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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/20 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
製剤設計Ⅳ(開発と生産)[13~14]/Dosage Form Design IV (Industrial Development)
授業コード
/Class Code
B411221001
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
薬学部/Pharmaceutical Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
水1(後期)/WED1(AUT.)
単位数
/Credits
1.5
主担当教員
/Main Instructor
市川 秀喜/ICHIKAWA HIDEKI
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 《選択科目》/*** MAJORS *** 《ELECTIVE》
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
市川 秀喜/ICHIKAWA HIDEKI 薬学部/Pharmaceutical Sciences
亀井 敬泰/KAMEI NORIYASU 薬学部/Pharmaceutical Sciences
武田 真莉子/TAKEDA MARIKO 薬学部/Pharmaceutical Sciences
授業の方法
/Class Format
対面授業(講義)
授業の目的
/Class Purpose
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、アドバンスト科目であり6年次に配当している。
この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、2、3を目指す。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)、http://www.kobegakuin.ac.jp/information/outline/policy/diploma.html

近年の医薬品開発では、従来の低分子医薬のみならず、抗体医薬、核酸医薬、細胞医薬、遺伝子治療薬などに代表される新しい創薬モダリティが続々と誕生してきている。そうした医薬品には標的部位への精密で適切な送達が求められるため、これを実現するための薬物送達システム(DDS)の技術開発はますます重要性を帯びてきている。一方、医薬品製剤の生産プロセスに目を向けると、現行のバッチ式から新たに連続式への展開が取り組まれるようになり、既に連続生産式で製造される医薬品も複数の品目が上市されるようになっている。このように、医薬品製剤の開発と生産を取り巻く状況は年々変化している。
本科目では、そうした医薬品製剤の開発と生産に関わるUp-to-Dateな動向について、各授業で取り上げる題材を正確に理解するために必須となる製剤学の基礎的事項を、適宜、参照または振り返りながら学ぶことを目的とする。
到 達 目 標
/Class Objectives
以下の各SBOsを到達目標とする。
C16-(1)-①-1 溶液の濃度と性質について説明できる。
C16-(1)-①-2 物質の溶解とその速度について説明できる。
C16-(1)-①-3 溶解した物質の膜透過速度について説明できる。
C16-(1)-①-4 物質の溶解に対して酸・塩基反応が果たす役割を説明できる。
C16-(1)-②-1 界面の性質について説明できる。
C16-(1)-②-2 代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる。
C16-(1)-②-3 乳剤の型と性質について説明できる。
C16-(1)-②-4 代表的な分散系を列挙し、その性質について説明できる。
C16-(1)-②-5 分散粒子の沈降現象について説明できる。
C16-(1)-③-1 流動と変形(レオロジー)の概念を理解し、代表的なモデルについて説明できる。
C16-(1)-③-2 高分子の構造と高分子溶液の性質について説明できる。
C16-(1)-③-3 製剤分野で汎用される高分子の物性について説明できる。
C16-(1)-③-4 粉体の性質について説明できる。
C16-(1)-③-5 製剤材料としての分子集合体について説明できる。
C16-(1)-③-6 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因、安定化方法を列挙し、説明できる。
C16-(1)-③-7 粉末X線回折測定法の原理と利用法について概略を説明できる。
C16-(2)-①-1 代表的な剤形の種類と特徴を説明できる。
C16-(2)-①-2 代表的な固形製剤の種類と性質について説明できる。
C16-(2)-①-3 代表的な半固形製剤の種類と性質について説明できる。
C16-(2)-①-4 代表的な液状製剤の種類と性質について説明できる。
C16-(2)-①-5 代表的な無菌製剤の種類と性質について説明できる。
C16-(2)-①-6 エアゾール剤とその類似製剤について説明できる。
C16-(2)-①-7 代表的な製剤添加物の種類と性質について説明できる。
C16-(2)-①-8 代表的な製剤の有効性と安全性評価法について説明できる。
C16-(2)-②-1 製剤化の単位操作および汎用される製剤機械について説明できる。
C16-(2)-②-3 汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。
C16-(2)-③-1 日本薬局方の製剤に関連する試験法を列挙できる。
C16-(3)-①-1 従来の医薬品製剤の有効性、安全性、信頼性における主な問題点を列挙できる。
C16-(3)-①-2 DDSの概念と有用性について説明できる。
C16-(3)-②-1 放出制御型製剤(徐放性製剤を含む)の利点について説明できる。
C16-(3)-②-2 代表的な放出制御型製剤を列挙できる。
C16-(3)-②-3 代表的な徐放性製剤における徐放化の手段について説明できる。
C16-(3)-②-4 徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質について説明できる。
C16-(3)-②-5 経皮投与製剤の特徴と利点について説明できる。
C16-(3)-②-6 腸溶製剤の特徴と利点について説明できる。
C16-(3)-③-1 ターゲティングの概要と意義について説明できる。
C16-(3)-③-2 代表的なドラッグキャリアーを列挙し、そのメカニズムを説明できる。
C16-(3)-④-1 代表的なプロドラッグを列挙し、そのメカニズムと有用性について説明できる。
C16-(3)-⑤-1 代表的な生体膜透過促進法について説明できる。
授業のキーワード
/Keywords
【武田】
創薬モダリティ、物質の溶解と拡散、界面活性剤、包接化合物、コロイド、乳剤、懸濁剤

