科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
分子設計学/Molecular Drug Design |
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授業コード /Class Code |
B404401001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
薬学部/Pharmaceutical Sciences |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
水2(前期)/WED2(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
袁 德其/YUAN DEQI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 《選択科目》/*** MAJORS *** 《ELECTIVE》 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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神谷 浩平/KAMIYA KOUHEI | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
袁 德其/YUAN DEQI | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、アドバンスト科目であり6年次に配当している。 この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、2及び3を目指す。 ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針) 現在用いられている医薬品には、自然界に存在する化合物(植物や微生物由来の二次代謝産物)そのもの、あるいは、それらをリード化合物として種々の化学修飾を行うことにより開発された化合物が多く存在する。それら生体に影響を及ぼす貴重な化合物を植物あるいは微生物がどのようにして作り出すかを習得することが第一の目的である。また、現在用いられている医薬品がどのように生体と相互作用をして薬効が発現しているかを有機化学的な視点からそのメカニズムを理解することは重要である。そのためには、生体に影響を及ぼす代表的な有機化合物の構造や性質を理解し、その化学構造から生体に及ぼす影響を推測できることが第二の目的である。さらに、化学構造を知る上では、分析機器を用いた化学構造決定法も重要であり、演習を通じて有機化合物のスペクトルにより構造同定技能を高めることを第三の目的である。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
以下の各SBOsを到達目標とする。 天然物化学関連 C7ー(1)ー②ー5 代表的な薬用植物に含有される薬効成分を説明できる。 C7ー(1)ー③ー1 動物、鉱物由来の医薬品について具体例をあげて説明できる。 C7ー(1)ー④ー1 代表的な生薬成分を化学構造から分類し、それらの生合成経路を概説できる。 C7ー(1)ー④ー2 代表的なテルペノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(1)ー④ー3 代表的な強心配糖体の構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(1)ー④ー4 代表的なアルカロイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(1)ー④ー5 代表的なフラボノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(1)ー④ー6 代表的なフェニルプロパノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(1)ー④ー7 代表的なポリケチドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。 C7ー(2)ー①ー1 医薬品として使われている天然有機化合物およびその誘導体を、具体例を挙げて説明できる。 C7ー(2)ー③ー1 抗生物質とは何か説明し、化学構造に基づいて分類できる。 C7ー(2)ー④ー1 微生物による抗生物質(ペニシリン、ストレプトマイシンなど)生産の過程を概説できる。 有機化学関連 C4-(1)-①-4 有機反応における結合の開裂と生成の様式について説明できる。 C4-(1)-①-5 基本的な有機反応(置換、付加、脱離、転位)の特徴を概説できる。 C4-(1)-①-7 炭素原子を含む反応中間体(カルボカチオン、カルバニオン、ラジカル、カルベン)の構造と性質を説明できる。 C4-(1)-①-8 反応の進行を、エネルギー図を用いて説明できる。 C4-(1)-①-9 有機反応を、電子の動きを示す矢印を用いて説明できる。 C4-(2)-②-1 アルケンへの代表的なシン型付加反応を列挙し、反応機構を説明できる。 C4-(2)-②-2 アルケンへの臭素の付加反応の機構を図示し、反応の立体特異性(アンチ付加)を説明できる。 C4-(2)-②-4 カルボカチオンの級数と安定性について説明できる。 C4-(2)-②-6 共役ジエンへのハロゲンの付加反応の特徴について説明できる。 C4-(2)-③-3 芳香族化合物の求電子置換反応の機構を説明できる。 C4-(3)-②-2 求核置換反応(SN1および SN2反応)の機構について、立体化学を含めて説明できる。 C4-(3)-②-3 ハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素の機構を図示し、反応の位置選択性(Saytzeff則)を説明できる。 C5-(1)-11 代表的な官能基選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。 C5-(2)-②-1 代表的な位置選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。 C5-(2)-②-2 代表的な立体選択的反応を列挙し、その機構と応用例について説明できる。 構造解析関連 C4-(4)-②-8 代表的化合物の部分構造を1H NMR から決定できる。(技能) C4-(4)-③-2 代表的な構造中の炭素について、おおよその化学シフト値を示すことができる。 C4-(4)-④-2 IRスペクトル上の基本的な官能基の特性吸収を列挙し、帰属することができる。(知識・技能) C4-(4)-⑥-3 ピークの種類(基準ピーク、分子イオンピーク、同位体ピーク、フラグメントピーク)を説明ができる。 C4-(4)-⑥-4 塩素原子や臭素原子を含む化合物のマススペクトルの特徴を説明できる。 C4-(4)-⑥-5 代表的なフラグメンテーションについて概説できる。 C4-(4)-⑥-7 基本的な化合物のマススペクトルを解析できる。(技能) C4-(4)-⑧-1 代表的な機器分析法を用いて、基本的な化合物の構造決定ができる。(技能) |
