科目一覧へ戻る | 2023/07/31 現在 |
開講科目名 /Class |
人的資源管理論 [企業](企業)(総合)/Human Resource Management |
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授業コード /Class Code |
B301911001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
経済学部/Economics |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月1(後期),月2(後期)/MON1(AUT.),MON2(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
圓生 和之/MARUMI KAZUYUKI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 (各コース科目・専門科目)/*** MAJORS *** (各コース科目・専門科目) |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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圓生 和之/MARUMI KAZUYUKI | 経済学部/Economics |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
組織の「人事」を経済学の手法で分析する「人事経済学」について概説します。 卒業後の就職先では、その組織の人事のもとで仕事を進めることになります。人事についての基礎と学術的な知見を学習し、社会のしくみを学びましょう。講義は、労働市場の現状を概観したうえで、「人事経済学」の基本的な理論を、組織の人事の実態も紹介しながら、概説します。 この講義により、経済学部のDPに掲げる「経済理論の基礎を習得し、日常の経済生活や経済全体の動向について理論的に理解できる」ことを目指します。この科目は専門教育科目で、企業経済コースのコース科目であるほか、公共経済コースと生活経済コースでは選択科目の専門科目に位置づけられています。なお、この科目の担当教員は、組織の人事をはじめ二十数年間に及ぶ実務経験のある教員ですので、必要に応じて日本社会における人事の実際についても解説したいと思います。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
・組織の人事について経済学の観点から分析できる(知識)、 ・組織の人事について日頃から高い関心持つ(態度・習慣)、 ・人事に関する問題について自分の考えを述べることができる(技能)、ことを目指します。 |
授業のキーワード /Keywords |
人事、採用、人材育成、人事評価、異動、昇進、賃金、退職管理 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義を中心に進めますが、挙手による発言等積極的な参加も歓迎します。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
★講義の進め方や、成績評価方法について、第1回の講義で説明しますので、 受講する学生は必ず第1回の講義を受講してください。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
講義の復習に重点を置いて学習してください。 必要となる時間は、他の科目と同様、平均的には90分程度が目安となります。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
定期試験は実施せず、講義時間中に「中間テスト(11/6)」「期末テスト(1/15)」を行うほか、小テスト(随時)を行います。いずれも、実施後、講義の中で解説と講評を行うほか、成績評価の対象とします。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
「中間テストと期末テスト」60%、小テスト40%、で評価します。 (このほか、講義中の発言等講義への貢献、受講態度について、加点または減点します。) なお、「期末テスト」または「中間テスト」を受験していない学生、「小テスト」の提出回数が2/3に満たない学生の単位認定は行いませんので注意してください。 |
テキスト /Required Texts |
講義資料を配付。 |
参考図書 /Reference Books |
ラジア(1998)『人事と組織の経済学』日本経済新聞社 ラジア&ギブス(2017)『人事と組織の経済学−実践編』日本経済新聞出版社 樋口美雄(2001)『人事経済学』生産性出版 大湾秀雄(2017)『日本の人事を科学する』日本経済新聞出版社 ミルグロム&ロバーツ(1997)『組織の経済学』NTT出版 圓生和之(2020)『地方公務員の人事がわかる本』学陽書房 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1-2回 | 人事経済学の考え方 | 開講にあたり、講義の目的、概要、進め方、受講に際しての注意点などのガイダンスを行います。 | |
2 | 第3回 | 働くことの意味 | 働くことの意味や、雇用者としての働き方について考えます | |
3 | 第4回 | 日本の労働市場 | 日本の労働市場を具体的なデータで概観します。労働力人口、労働時間、産業と職業、賃金などを取り上げるとともに、高学歴化と高齢化という近年の我が国の労働市場の動向を概観します。 | |
