科目一覧へ戻る | 2023/07/31 現在 |
開講科目名 /Class |
公共経済論 [公共](公共)(総合)/Public Economics |
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授業コード /Class Code |
B301572001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
経済学部/Economics |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水3(後期),水4(後期)/WED3(AUT.),WED4(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
平井 健之/HIRAI TAKEYUKI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 (各コース科目・専門科目)/*** MAJORS *** (各コース科目・専門科目) |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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平井 健之/HIRAI TAKEYUKI | 経済学部/Economics |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
【授業の概要】 わが国を含めて世界のほとんどの国の経済は、基本的には市場経済の仕組みにしたがっています。このような経済において、政府(公共部門)の果たす役割は、今日ではさまざまな分野に及んでいます。この講義では政府による市場経済への介入の根拠や政府の経済的役割を明らかにすると同時に、政府の経済活動を理論的に分析し政府のあり方について検討します。 【授業の目的】 市場経済における政府の果たすべき役割やさまざまな諸問題に対する政府の対応とその問題点について理解を深めることを目的とします。この科目は、学部のDPに掲げるように、経済理論の基礎を習得し、日常の経済生活や経済全体の動向について理論的に理解できることを目指します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
①政府の役割やあり方を検討するために、市場の機能を理論的に考える能力を身に付けることができる。 ②公共財の性質、公共財が政府により供給される根拠や問題点などについて説明できる。 ③外部性をめぐる諸問題とそれらを解決するための政府の対応や政策について説明できる。 ④電力やガスなどの公益事業における政府による規制の根拠や規制のあり方について説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
余剰分析、市場の失敗、消費課税、補助金、公共財、外部性、費用逓減産業 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
配布資料に基づき、講義形式で授業を進めます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
授業内容は毎時間連続していますので、毎回ごとの復習に重点をおいて学習してください。授業を1回欠席しただけでも、次の時間には授業内容がわからない状態になることを覚悟してください。 なお、履修に際しては、ミクロ経済学を履修していることが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
受講に際しては、毎時間ごとに復習を中心とした授業時間外の学習が不可欠です(授業時間の1.5倍以上)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業内容に関する問題を、提出課題として課します。 その場合、解答については、後日、解説します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業で課すレポート(課題)40%と定期試験60%により評価します。 レポート(課題)について未提出の場合は、未提出分は評価されません(評価は0点となります)ので、注意してください。 定期試験は、持ち込み不可とします。 |
テキスト /Required Texts |
とくに使用しません。プリントを配付します。 ただし、配布資料を補完するために、参考文献を挙げておきますので、適宜、参照してください。 |
参考図書 /Reference Books |
麻生良文 著『公共経済学』(有斐閣)、1998年 奧野信宏 著『公共経済学(第3版)』(岩波書店)、2008年 上村敏之 著『公共経済学入門』(新世社)、2011年 土居丈朗 著『公共経済学(第2版)』(日本評論社)、2018年 その他の参考書については、授業中に紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1・2回 | 公共経済学とは 市場の機能 |
①ガイダンス、講義内容について概観する。 ②消費者余剰を図示しながら、その内容を理解する。 |
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2 | 第3・4回 | 市場の機能 | ①生産者余剰を図示しながら、その内容を理解する。 ②市場の失敗がない場合に、市場均衡の性質を余剰(消費者余剰と生産者余剰)の概念を用いて検討する。 |
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3 | 第5・6回 | 消費課税と補助金の効果 | ①政府による消費課税がもたらす経済効果を余剰分析に基づいて検討する。 ②政府による消費課税は誰が負担するのかを検討する。 |
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4 | 第7・8回 | 消費課税と補助金の効果 | ①消費課税をめぐる売手と買手の税負担配分と需要・供給の価格弾力性の関係を理解する。 ②政府による補助金政策がもたらす経済効果を余剰分析に基づいて検討する。 |
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5 | 第9・10回 | 消費課税と補助金の効果 | ①政府の価格支持政策がもたらす経済効果を余剰分析に基づいて検討する。 ②複数の財・サービスに対する消費課税における最適な課税のあり方(ラムゼールール)を理解する。 |
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6 | 第11・12回 | 公共財 | ①公共財の性質を理解するとともに、公共財が政府によって供給されることの理論的根拠を理解する。 ②公共財の最適供給量とはどのような水準であるかを理解する。 |
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7 | 第13・14回 | 公共財 | ①政府による公共財の供給が実際に最適供給の水準を実現できるかどうかを検討するために、リンダール・メカニズムの理論的枠組みを理解する。 ②リンダール・メカニズムにおいて、公共財の最適供給の水準が実現するかどうかを検討する。 |
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8 | 第15・16回 | 公共財 | ①政府が公共財を供給する際に発生する、ただ乗り(フリーライダー)問題について理解する。 ②地方分権と地方公共財の供給について理解する。 ③政治過程における公共財供給の決定について理解する。 |
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9 | 第17・18回 | 外部性をめぐる諸問題 | ①金銭的外部効果と技術的外部効果、外部経済と外部不経済について理解する。 ②外部不経済が発生するケースにおいて、市場は失敗するのかを理解する。 |
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10 | 第19・20回 | 外部性をめぐる諸問題 | ①外部経済が発生するケースにおいて、市場は失敗するのかを理解する。 ②外部効果が存在する場合、これを政府の介入なしに、当事者間(外部性を与える側と受ける側)の交渉で解決できるかどうかを検討する。 |
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11 | 第21・22回 | 外部性をめぐる諸問題 | ①外部効果が存在する場合における市場の失敗を是正するための政府の課税政策を理解する。 ②外部効果が存在する場合における市場の失敗を是正するための政府の補助金政策を理解する。 |
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12 | 第23・24回 | 費用逓減産業と規制 | ①電力やガスなどの費用逓減産業の特徴を理解する。 ②費用逓減産業において、なぜ政府による規制が必要とされるのかを理解する。 |
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13 | 第25・26回 | 費用逓減産業と規制 | ①独占企業の行動を理論的に理解する。 ②費用逓減産業における料金規制のあり方を検討する。 |
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14 | 第27・28回 | 費用逓減産業と規制 | ①費用逓減産業において採用されているいくつかの実際の料金制度について検討する。 ②費用逓減産業において、経済環境の変化に対応して規制緩和がどのように実施されてきたのかを理解する。 |
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15 | 第29・30回 | まとめ | ①講義全体のまとめ ②講義全体の総復習 |