科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
執行・倒産法/Law of Insolvency and Execution |
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授業コード /Class Code |
B200241001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
法学部/Law |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火4(後期),木3(後期)/TUE4(AUT.),THU3(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
角森 正雄/KAKUMORI MASAO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈一般専門教育科目〉/*** MAJORS *** 〈ADVANCED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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角森 正雄/KAKUMORI MASAO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面で講義をする。 なお、オンライン授業となったばあいは、下記遠隔授業情報を参照すること。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
1年次より学んできた民法、商法等の民事実体法(私法上の権利の発生、変更、消滅の要件と効果について定める法律)を強制的かつ現実的に実現する民事執行手続の概要を知る(DP1)とともに、現行民事執行法が抱える問題点を考える(DP2)。なお、執行法と倒産法との関わりにも注意する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
目標1 貸金や未払い給料、あるいは交通事故の損害賠償金などを相手からどのようにすれば回収できるのか、その実践的知識を得ることができる。 目標2 権利の観念的実現に止まる民事訴訟制度と、権利を強制的および現実的に実現する民事執行制度との相違が理解できるようになる。 目標3 債権者の権利保護のみならず、債務者の手続保障と生活保障、執行倒産制度の経済社会に与える影響などを多面的に検討しながら、あるべき執行倒産手続を考えることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
民法 商法 民事実体法 強制的実現 執行 倒産 破産 民事再生 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
下記授業計画に沿って対面講義を行うが、講義の進捗状況に合わせて、債権者、債務者、裁判所、あるいは強制競売入札者のグループに分かれて、相互の利害関係を理解するために、強制執行を実体験するアクティブラーニングを行うことがある。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
「執行は、法の終局であり果実である」(テキスト1頁)。 民法を学修することで、どのような場合に契約が成立し、相手側に履行を請求することができるか、あるいは、事故にあった場合に加害者に損害賠償を求めることができるかを知ることができる。 しかし、相手が応じない場合、訴えを提起して自らの主張が正しいことを裁判所に認めてもらわなければならない。この方法は民事訴訟法で学ぶことができる。 ところが、勝訴判決を得ても、敗訴当事者が任意に判決内容を履行しなければ、判決書は一枚の紙きれでしかない。その判決内容を強制的に実現する方法を執行倒産法で学ぶことができる。文字通り、「法の終局」が執行の目的である。 大学における法学の学修のまとめとして本講義にチャレンジしていただきたい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事前学習として、次回講義内容を記載したレジュメおよびテキストの該当箇所を読み込んでおくこと。(目安として1時間) 事後学習として、講義の対象であったレジュメおよびテキストの該当箇所を再確認すること。(目安として1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
中間レポート2回と期末レポートの3回のレポートを課す。レポート課題、提出期限等はドットキャンパスのマナビに記載する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
第1回レポート(30点)、第2回レポート(30点)、第3回期末レポート(40点) 各レポート課題、様式、締め切り等については講義中に指示した後、ドットキャンパスのマナビに記載する。。 |
テキスト /Required Texts |
中野貞一郎著・青木哲補訂『民事執行・保全入門』(補訂第2版、有斐閣、2022年9月) |
参考図書 /Reference Books |
中野貞一郎「民事裁判入門」(第3版補訂版、有斐閣、2012年) 川嶋四郎・笠井正俊編「はじめての民事手続法」(有斐閣、2020年) 中野貞一郎・下村正明「民事執行法」(改訂版、青林書院、2021年) 角紀代恵「初めての担保物権法」(有斐閣、2013年) 山本和彦「倒産処理法入門」(第5版、有斐閣、2018年) 村松謙一「いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる」(角川文庫、2019年、テレビドラマ『リーガル・ハート~いのちの再建弁護士』テレビ東京系2019年放映、原作) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 民事執行の世界 | 1 シラバスに基づいて本講義の目的等及び授業形式、注意事項を説明する。 2 民事執行はどのようなものか。その目的は何か。本講義全体を等して考えるべき問題を、債権回収がどのように行われるのかをテレビドラマ「リーガルハート~いのちの再建弁護士~ BSテレビ東京」のあらすじに沿って考えていく。 |
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2 | 第2回 | 執行・倒産・再生の現場を見よう。 | 1 執行倒産法入門 執行、倒産、再生の現場を見よう。 (テレビ東京「リーガルハート~命の再建弁護士~」2019年) 2 執行倒産手続の概要(裁判所の各種パンフレットを見る) (1) 強制執行 |
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3 | 第3回 | 執行倒産手続の概要 その1 |
2 執行倒産手続の概要(ひきつづき裁判所の各種パンフレットを見る) (2) 破産(自己破産・免責手続) (3) 民事再生(小規模個人再生・給与所得者再生) |
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4 | 第4回 | 執行倒産手続の概要 その2 1-1民事執行のパノラマ |
(4) 執行・破産・個人再生の統計資料 (5) 第1回~第3回のまとめに代えて 1 民事執行の世界 1-1 民事執行のパノラマ |
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5 | 第5回 | 民事執行の構成と機能 強制執行の組み立て(1) |