【市川】
ナノテクノロジー、連続生産プロセス、3D-プリンティング技術、デジタルメディシン、粉体、レオロジー、単位操作、容器・包装

【亀井】
放出制御、ターゲティング、吸収改善、脂質ナノ粒子、抗体薬物複合体、核酸医薬品
授業の進め方
/Method of Instruction
授業計画に従って、オムニバス形式で12回の講義を行ないます。

【武田】
授業計画に従って4回の講義を行います。製剤設計Ⅰで学んだ基礎的事項を振り返りながら、最新の創薬モダリティに活用される製剤について解説し、応用力を培います。

【市川】
各題材に関係する基礎事項を、適宜、参照または振り返りながら講義を進めます。質問はメールを利用してください(随時対応します)。また、学習支援のため本学のLearning Management System(LMS;dot Campus、Microsoft Teams、Moodleなど)を利用します。講義内容の補足や資料の配布などは原則としてすべてLMS上で行います。

【亀井】
授業計画に従って4回の講義を行います。
履修するにあたって
/Instruction to Students
本科目は、その大部分が「剤形・局方・薬物動態を知る」「物質の状態Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」「物質の分析Ⅲ」「製剤設計Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」に続くものです。今までに修得した知識の実際的な応用力が広範に求められます。したがって、受講前にこれらの科目で学んだ内容を習熟しておくことが必須です。

オフィスアワー:

【武田】
オフィスアワー:随時対応しますが、予めメールでアポイントメントを取って下さい(mmtakeda@pharm.kobegakuin.ac.jp)。

【市川】
随時対応します。ただし、予めメールで所在を問い合わせてください。(ichikawa@pharm.kobegakuin.ac.jp)

【亀井】
随時。不在の場合がありますので、予めメールでご連絡ください。(noriyasu@pharm.kobegakuin.ac.jp)
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
【武田】
授業毎にLMSを利用して小テストを実施します。実施方法は授業あるいはLMSで説明します。また授業後には、授業内容の理解を深め、知識を確実に身につけるために、学んだ内容を整理して復習をしてください(目安として1.5時間)。理解できない箇所がある場合には、メール等でいつでも質問してください。

【市川】
授業毎にLMSを利用して小テストを実施します。実施方法はLMSで説明しますので、見落としの無いようにしてください。毎回の授業のノートと参照した資料を整理して、内容を復習するとともに、小テストを活用して身につけるべき知識の確認をしてください(目安として1.5時間)。はっきりしないところは、まず自分でよく考え、その上で分からないところはメールで質問してください。

【亀井】
授業毎にLMSを利用して小テストを実施します。
事後学修として、授業の内容を整理して復習してください(目安として1.5時間)。
理解できない箇所がある場合には、メール等で質問してください。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
授業時に指示します。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
<成績評価方法>
・毎授業で実施する小テストの取り組み状況と成績〔80%〕
・全授業終了後に課する小レポート〔20%〕
に基づいて評価します。
<小テストの概要>
出題範囲:第1回~第12回の授業内容
形式:正誤選択問題(各回5~10問程度)
設問形式の例:
問 「***」に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1.〇〇〇〇〇〇〇〇
2.△△△△△△△△
・・・・・・・・・・
5.◇◇◇◇◇◇◇◇
テキスト
/Required Texts
【武田】
講義はパワーポイントスライドを用いて行います。スライドの印刷物をテキストとして配布します。知識の定着を図るために、追加資料や例題なども配布します。

【市川】
講義はパワーポイントスライドを用いて行います。スライド画面の印刷物をテキストとして配布します。副テキストとして、2年次で使用した平野裕之・市川秀喜・著『HANDY INTELLIGENCE 日本薬局方17局準拠』京都廣川書店を、適宜、使用します。

