科目一覧へ戻る | 2023/07/31 現在 |
開講科目名 /Class |
憲法/Constitutional Law |
---|---|
授業コード /Class Code |
B000131012 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
経済学部/Economics |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
水5(前期),水5(後期)/WED5(SPR.),WED5(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
秋元 洋祐/AKIMOTO YOSUKE |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 (法学関連科目)/*** MAJORS *** (RELATED SUBJECTS IN LAW) |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
秋元 洋祐/AKIMOTO YOSUKE | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
本講義では、民法や刑法の法学一般を学んだうえで、憲法が保障する基本的人権について理解することを目的とする。基本的人権には、中学生の髪型の自由から商売を始める際の職業選択の自由まで様々な権利保障が認められている。もっとも、これらの人権は、完全な自由を保障するものではなく、学校の校則や商店の開設を制限する法律によって規制される。この法的な規制に対して、憲法が保障する自由は、どこまで認められるのかが最も重要な問題となる。そこで、憲法上の人権保障の観点から、法的な制限が許されるのかを考えられるようになることを目的とする。 この科目は、経済学部のDPに示す、自分の意見を口頭や文書によって表現し、相手の意見を理解することで、良好なコミュニケーションをとることを目指す。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.憲法の人権保障を具体的に説明できる(知識)。 2.人権を規制する法律の問題点を説明できる(知識)。 3.主要な裁判例について条文を参照しながら、解決方法を考えることができる(知識、態度・習慣)。 4.憲法9条の戦争放棄といった現代の解釈問題に関心を持ち、自分の法的な考えを示すことができる(態度・習慣、技能)。 |
授業のキーワード /Keywords |
法学、憲法、基本的人権、公共の福祉、法の下の平等、職業選択の自由 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
憲法の人権保障と制限について、裁判例を題材にして学ぶ。平等権や表現の自由といった各人権規定について、毎回の授業で1つずつ裁判例を題材にして、講義中心で授業を進める。とりわけ、社会で起こった事例に触れることで、憲法と法律の身近さを体感し、法学一般への興味をもってもらいたいので、受講生からの意見や質問に応じる。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
毎回授業用プリントを配布する。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
受講の際には、テキストの該当範囲を一読しておく(予習2時間)。 区切りごとに復習問題を配布するので、授業用プリントを参考に取り組む(復習2時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
対話型の授業方式を重視するため、毎回の授業時に質疑応答を行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
前期試験50%・後期試験50%(各試験の内訳:法律用語の理解70%、事例解決型論述30%) |
テキスト /Required Texts |
初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行『いちばんやさしい憲法入門〔第6版〕』有斐閣 2020年 1,760円 |
参考図書 /Reference Books |
長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選I〔第7版〕』有斐閣 2019年 2,530円 長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選II〔第7版〕』有斐閣 2019年 2,530円 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | 法学の基礎① | 講義と成績評価の説明、憲法と法律 | |
2 | 第2回 | 法学の基礎② | 社会における法の役割 | |
3 | 第3回 | 法学の基礎③ | 法解釈や法と慣習・道徳の差異 | |
4 | 第4回 | 法的思考① | 建造物が燃え出しそうな状況を放置した不作為犯を題材に、法的義務と道徳的義務の差異 | |
5 | 第5回 | 法的思考② | 思っていた人とは別人を傷つけてしまった錯誤を題材に、法的な客観と主観の区別 | |
6 | 第6回 | 法的思考③ | 殴りかかってきた相手を傷つけてしまった正当防衛を題材に、法的な比較衡量の視点 | |
7 | 第7回 | 憲法の基礎 | 憲法の構造と歴史的な経緯 | |
8 | 第8回 | 人権の享有主体 | 政治活動を行ったことで在留期間の更新が認められなかった事案を題材に、外国人や子供の人権(テキスト第1・2章) | |
9 | 第9回 | 幸福追求権 | 市役所から前科を回答された事案を題材に、プライバシー権に関わる一般的・包括的人権(テキスト第2・3章) | |
10 | 第10回 | 自己決定権 | 男子生徒の髪型で丸刈り校則が問題となった事案を題材に、生徒の髪型の自由(テキスト第1・4章) | |
11 | 第11回 | 法の下の平等① | 虐待を受けていた娘が父親を殺害してしまった事案を題材に、尊属殺人罪と法の下の平等(テキスト第6章) | |
12 | 第12回 | 法の下の平等② | 嫡出子と非嫡出子の法定相続の差異が問題となった事案を題材に、法の下の平等(テキスト第5章) | |
13 | 第13回 | 法の下の平等③ | 女性の再婚禁止期間が問題となった事案を題材に、平等権と合理的な区別(テキスト第5章) | |
14 | 第14回 | 精神的自由① | 高校受験の際に不適切な内申書を記載された事案を題材に、思想・良心の自由(テキスト第1章) | |
15 | 第15回 | 精神的自由② | 剣道の不受講によって退学処分を受けた事案を題材に、信教の自由(テキスト第7章) | |
16 | 第16回 | 精神的自由③ | モデル小説で私生活を暴露された事案を題材に、プライバシー権と表現の自由(テキスト第8・9章) | |
17 | 第17回 | 精神的自由④ | 少年事件の匿名報道が問題となった事案を題材に、推知報道と表現の自由(テキスト第8・9章) | |
18 | 第18回 | 経済的自由① | 既存の公衆浴場からの距離制限が問題となった事案を題材に、公衆浴場法の距離制限と職業選択の自由(テキスト第10章) | |
19 | 第19回 | 経済的自由② | 既存の小売市場からの距離制限が問題となった事案を題材に、商調法の距離制限と職業選択の自由(テキスト第10章) | |
20 | 第20回 | 経済的自由③ | 既存の薬局からの距離制限が問題となった事案を題材に、薬事法の距離制限と職業選択の自由(テキスト第10章) | |
21 | 第21回 | 経済的自由④ | 予防接種によって健康被害を受けた事案を題材に、財産権の保障 | |
22 | 第22回 | 人身の自由 | 死刑制度が残虐な刑罰の禁止に該当するのかが問題となった事案を題材に、適正手続の保障(テキスト第13章) | |
23 | 第23回 | 生存権 | 生活保護の金額が不十分であった事案を題材に、生活保護法と生存権(テキスト第11章) | |
24 | 第24回 | 教育権 | 学力テストを実力で妨害した事案を題材に、教育権の所在(テキスト第12章) | |
25 | 第25回 | 参政権 | 衆議院議員選挙で1票の価値が問題となった事案を題材に、選挙権の平等 | |
26 | 第26回 | 平和主義 | 自衛隊の基地建設が問題となった事案を題材に、憲法9条の戦争放棄(テキスト第15章) | |
27 | 第27回 | 国会 | 衆議院議員が国会の会期中に逮捕された事案を題材に、立法権を担う国会の役割(テキスト第16・17章) | |
28 | 第28回 | 内閣 | 衆議院の解散権を行使した事案を題材に、行政権を担う内閣の役割(テキスト第18章) | |
29 | 第29回 | 裁判所 | 宗教上の価値観の相違に基づいて寄付金の返還を請求した事案を題材に、司法権を担う裁判所の役割(テキスト第19・20章) | |
30 | 第30回 | 地方自治 | 条例で集団行進をより厳しく規制した事案を題材に、地方自治の役割(テキスト第21章) |