1 民事執行の世界 1-1 民事執行のパノラマ(つづき) 1-2 民事執行の構成 (テキスト16頁以下) (1)民事執行 民事執行の4つの種類 (2)執行の方法と手続 (3)二つの支柱 1-3 民事執行の機能 2 強制執行の組立て (テキスト27頁以下) 2-1 強制執行の基礎 (1)強制執行権・執行請求権・執行債権 |
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6 | 第6回 | 強制執行の組み立て(2) | 2 強制執行の組立て (テキスト27頁以下) 2-1 強制執行の基礎 (1)強制執行権・執行請求権・執行債権 (以上第5回) (2)強制執行の要件 (3)強制執行の申立て (4)強制執行の対象― 責任財産 2-2 執行当事者 2-3 執行機関 |
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7 | 第7回 | 強制執行の組み立て (3) | 2 強制執行の組立て 2-1 強制執行の基礎 2-2 執行当事者 2-3 執行機関(以上第6回) 2-4 債務名義 (1)債務名義とはなにか (2)債務名義となる裁判 |
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8 | 第8回 | 強制執行の組み立て(4) |
2 強制執行の組立て 2-4 債務名義 (1)債務名義とはなにか (2)債務名義となる裁判 (以上第7回) (3) 執行証書(以下第8号) (4) 確定判決と同一の効力を有する文書 和解調書・調停調書など (5) その他の債務名義 支払督促など 2-5 執行文 |
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9 | 第9回 | 2 強制執行の組立て(5) | 2 強制執行の組立て 2-6 強制執行の手続(以下第9回) (第1回レポートのお知らせ) |
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10 | 第10回 | 3 担保執行の組立て |
3 担保執行の組立て 補足説明【民法の基礎知識 その1】 抵当権の効力 【民法の基礎知識 その2】 債権者平等主義 |
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11 | 第11回 | 不動産執行 その1 |
4 不動産競売 4-1 不動産執行の構成 4-2 不動産競売の開始 4-3 差押えの効力 |
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12 | 第12回 | 不動産執行 その2 |
売却条件について学ぶ。 執行目的不動産に抵当権が設定されている場合、あるいは賃貸借契約が結ばれており賃借人が占有している場合、執行不動産の買受人は抵当権付の不動産を買い受けるのか、賃借人に退去を求めることができるのか。これらの結論によって、売却価格が異なることになる。 不動産の現況調査、不動産の評価など、売却の準備について学ぶ。 |
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13 | 第13回 | 不動産執行 その3 |
4 不動産競売 4-5 売却の準備 競売物件情報サイト https://www.bit.courts.go.jp に掲載されている実際の三点セットを見ながら売却の準備について説明する。 |
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14 | 第14回 | 不動産執行 その4 |
4-6 売却の準備 4‐7 二重差押え・配当要求 |
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15 | 第15回 | 不動産執行 その5 | 4-8 配当 | |
16 | 第16回 | 不動産執行(完) | 4-9 引渡命令 (付録 不動産の引渡・明渡執行) | |
17 | 第17回 | 6金銭債権に対する強制執行 | 6 金銭債権に対する強制執行 6-1 債権執行の特質 6-2 金銭債権の差押え ※ 第2回レポートのお知らせ |
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18 | 第18回 | 金銭債権に対する強制執行 その2 | 6-2 金銭債権の差押え 第2回レポートについて |
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19 | 第19回 | 金銭債権に対する強制執行 (その3・完) | 6 金銭債権に対する強制執行 6-3 金銭債権の換価 6-4 二重差押え・配当要求 6-5 配当 6-6 少額訴訟債権執行 |
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20 | 第20回 | その他の民事執行 その1 |
7 その他の民事執行 7-1 動産執行 7-2 各種財産権執行 7-3 扶養義務等に係る金銭執行についての強制執行 |
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21 | 第21回 | その他の民事執行 その2(完) |
7 その他の民事執行 7-1 動産執行(第20回) 7-2 各種財産権執行 7-3 扶養義務等に係る金銭執行についての強制執行(第20回講義の再録) 7-4 形式競売 7-5 財産開示 |
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22 | 第22回 | 非金銭執行 その1 | 8 「渡せ」「せよ」「するな」の強制執行 8-1 非金銭執行 |
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23 | 第23回 | 非金銭執行 その2 |
8 非金銭執行 8-2 渡す義務の強制執行 8-3 作為義務の強制執行 |
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24 | 第24回 | 非金銭執行 その2 9 執行救済の体系 その1 |
8 「渡せ」「せよ」「するな」の強制執行 8-4 不作為義務の強制執行 8-5 意思表示義務の強制執行 9 執行救済の体系 9-1 どのような救済を求めるか 9-2 執行抗告・執行異議 9-3 請求異議の訴え |
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25 | 第25回 | 執行救済の体系 その2 |
9 執行救済の体系 9-6 第三者異議の訴え |
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26 | 第26回 | 10 民事保全 | 10 民事保全の組立て 11 仮差押え 12 係争物仮処分 13 仮地位仮処分 |
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27 | 第27回 | 法人の破産 その1 |
27 法人の破産の概要 第3回(最終レポート)の提示 |
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28 | 第28回 | 法人の破産 その2 | 法人の倒産 1 破産手続の流れ 2 破産手続の機関 3 破産手続の開始 4 破産者の財産の取扱い 5 破産者に対する権利の取扱い 破産債権 財団債権 |
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29 | 第29回 | 法人の破産 その3 | 法人の破産 第28回講義の続き | |
30 | 第30回 | 総まとめ | 最終回として、執行・倒産法体系の全体像を振り返ってみる。 |