科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
応用民法/Advanced Lecture on Civil Law |
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授業コード /Class Code |
B203832001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水3(後期)/WED3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
佐藤 弘直/SATOU HIRONAO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈一般専門教育科目〉/*** MAJORS *** 〈ADVANCED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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佐藤 弘直/SATOU HIRONAO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は、法学部ディプロマ・ポリシー「1.知識・理解」により1・2年次において「体系的に学修し」身につけた民法の「法的素養」,すなわち民法Ⅰ(総則),民法Ⅱ(物権),民法Ⅲ(債権各論)および民法Ⅳ(債権総論)にまたがって規定されている契約に関する規律を契約の締結から契約関係の終了に至る一連の過程として捉えなおして学修する。 我が国の民法は,19世紀のドイツで生まれたパンデクテン方式に従って編纂されている。類似・共通の制度を集約させて規定を作り,その共通規定からより高次の共通規定を作って構成されている。したがって,とりわけ総則の規定は債権各論などの規定と関連していることから,ひとたび契約に関する民事事件が発生すると争点に関する統一的把握が困難となる。そこで,民法の編纂を解体し,契約をその締結から契約関係終了までの一連の流れとして再構成する。 日常生活で,あるいは事業を遂行する中で直面する取引の場面において,契約の当事者となった際にどのような法的地位に立つかを想定できるようになるために,「必要な情報を収集・分析し」,当事者の利益の考量を「公平性と客観性」という「3.志向性」をもって「法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示す」ことができる「2.汎用的技能」を身に着けることにある。 契約関係者の間での契約に起因する言い分の違いについて,契約の締結過程,契約内容に関わる争点を民法財産分野全体からその規律の特徴を理解する。 また,民法という実体法による規律が民事訴訟法での攻撃防御の方法となることを前提に,民事訴訟の中での実体法の役割を理解する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.契約当事者間で発生する民事的紛争を民事実体法である民法が採用する規律,および民事訴訟の中での民法の規律の果たす役割について説明できるようになる。 2.民法と民事訴訟法との関連性について説明できるようになる。 3.契約法の全体像の理解を深め,契約に起因する紛争を想定し,予防方法を説明できるようになる。 4.民法の構成を契約法という視点から,民法に関連する情報や基本原則を説明できるようになる。 5.契約法の規律を民法財産編全体から多角的に分析,調整し,民事的紛争の解決策を提示できるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
契約,当事者,意思表示,債権・債務,強制履行,利益の衝突,権利の実現,正当な当事者 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義中、受講生に問いを発し、見解を求める。 受講生は、問われていないときでも自ら主体的に思考しながら、講義の内容を理解する必要がある。 教科書に基づき講義が進められる。事前に講義の範囲について教科書並びに民法Ⅰ(総則),民法Ⅱ(物権),民法Ⅲ(債権各論)および民法Ⅳ(債権総論)で使用した教科書を読み込んでおく必要がある。講義中は,予習し理解した内容に違いがないかを確認しながら参加すること。 講義までに講義の範囲・内容を記載したレジュメをアップロードする(URLは下記を参照)。ダウンロードし、プリントアウトして、ノートの一部として利用すること。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
六法、レジュメ、ノート、教科書など受講に必要と思われるものを持参すること。 民法Ⅰ(総則)から民法Ⅳ(債権総論)までを履修済みであることを前提に,契約全体に関する分野を中心に講義は進められる。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
教科書の講義対象箇所を読み、記述されている条文を六法で確認すること。教科書の記述で分からないところをピックアップし、講義中ノートをとる準備をしておくこと。(1時間程度) 講義後は、講義中にノートした事項を中心に、教科書の記述を読み込むこと。とりわけ,どこが理解できていないかを明らかにし,次の講義までに参考書などを利用して解明しておくこと。(1時間程度) 法律科目は、積み重ねた学修となるので、不明な個所を放置するとその後の学修に差し支えることになるので、自力で解明できないときはオフィスアワーなどを使って質問すること。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
原則として課さない。課題レポートを求める場合は、事前に通知する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験 100%で評価する。出席は成績評価の対象とはならない。 |
テキスト /Required Texts |
後藤巻則『契約法講義〔第4版〕』 (弘文堂、2017年) |
参考図書 /Reference Books |
中田裕康『契約法 新版』(有斐閣,2021年) 遠藤浩ほか編『民法基本判例集 第4版』(勁草書房、2020年) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス・,民法典と契約法 | ガイダンス(テキスト,定期試験),民法典の中での契約 | |
2 | 第2回 | 契約の成立 | 契約成立のプロセス。契約締結前と契約成立後 | |
3 | 第3回 | 法律行為と意思表示1 | 法律行為としての契約,無効と取消し | |
4 | 第4回 | 法律行為と意思表示2 | 心裡留保,虚偽表示 | |
5 | 第5回 | 法律行為と意思表示3 | 錯誤,詐欺,強迫 | |
6 | 第6回 | 契約の主体 | 人の能力,代理,第三者のためにする契約 | |
7 | 第7回 | 契約の内容 | 契約内容の確定,契約内容の妥当性,約款による契約締結 | |
8 | 第8回 | 契約の履行 | 弁済,双務契約の特質 | |
9 | 第9回 | 債権の実現 | 債務不履行,履行の強制,損害賠償 | |
10 | 第10回 | 履行の確保1 | 債権者代位権,詐害行為取消権 | |
11 | 第11回 | 履行の確保2 | 債権譲渡,債務引受,相殺 | |
12 | 第12回 | 債権の消滅と契約の終了 | 消滅時効,履行・弁済,契約の解除 | |
13 | 第13回 | 権利移転型契約 | 売買,契約不適合責任 | |
14 | 第14回 | 利用型契約 | 賃貸借 | |
15 | 第15回 | 役務提供型契約 | 請負,委任 |