【亀井】
パワーポイントスライドを用いて解説します。スライドの印刷物をテキストとして配布します。
参考図書
/Reference Books
竹内洋文・有馬英俊・平山文俊・山本浩充・編『最新製剤学』廣川書店
日本薬学会編スタンダード薬学シリーズ7 『製剤化のサイエンス』東京化学同人
橋田 充・監、高倉義信・編『図解で学ぶDDS 第2版』じほう
片岡一則・監『医療ナノテクノロジー』杏林図書
田端泰彦・編『絵で見てわかるナノDDS』メディカルドゥ
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回(武田) 液状製剤の設計と開発
(その1)
近年、新薬候補化合物の中には難水溶性薬物の割合が増えている。これを題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(溶解現象と溶解に影響を及ぼす因子など)を振り返りながら、難水溶性薬物の溶解度や溶解速度を高める機構の理解を深める。
C16-(1)-①-1
C16-(1)-①-2
C16-(1)-①-4
2 第2回(武田) 液状製剤の設計と開発
(その2)
製剤的工夫が施された注射剤および透析用製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(束一的性質や添加剤、無菌化)を振り返りながら、それらの製剤の特徴について学ぶ。
C16-(2)-①-4
C16-(2)-①-5
C16-(2)-①-6
3 第3回(武田) 分散系製剤の設計と開発
(その1)
製剤的工夫が施された分散系製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(界面の性質や分離現象)を振り返りながら、それらの分散系製剤の特徴について学ぶ。
C16-(1)-②-1
C16-(1)-②-2
C16-(1)-②-5
4 第4回(武田) 分散系製剤の設計と開発
(その2)
その1に引き続き、製剤的工夫が施された分散系製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(添加剤や分散安定性を高める手法)を振り返りながら、それらの分散系製剤の特徴について学ぶ。
C16-(1)-②-3
C16-(1)-②-4
C16-(1)-③-5
5 第5回(市川) 固形製剤の設計と開発(その1) 製剤的工夫が施された固形製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(原料粉体の性質,製剤添加物の種類と性質など)を参照しながら、それらの固形製剤の特徴について学ぶ。
C16-(1)-③-3
C16-(1)-③-4
C16-(1)-③-5
C16-(1)-③-6
C16-(1)-③-7
C16-(2)-①-1
C16-(2)-①-2
C16-(2)-①-7
C16-(2)-①-8
6 第6回(市川) 固形製剤の設計と開発(その2) その1に引き続き、製剤的工夫が施された固形製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(製剤特性の評価・試験法、容器・包装など)を参照しながら、それらの固形製剤の特徴について学ぶ。
C16-(2)-②-3
C16-(2)-③-1
7 第7回(市川) 固形製剤の生産技術 近年、注目を集めている連続生産プロセスや3D-プリンティング技術を題材にして、既往の製剤化の方法(製剤機械、単位操作、製剤工程)を参照しながら、固形製剤の新しい生産技術について学ぶ。
C16-(2)-②-1
8 第8回(市川) 半固形製剤の設計と開発 製剤的工夫が施された半固形製剤を題材として取り上げ、これに関連する製剤学の基礎的事項(レオロジー、製剤添加物や製剤特性の評価・試験法など)を参照しながら、それらの半固形製剤の特徴について学ぶ。
C16-(1)-③-1
C16-(1)-③-2
C16-(1)-③-3
C16-(1)-③-6
C16-(2)-①-1
C16-(2)-①-3
C16-(2)-①-7
C16-(2)-②-3
C16-(2)-③-1
9 第9回(亀井) 薬物放出制御技術を活用した医薬品(その1) 薬物放出制御技術(コントロールドリリース)に関連する基礎的事項を参照しながら、実用化例とその特徴を学ぶ。
C16-(3)-①-1
C16-(3)-①-2
C16-(1)-①-3
C16-(3)-②-1
C16-(3)-②-2
C16-(3)-②-3
C16-(3)-②-4 
C16-(3)-②-6
10 第10回(亀井) 薬物放出制御技術を活用した医薬品(その2) その1に引き続き、薬物放出制御技術(コントロールドリリース)に関連する基礎的事項を参照しながら、実用化例とその特徴を学ぶ。
C16-(3)-②-1
C16-(3)-②-2
C16-(3)-②-3
C16-(3)-②-4
C16-(3)-②-5 
11 第11回(亀井) 吸収改善手法を活用した医薬品 吸収改善手法(プロドラッグ化、膜透過性・溶解性改善)に関連する基礎的事項を参照しながら、実用化例とその特徴を学ぶ。
C16-(3)-④-1
C16-(3)-⑤-1 
12 第12回(亀井) ターゲティング技術を活用した医薬品 ターゲティング技術(高分子・リガンド修飾、ナノ粒子製剤化)に関連する基礎的事項を参照しながら、実用化例とその特徴を学ぶ。
C16-(3)-③-1
C16-(3)-③-2
C16-(3)-④-1 

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