科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
刑事訴訟法/Law of Criminal Procedure |
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授業コード /Class Code |
B200501001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月3(後期),月4(後期)/MON3(AUT.),MON4(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
春日 勉/KASUGA TSUTOMU |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈一般専門教育科目〉/*** MAJORS *** 〈ADVANCED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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春日 勉/KASUGA TSUTOMU | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面授業。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は、法学部ディプロマ・ポリシーの内、「法的素養を身につけていること(知識・理解)」及び「法的思考に基づいた説得力ある解決指針を示すこと(汎用的技能)」に対応している。 刑事訴訟法の基礎について理解し、課題について検討できることを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
刑事訴訟法には、事案の真相の究明と基本的人権の保障という二つの目的があるといわれている。確かに、刑事訴訟法は国家による刑罰権の発動を保障する手続を規定しており、被疑者が検挙、起訴され、裁判で証拠調べが行われた結果、裁判所により検察側の証明が十分になされたと判断されれば、有罪判決が言い渡され、刑罰が適用されることになる。他方で、刑罰権の発動は、人権侵害のおそれが大きいために、手続的に様々な制約が課せられ、被疑者・被告人は有罪が確定するまでは「無罪の推定」を受けるのである。このように、刑事訴訟法は人権の保障を全うするということを大前提にした適正な手続の下で、事案の真相を究明することを定めた法律であり、究極的な目的は無実の者を誤って処罰しないという「冤罪」の回避にあるといえる。本講義では、この刑事訴訟法が担っている人権保障という課題に注目しつつ、基本的な刑事手続の流れを確認するとともに実務の現状を批判的に検討できることを目標としたい。 |
授業のキーワード /Keywords |
適正手続、被疑者・被告人の人権、無罪推定原則、疑わしきは被告人の利益に、刑事司法改革、誤認逮捕、冤罪、再審無罪、DNA鑑定、証拠の証明力、証拠能力、挙証責任、当事者主義、弾劾的捜査 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
毎時間新聞記事を配布し解説する。講義は、指定教科書を用いながら、補足資料としてレジュメを配布する。また、特に重要な部分について板書しながら詳しく説明する。 出席調査を行う。出席カードには、配布した新聞記事や与えられた課題について自分の考えをまとめてもらう。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
必ず六法全書を携帯のこと。私語は厳禁、配布したレジュメ、新聞記事はファイルしておくこと。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
授業の課題に関連して、予習、復習をそれぞれ一時間半要する。 毎日、新聞を購読し、社会の出来事に関心を持つ。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
その都度指示する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験による評価(100点)、但し、コロナ感染状況によっては、レポートに替えることがある。 |
テキスト /Required Texts |
内田博文編著『省察 刑事訴訟法―歴史から学ぶ構造と本質』 法律文化社 3500円 上記テキストは、授業を受講するにあたり必須なので必ず購入すること。 テキストを毎時間、参照しながら授業を展開します。 テキストなしで授業を十分に理解することはできません。 定期試験の内容はテキストの中から出題します。 |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 講義は、前半に刑事訴訟法の意義と目的、訴訟の主体、起訴前手続、公訴、後半に公判手続、救済手続、裁判の執行、特別手続等の主要な論点をとり上げながら、具体的な問題を検討する。 | 講義の目的と進め方について理解できる。 | ||
2 | 第1回 | 目的 | 刑事訴訟法の目的について理解し、説明できる。 | |
3 | 第2回 | 捜査構造論 | 弾劾主義・糾問主義、当事者主義、職権主義について理解し、説明できる。 | |
4 | 第3回・第4回 | 捜査の端緒 | 捜査の端緒 職務質問・所持品検査・自動車検問について理解し、説明できる。 | |
5 | 第5回 | 強制処分・任意処分の限界 | 強制処分法定主義と令状主義(任意処分と強制処分の区別)について理解し、説明できる。 | |
6 | 第6回・第7回 | 被疑者の逮捕・勾留 | 被疑者の身体の保全 逮捕(通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕) 逮捕に対する被疑者の防御権 勾留 勾留の要件・期間・場所 勾留に対する被疑者の防御権について理解し、説明できる。 | |
7 | 第8回 | 逮捕・勾留の諸問題 | 逮捕・勾留の問題点 別件逮捕・勾留について理解し、説明できる。 | |
8 | 第9回 | 証拠の収集(1) | 証拠の収集と保全 令状による証拠収集 捜索・差押え・検証・鑑定 令状によらない証拠収集について理解し、説明できる。 | |
9 | 第10回 | 証拠の収集(2) | 科学的捜査と新たな捜査方法 写真撮影・採尿・おとり捜査等について理解し、説明できる。 | |
10 | 第11回 | 証拠の収集(3) | 供述証拠の収集 被疑者の取調べ(取調受忍義務と余罪の取調べ)について理解し、説明できる。 | |
11 | 第12回 | 被疑者の防御 | 被疑者の防御権(被疑者の黙秘権、弁護人依頼権、証拠開示の請求)について理解できる。 | |
12 | 第13回 | 前期の整理 | 前期に学んだ内容を整理し、説明できる。 | |
13 | 第14回・15回 | 起訴便宜主義 | 公訴提起の基本原則 国家訴追主義・起訴便宜主義 検察官の事件処理 不当な不起訴処分に対するコントロール 公訴権濫用論について理解し、説明できる。 | |
14 | 第16回 | 起訴状一本主義 | 起訴状一本主義・予断排除の原則について理解し、説明できる。 | |
15 | 第17回 | 訴因制度(1) | 訴因と公訴事実 審判対象と訴因変更について理解し、説明できる。 | |
16 | 第18回 | 訴因制度(2) | 訴因変更の要否について理解し、説明できる。 | |
17 | 第19回 | 訴因制度(3) | 訴因変更の可否について理解し、説明できる。 | |
18 | 第20回 | 訴因制度(4) | 訴因変更命令について理解し、説明できる。 | |
19 | 第21回 | 訴訟条件 | 訴訟条件について理解し、説明できる。 | |
20 | 第22回 | 訴因と訴訟条件 | 訴因と訴訟条件について理解し、説明できる。 | |
21 | 第23回 | 公判前整理手続 | 公判前整理手続・裁判員裁判公判手続の流れについて理解し、説明できる。 | |
22 | 第24回 | 証拠裁判主義 | 証拠証拠裁判主義・厳格な証明と自由な証明について理解し、説明できる。 | |
23 | 第25回 | 自白法則 | 自白法則とは何かについて理解し、説明できる。 | |
24 | 第26回 | 伝聞法則 | 伝聞法則とは何か理解し、説明できる。 | |
25 | 第27回 | 違法収集証拠 | 違法収集証拠と証拠排除について理解できる。 | |
26 | 第28回・第29回 | 上訴・再審 | 上訴と再審について理解し、説明できる。 | |
27 | 第30回 | これまでの整理 | これまでの内容を整理し、理解できる。 |