授業のキーワード /Keywords |
天然物化学、生合成、有機化学反応、反応機構、反応中間体、NMR、マス、構造解析法 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業計画に従って15回の講義を行う。第 1回~第7回は神谷が担当し、第8回~第15回は袁が担当する。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
講義後の復習(目安として1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
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成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
講義内容に関する小テストにより評価する。 |
テキスト /Required Texts |
オリジナルプリント |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | テルペノイドの構造と生合成 | 植物由来のテルペノイドの化学構造、生合成機構および薬効について C7ー(1)ー②ー5 C7ー(1)ー③ー1 C7ー(1)ー④ー1 C7ー(1)ー④ー2 C7ー(1)ー④ー3 C7ー(2)ー①ー1 |
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2 | 第2回 | ポリケチドの構造と生合成 | 植物由来のポリケチドの化学構造、生合成機構および薬効について C7ー(1)ー②ー5 C7ー(1)ー④ー1 C7ー(1)ー④ー7 C7ー(2)ー①ー1 |
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3 | 第3回 | フェニルプロパノイドの構造と生合成 | 植物由来のフェニルプロパノイドの化学構造、生合成機構および薬効について C7ー(1)ー②ー5 C7ー(1)ー④ー1 C7ー(1)ー④ー6 C7ー(2)ー①ー1 |
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4 | 第4回 | フラボノイドの構造と生合成 | 植物由来のフラボノイドの化学構造、生合成機構および薬効について C7ー(1)ー②ー5 C7ー(1)ー④ー1 C7ー(1)ー④ー5 C7ー(2)ー①ー1 |
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5 | 第5回 | アルカロイドの構造と生合成 | 植物由来のアルカロイドの化学構造、生合成機構および薬効について C7ー(1)ー②ー5 C7ー(1)ー④ー1 C7ー(1)ー④ー4 C7ー(2)ー①ー1 |
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6 | 第6回 | 抗生物質の構造・分類・生合成 | 微生物が作り出す医薬品の化学構造とその生合成過程について C7ー(2)ー③ー1 C7ー(2)ー④ー1 |
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7 | 第7回 | 総合演習(1) | 第1回~第6回までのまとめ | |
8 | 第8回 | 典型的有機反応の分類および特徴 | 置換、付加、脱離、酸化、還元など C4-(1)-①-4、C4-(1)-①-5 |
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9 | 第9回 | 典型的有機反応機構 | 主な反応中間体およびその相対的安定性、典型的反応剤(求核剤、求電子剤など)およびその相対的反応性 C4-(1)-①-7 ~ C4-(1)-①-9、C4-(2)-②-1、C4-(2)-②-2、C4-(2)-②-4、C4-(2)-③-3、C4-(3)-②-2、C4-(3)-②-3 |
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10 | 第10回 | 代表的な選択的反応 | 反応機構と応用 C4-(2)-②-6、C5-(1)-11、C5-(2)-②-1、C5-(2)-②-2 |
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11 | 第11回 | 総合演習(2) | 典型的生体反応を理解する。 C4-(1)-①-4、C4-(1)-①-5、C4-(1)-①-7 ~ C4-(1)-①-9、C4-(2)-②-1、C4-(2)-②-2、C4-(2)-②-4、C4-(2)-②-6、C4-(2)-③-3、C4-(3)-②-2、C4-(3)-②-3、C5-(1)-11、C5-(2)-②-1、C5-(2)-②-2 |
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12 | 第12回 | 1H-NMR及び13C-NMRスペクトル | 1H-NMR及び13C-NMRスペクトルから代表的有機化合物の構造を決定する。 C4-(4)-②-8、C4-(4)-③-2 |
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13 | 第13回 | マススペクトル、IRスペクトル | マススペクトルおよび赤外線吸収スペクトルの測定原理、データ解析法、有機化合物の構造解析への応用 C4-(4)-④-2、C4-(4)-⑥-3 ~ C4-(4)-⑥-5、C4-(4)-⑥-7 |
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14 | 第14回 | 総合演習(3) | 各スペクトルを利用した有機化合物の総合解析演習 C4-(4)-②-8、C4-(4)-③-2、C4-(4)-④-2、C4-(4)-⑥-4 ~ C4-(4)-⑥-5、C4-(4)-⑥-7、C4-(4)-⑧-1 |
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15 | 第15回 | 総合演習(4) | 各スペクトルを利用した有機化合物の総合解析演習 C4-(4)-②-8、C4-(4)-③-2、C4-(4)-④-2、C4-(4)-⑥-4 ~ C4-(4)-⑥-5、C4-(4)-⑥-7、C4-(4)-⑧-1 |