科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
日本法制史/Japanese Legal History |
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授業コード /Class Code |
B200601001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月3(後期),水3(後期)/MON3(AUT.),WED3(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
辻村 亮彦/TSUJIMURA AKIHIKO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈一般専門教育科目〉/*** MAJORS *** 〈ADVANCED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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辻村 亮彦/TSUJIMURA AKIHIKO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
明治維新期から大正期までの日本法の歴史について講義する。明治以降の日本法は、明治維新以前の法制度の上に、古代ローマ以来の伝統を持つ西洋近代法を全面的に移植することによって形作られてきた。全面的な法制度の改変が進められつつある21世紀の現代において、われわれの法がどのようにできあがってきたのかについて、今一度立ち止まって確認しておくことも無意味ではないはずである。この講義では、明治日本が西洋法とどのように出会い、受け入れ、自分たちの「法」としていったのか、学んでいくことにしたい。法学部ディプロマポリシーのうち「知識・理解」(法の理念および現実の社会における法の運用を踏まえて、法および政治について体系的に学修し、法化社会・国際化社会に対応した法的素養を身につけている)と「汎用的技能」(社会における各種の問題について、その要点を把握し、必要な情報を収集・分析して、法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すことができる)の修得を目標とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
日本の法の歴史について理解し、その内容について自分の言葉で説明できる。 現行法を歴史的観点から相対化して議論を行うことができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
法の継受、法典編纂 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義形式で進める。毎回レジュメと資料を配付する。受講者と一緒に資料を読み、議論する時間を設けたい。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
日本史、法制史に関する知識は必要ない。日本法の歴史的な成り立ちに対する関心が、唯一の受講条件である。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
授業前にはあらかじめ配布した資料に目を通し(1時間程度)、授業後には十分に復習を行うこと(3時間程度)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
冬休みにレポート課題を課す。詳細については12月中旬の授業内で発表する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
レポート課題(20点)と定期試験(80点)により評価する。定期試験では、選択式と記述式を組み合わせて、授業内容の理解度を評価する。 |
テキスト /Required Texts |
指定しない。 |
参考図書 /Reference Books |
最近のものとして出口雄一他編『概説 日本法制史』(弘文堂、2018年)、高谷知佳他編『日本法史から何がみえるか -- 法と秩序の歴史を学ぶ』(有斐閣、2018年)がある。その他概説的なものを初回にいくつか紹介した上で、授業の進行に合わせて個別的なものを紹介する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | イントロダクション | 本講義のねらい、講義予定。参考書の紹介を行う | |
2 | 第2回 | 江戸時代の法の概観 | 江戸時代の統治組織、裁判制度について学ぶ | |
3 | 第3回 | 江戸時代の「法典」 | 江戸幕府の編纂した公事方御定書について学ぶ | |
4 | 第4回 | 幕末・維新期の政治、外交 | 明治期の法形成を決定づけることになる不平等条約の締結について学ぶ | |
5 | 第5回 | 「律令」への回帰(1) | 明治初年の太政官制について学ぶ | |
6 | 第6回 | 「律令」への回帰(2) | 明治初年の刑事法典である新律綱領、改定律例について学ぶ | |
7 | 第7回 | 西洋法との出会い(1) | 幕末・維新期におけるオランダ法、フランス法との接触について学ぶ | |
8 | 第8回 | 西洋法との出会い(2) | 日本の西洋法受容に貢献したお雇い外国人について学ぶ | |
9 | 第9回 | 司法制度の創設(1) | 江藤新平の裁判所制度の構想について学ぶ | |
10 | 第10回 | 司法制度の創設(2) | 明治4年の司法省設置、明治8年の大審院の設置について学ぶ | |
11 | 第11回 | 司法制度の創設(3) | 明治前期の法曹制度、法学教育について学ぶ | |
12 | 第12回 | 条約改正交渉 | 法典編纂、司法制度整備を促進することになる不平等条約の改正交渉について学ぶ | |
13 | 第13回 | 明治前期の刑事法(1) | 日本で最初の西洋型法典である刑法と治罪法について学ぶ | |
14 | 第14回 | 明治前期の刑事法(2) | 刑法、治罪法施行に伴う刑事裁判の変化について学ぶ | |
15 | 第15回 | 明治前期の民事法(1) | 明治4年戸籍法と「家制度」について学ぶ | |
16 | 第16回 | 明治前期の民事法(2) | 明治前期の婚姻、離婚について学ぶ | |
17 | 第17回 | 明治前期の民事法(3) | 地租改正、取引法について学ぶ | |
18 | 第18回 | 明治前期の民事法(4) | 法典実施以前の民事裁判について学ぶ | |
19 | 第19回 | 明治立憲制の成立(1) | 太政官制から内閣制への移行について学ぶ | |
20 | 第20回 | 明治立憲制の成立(2) | 大日本帝国憲法、皇室典範の編纂、施行について学ぶ | |
21 | 第21回 | 明治立憲制の成立(3) | 地方制度の確立過程について学ぶ | |
22 | 第22回 | 民法典の編纂(1) | 明治初期の民法草案、ボワソナード民法について学ぶ | |
23 | 第23回 | 民法典の編纂(2) | ボワソナード民法の施行をめぐって繰り広げられた民法典論争について学ぶ | |
24 | 第24回 | 民法典の編纂(3) | 民法典論争の結果新たに作られた明治民法について学ぶ | |
25 | 第25回 | 司法制度の展開 | 明治20年代以降の司法制度の強化、司法官の刷新について学ぶ | |
26 | 第26回 | 陪審制の導入 | 大正陪審法の制定、運用について学ぶ | |
27 | 第27回 | 「社会法」の形成 | 大正期以降の労働法制、小作法等の形成過程について学ぶ | |
28 | 第28回 | 治安法制 | 大正期以降の治安法制の展開について学ぶ | |
29 | 第29回 | 東アジアへの法の移転 | 植民地における法、裁判の展開について学ぶ | |
30 | 第30回 | 総括 | 授業を振りかえり、日本における「法の継受」について考え直す |