科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
刑事政策Ⅰ/Criminal PolicyⅠ |
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授業コード /Class Code |
B203172001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
水3(前期)/WED3(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
佐々木 光明/SASAKI MITSUAKI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈一般専門教育科目〉/*** MAJORS *** 〈ADVANCED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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佐々木 光明/SASAKI MITSUAKI | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
目的 犯罪には厳罰で臨み、刑罰はいっそう重くすることで秩序は維持され私たちは安心して暮らせるのか?「考える忍耐力」を培い、自ら見通しを立てることができる。 テーマ 「『不安』と『危機』への処方箋 − 統合予防論的刑事政策の検証」 犯罪化、刑罰化・重罰化を中核とした犯罪・非行予防と秩序維持を追求する現代の総合的な刑事政策の現状把握と批判的検討。 1 犯罪化、刑罰化・重罰化を中核とした犯罪・非行予防と秩序維持を追求する総合的な刑事政策が注1目されている。現代社会を「危険社会」と認識しつつ、積極的一般的予防論に基づく刑事政策が展開され、その基礎理論においても規範的責任論があらたな支持を集め始めてもいる。 犯罪化と非犯罪化の交錯、「犯罪」との境界の曖昧化、「非行」の拡散化と網の拡大、予防策の多角化と多元化といった状況のなかで、刑事政策の歴史的・国際的視点からのトータルな分析視覚が不可欠となっている。 刑事法学の学際化・国際化が急速に進むなかで、「刑事政策」は、刑事立法・刑事司法過程・人権論など刑事法の総合的科学的分析がいっそう求められる「場(学)」ということができる。 2 上記の基本的認識にたって、刑事学・刑事政策をめぐる現代的特徴をふまえつつ、問題発見的な講義を組み立てていきたい。なお、講義に際し二つの点に留意する。 一つは、刑事政策学は急速かつ多角的に展開する刑事司法「政策」をチェックし検証する枠組みを「学」として持っているのか、という問題意識に帰ること。もう一つは、人権感覚の涵養である。とりわけ後者に関しては、犯罪政策問題を通じて、社会の一員として犯罪と犯罪者が決して自分と関わりのない他人事ではなく、自分の関わる社会の問題として捉える契機とすることでそれに資するようにしたい。 学ぶ者の人間観、国家観等々と向き合うことにもなるだろう。 現代日本の犯罪論・刑罰論の基礎的知識の獲得とともに、社会的実態を踏まえ知識との有機的に切り結ぶことで課題への見通しを立てる力を育む。これは、法的素養を身につけるとともに社会的課題を発見し、解決への指針を示す力をつけていくことにつながるものである。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
刑事司法制度を俯瞰しつつ、社会に立ち現れる現象の問題点を法的視点から見つめ、自ら課題を整理・提起し他者に伝えることができる。そして、社会への責任ある態度を養い公平かつ人権感覚豊かな判断・行動ができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
刑事学 犯罪学 厳罰化 グローバリズムと刑事制裁 現代型犯罪 非行と少年犯罪 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
問いかけと応答による相互的講義 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
問題意識を持ち、主体的に授業に関わることを期待している。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
国内外の刑事司法制度・犯罪学に関わる社会的な動向や歴史、文化等への関心を持つことが、講義の理解の促進に繋がります。講義の事前、事後にはテキストの関連箇所に目を通し、疑問点等は種々の事典・法律用語辞典等を活用することをお勧めします。関心を向ける時間、気づきの時間を大切にしてみましょう。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
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成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験を実施し、その成績を基本としつつ、毎時限の授業時コメントを付加的に評価に乗せる。 |
テキスト /Required Texts |
内田・佐々木共編著『「市民」と刑事法』日本評論社 |
参考図書 /Reference Books |
法務総合研究所『犯罪白書』 、 警察庁『警察白書』、 検察庁『検察統計年報』、 最高裁判所『司法統計年報』、 法務省矯正局『矯正統計年報』 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ・学びの方法論 ・刑事政策学の概要 |
刑事司法制度はいま、大きな転換期の中にある。実体法、訴訟法、特別法等の法改正が繰り返され、治安政策の大きな枠組みの中で、あらたな刑事司法に対する価値観の形成や制度作りが進行している。 そこで、刑事政策「学」のパラダイム、「生命」と刑事政策、「成長」と刑事政策、「安心」と刑事政策、「国際化」と刑事政策、刑事「立法」学への展望といった枠組み(視点)を基礎にしつつ、現代における刑事政策の全体像を想起できるように努める。 講義進行については、上記について各々2回ないし3回の講義として進める予定である。 |
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2 | 第2回~第3回 | 現代日本の刑事司法を俯瞰する | 90年代以降の刑事司法制度の法的枠組みの変化と背景を知る。 | |
3 | 第4回~第5回 | 刑事政策学の基礎的概念の理解 |
近時の焦点となっている厳罰化と刑事法原則、刑事政策との関係を確認する。 | |
4 | 第6回~第12回 | 刑事司法の焦点と刑事政策学 |
現代日本における刑事司法の焦点と刑事政策の課題(生命、成長、安心) | |
5 | 第13回~第15回 | 現代刑事政策学の理論的課題と展望 | 現代における刑事司法の焦点をふまえつつ、その理論的課題から今後の道筋を検討する |