4 | 第5回 | 労働経済データ | 日経新聞のデータを読むことができるよう、代表的な労働経済データについて学びます。現金給与総額、所定外労働時間、常用雇用指数、有効求人倍率、完全失業率等を取り上げ、データの本質を見抜く力を養います。 | |
5 | 第6回 | 賃金と雇用の決まり方 | 労働需要と労働供給の基本的な構造について学びます。労働需要と労働供給が一致する均衡点で決まる賃金と雇用の決まり方を理解します。労働市場の不完全性にも言及します。 | |
6 | 第7回 | 賃金格差 | なぜ人によって賃金は違うのかという賃金格差の問題を考えます。限界生産性価値、補償賃金格差、効率賃金、支払能力、労働市場の分断などの論点について議論します。 | |
7 | 第8回 | 人的資本理論と教育訓練 | 「学び」と「訓練」について議論します。学歴間の賃金格差はなぜ生じるか、企業による訓練について、その費用は誰が負担すべきかといったことを考えます。 | |
8 | 第9回 | 離職と失業 | 労働政策の中心的な課題である失業について考えます。失業の実態を概観し、失業が発生するメカニズムとして、総需要の不足、雇用のミスマッチなどの観点から分析します。 | |
9 | 第10回 | 離職と失業 | 失業率を下げるための政策について考えます。マクロ経済政策、積極的労働市場政策、企業の活性化政策を取り上げるとともに、ワ ークシェアリングなど近年の動向についても紹介します。 | |
10 | 第11回 | 雇用の流動化 | 会社を辞めるということについて考えます。様々な形態の離職、転職率の推移、会社を辞めるメカニズム、企業による解雇権の規制などを取り上げ、労働市場の変化と雇用の流動化について議論を深めます。 | |
11 | 第12回 | 若者の雇用 | 若年労働の課題について考えます。労働者としての若者の特徴を分析し、若者の置かれた状況として、失業者やニート、非正規労働(フリーター)、若者の高離職率などを概観します。 | |
12 | 第13回 | 女性の雇用 | 女性労働の課題について考えます。女性の活躍推進が求められる中、女性労働の現実を概観し、結婚・育児等による非労働力化、女性の非正規労働の拡大、男女間の処遇格差などについて議論します。 | |
13 | 第14回 | 高齢者の雇用 | 高齢者の雇用問題について考えます。少子高齢化が進展する中での高齢労働のあり方について議論します。高齢者の雇用が若年など他の世代の雇用に与える影響についても考えます。 | |
14 | 第15回(11/6) | ★中間テスト | 前半の講義の理解を確認するための中間テストを行います。 | |
15 | 第16回 | 前半のまとめ | 中間テストの解説を行うとともに、これまでの講義の内容を総括します。 | |
16 | 第17回 | 人事の経済学の考え方 | 組織の人事に関する事項を経済学的にアプローチする意味について考えます。 | |
17 | 第18回 | 採用と人事異動① | 人事部門が新入社員の採用に当たってどのような考え方を基本としているのか。採用基準の設定の問題を取り上げ、相対賃金と相対生産性の考え方などを学びます。 | |
18 | 第19回 | 採用と人事異動② | 適任者の採用について議論を進めます。採用者の募集を想定し、不確定契約の基本構造を学びます。また、労働者の生産性を知るということについて考えます。配属先の決定の問題についても議論します。 | |
19 | 第20回 | 採用と人事異動③ | 社員の採用について、日本企業における現在の状況を踏まえ具体的な議論を進めます。 | |
20 | 第21回 | 賃金決定①賃金の構造 | 賃金の基本的な構造について学びます。固定賃金と変動賃金について、産出(アウトプット)と投入(インプット)に基づくものと捉えて分析します。リスク回避と賃金決定のメカニズムについても議論します。 | |
21 | 第22回 | 賃金決定②インセンティブ | 年功型インセンティブについて考えます。効率性に欠けると考えられやすい年功型の賃金について、理論的な分析を行い、経済合理性を検証します。国際比較も行います。 | |
22 | 第23回 | 賃金決定③賃金実務の基礎 | 賃金の基礎として、賃金表の基本的な構造を理解したうえで、ベースアップと定期昇給など、賃金実務の基礎的な事項について学びます。 | |
23 | 第24回 | 非金銭的報酬 | 非金銭的報酬について考えます。非金銭的な要因を金銭相当額に換算することで進展した近年の研究の状況を概観します。また、非金銭的報酬を考える拠り所として補償賃金格差の仮説を取り上げ、議論を深めます。 | |
24 | 第25回 | 人事評価 | 人事評価の目的、人事評価で得られる情報について確認し、誰が誰をどのように評価すべきかについて、評価の頻度、項目、手法などの論点ごとに、近年の研究知見を踏まえて議論します。 | |
25 | 第26回 | 昇進 | 昇進に関わる事項を取り上げます。まずトーナメントモデルによる分析を学びます。また昇進の機能を最大に発揮させる賃金体系の設計について検討します。これらにより昇進の機能を考えます。 | |
26 | 第27回 | 労務管理 | これまでの講義の内容を総括したうえで、日本の労働組合の課題について議論します。 | |
27 | 第28回 | 退職管理と転職 | 退職管理について考えます。生産性の低い労働者の退職管理について分析し、退職誘導と逆選択など、退職管理の合理性について考えます。また、転職についても、データと近年の研究成果を紹介し議論します。 | |
28 | 第29回(1/15) | ★期末テスト | これまでの学習を振り返り、学びの達成度を確認するため期末テストを実施します。 | |
29 | 第30回 | まとめ | 期末テストの解説を行うとともに、これまでの講義の内容を総括し、人事経済学の意義と役割、今後の課題について検討します。 |