書店(3,800円+税) など、生化学に関係した書籍。自分の能力に合わせて選んでください。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 糖質の消化・吸収と糖質の代謝①:解糖系と嫌気的代謝 | ①デンプンの消化とグルコースの吸収機構を理解する。 ②解糖系を理解する。 ③乳酸発酵とアルコール発酵を理解する。 SBOs: C6-(5)-②-1 D1-(3)-①-2 |
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2 | 第2回 | 糖質の代謝②:嫌気的代謝と好気的代謝と電子伝達系 | ①乳酸発酵とアルコール発酵を理解する。 ②クエン酸回路を理解する。 SBOs: C6-(5)-②-1 C6-(5)-②-2 |
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3 | 第3回 | 糖質の代謝③:電子伝達系 | ①電子伝達系を理解する。 ②基質レベルのリン酸化と酸化的リン酸化によるATP産生の違いを理解する。 ③リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルとグリセロリン酸シャトルと、その違いを理解する。 SBOs: C6-(5)-②-3 |
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4 | 第4回 | 糖質の代謝④:ペントースリン酸経路、グリコーゲンの合成と分解、糖新生 | ①ペントースリン酸経路と、その存在意義を理解する。 ②グリコーゲンの合成と分解を理解する。 ③糖新生の経路と、その重要性を理解する。 SBOs: C6-(5)-②-4 C6-(5)-②-5 C6-(5)-⑤-3 |
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5 | 第5回 | 脂質の代謝①:β酸化とケトン体生成 | ①脂質の消化と吸収を理解する。 ②脂肪酸からエネルギーを得る仕組み(β酸化)を理解する。 ③アセチルCoAのエネルギー代謝における役割を理解する。 ④ケトン体の生成と利用について理解する。 SBOs: C6-(5)-③-1 C6-(5)-④-1 D1-(3)-①-2 |
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6 | 第6回 | 脂質の代謝②:脂肪酸の生合成とコレステロールの代謝 | ①脂肪酸の生合成と、余剰エネルギーの蓄積機構を理解する。 ②コレステロールの分解と生合成経路を理解する。 ③食餌由来の脂質や肝臓で生合成された脂質の体内運搬(リポタンパク質の代謝)を理解する。 SBOs: C6-(3)-④-2 C6-(5)-③-1 C6-(5)-③-2 C6-(5)-④-2 |
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7 | 第7回 | 脂質の代謝③:リポタンパク質の働き | ①食餌由来の脂質や肝臓で生合成された脂質の体内運搬(リポタンパク質の代謝)を理解する。 ②中性脂肪とリン脂質の生合成経路を理解する。 SBOs: C6-(3)-④-2 C6-(5)-④-2 |
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8 | 第8回 | アミノ酸・タンパク質の代謝①:アミノ基部分の代謝 | ①タンパク質の消化とアミノ酸の吸収機構を理解する。 ②一般的なアミノ酸の代謝機構(おもに、アミノ基部分の代謝)を理解する。 SBOs: C6-(5)-⑤-1 D1-(3)-①-2 |
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9 | 第9回 | アミノ酸・タンパク質の代謝②:炭素骨格部分の代謝と先天性アミノ酸代謝異常症 | ①一般的なアミノ酸の代謝機構(おもに、炭素骨格部分の代謝)を理解する。 ②糖原性アミノ酸とケト原性アミノ酸を理解する。 ③代表的な先天性のアミノ酸代謝異常症の成因を理解する。 SBOs: C6-(5)-⑤-1 |
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10 | 第10回 | ヌクレオチドの代謝①:ヌクレオチドの生合成 | ①ヌクレオチドの生合成経路を理解する。 SBOs: C6-(5)-⑤-2 |
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11 | 第11回 | ヌクレオチドの代謝②:ヌクレオチドの代謝 | ①ヌクレオチドの分解経路を理解する。 SBOs: C6-(5)-⑤-2 |
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12 | 第12回 | 生体分子の代謝(まとめ) | ①糖質代謝、脂質代謝、アミノ酸・タンパク質代謝、ヌクレオチド代謝の相互の係りを理解する。 ②生体内でのエネルギー利用と余剰エネルギーの蓄積を理解する。 ③飢餓時や糖尿病時の代謝変化を理解する。 SBOs: C6-(5)-④-1 C6-(5)-④-2 |