科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
生物有機化学/Bioorganic Chemistry |
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授業コード /Class Code |
B103241001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
栄養学部/Nutrition |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火3(後期)/TUE3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
石井 剛志/ISHII TAKESHI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈基礎科学群〉/*** MAJORS *** 〈BASIC SCIENCES〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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石井 剛志/ISHII TAKESHI | 栄養学部/Nutrition |
授業の方法 /Class Format |
【対面授業(講義・演習)】 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本科目は、栄養学部のDPに示す栄養学・保健衛生学の学問領域において的確に判断するための素養を身につけることを目指す。 授業では、以下に示す「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)」を基に、有機化学の観点から、食品の機能を学ぶ。 ◎管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)大項目 3.食品の機能 健康科学に基づいた疾病予防および健康増進に必要な専門知識を習得する過程では、食品学・栄養学・生化学等を学修するが、これらの科目を理解するためには、有機化学の基礎知識が必要不可欠である。本項目は、「食べ物と健康の関連の理解」を学修するうえで重要な食品の機能について、成分の化学構造の観点から科学的に思考できる力を身につけることを目指す。これにより、食品の一次・二次・三次機能をより深く理解することで、ライフステージ別の栄養管理や疾病と栄養管理の実践を行う際に必要とされる基礎知識となる。さらに、特別用途食品・保健機能食品の関与成分の化学構造を理解することで、ライフステージ別の栄養管理や疾病と栄養管理の実践を行う際に必要とされる基礎知識に科学的根拠を付与できる。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
有機化学の基礎を習得し、食品成分の機能性を理解するために必要な科学的思考力を身につける。 ・ 物質の構成粒子と粒子の結合を説明・描写できる ・ 基本的な有機化合物の構造を命名・描写できる ・ 基本的な有機化合物の性質・化学反応を説明できる ・ 代表的な食品成分の構造を命名・描写できる ・ 代表的な食品成分の構造と機能の関係を説明できる |
授業のキーワード /Keywords |
有機化学、命名、構造描写、化学反応、有機化合物 ・炭化水素、アルコール、エーテル、カルボニル、エステル、アミン、アミド、チオール、芳香環 ・アミノ酸、糖類、脂質(脂肪酸)、ビタミン、色素、呈味・香気成分、生理活性物質 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
「講義」と「演習」を適宜織り交ぜながら授業を進める。第1回目の授業で有機化学の基礎的な知識を問う小テストを課し、その結果を基に少人数の学習グループを作り授業を行う(学習状況によりメンバー変更有)。「講義」はプリントやスライドを用いて行うが、化学構造や反応を覚える観点から、適宜「化学構造等の書き写し」や「演習」の時間をとる。試験では、基本的に化学構造等を実際に描写してもらうため、書き写して繰り返し描写することが重要である。暗記科目のように思えるが、実際には構造描写や命名の法則・ルールを理解することで、暗記に頼らずに構造描写や命名ができるようになるため、構造描写だけでなく、法則やルールについても説明する。高校までに身につけた化学の知識は、受講者間で大きな隔たりがあり、基礎的な内容もすべて忘れている者も少なくない。そのため、講義の内容に全くついて行けず、予習・復習することすらままならない者が出る。コロナ禍以前であれば「演習」時の巡回指導や希望者に対する研究室での個別指導などで対応していたが、本年度も実施できない可能性がある。そこで、講義中に小テストを課し、その結果を基に補充講義として特別補講(任意参加)を実施する場合がある。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
本講義では、有機化合物の構造や化学反応を示して説明することが多い。履修者(特に化学が苦手な者)は、高等学校の「化学基礎」や「化学(物質の状態・有機化合物)」の内容について随時復習しておくこと。また「食品学総論」で学んだ食品成分の化学構造を説明するので、各成分の名称や、性質、所在および機能をテキストやレジュメを確認して理解しておくこと。これらを怠った状態で履修した場合には、講義内容が基礎的なものであったとしても、全く理解できないことがある(英単語や文法を全く知らない状態で英文和訳や英作文に挑むようなものである)。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
覚えるべき化学構造や理論が多いので、講義内容の予習・復習をしっかりと行うこと。必要な時間は各人で異なる(高校化学の履修状況・理解度により予習・復習ともに各30分~4時間程度)。本科目の定期試験では、高校までの定期試験のように一夜漬けや直前短期集中での対応は困難であり、日々の勉強を怠ったものは殆ど得点が取れずに再履修となる者も少なくない。丸暗記ではなく、講義中に教示する理論や覚え方を利用して実際に化学構造を描写しながら理解することが望ましい。特に、前半の講義で確実に覚えるように指示する基礎的な理論やルール(アルファベットや掛け算九九に相当)は、覚えていないと中盤から後半の講義の内容がほぼ理解できなくなるので注意すること。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義内容の理解度を調査する小テストを各授業のはじめやおわりに適宜実施するとともに、有機化学の基礎や基本的な有機化合物や食品成分の性質や機能に対する理解を問う認定試験を実施する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
完全記述式(構造描写・命名を中心)の定期試験を実施し、講義中に行う認定試験の結果を踏まえて到達目標の達成度を総合的に評価する。配点は定期試験(80%)認定試験(20%)として100点満点に換算し、60点以上を合格とする。出席点(加点)は設けていないが、出席3分の2未満の場合は評価の対象とせず不合格とする。なお、各試験の取り扱いについては、第1回と第15回の講義で詳しく説明する。 |
テキスト /Required Texts |
・Visual栄養学テキスト『食べ物と健康Ⅰ 食品学総論(食品の成分と機能)』、中山書店 (この教科書は1年次後前期開講科目である食品学総論でも使用) ・復習用配布資料(講義後にdotCampus等にて配布(配布期間あり):講義中は構造描写や演習に集中して欲しいため) |
参考図書 /Reference Books |
・『生命科学・食品学・栄養学を学ぶための有機化学基礎の基礎』、立屋敷哲著、丸善、2,970円 ・ 高等学校教科書『化学基礎』および『化学』(東京書籍、数研出版等) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 有機化学の基礎(1) | 物質の構成粒子の理論と粒子の結合の理論について理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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2 | 第2回 | 有機化学の基礎(2) | 有機化合物の命名・描写の基礎理論について理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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3 | 第3回 | 有機化学の基礎(3) | 炭化水素(アルカン、アルケン、アルキン)の化学構造と性質を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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4 | 第4回 | 有機化学の基礎(4) | 官能基の種類・名称と化学構造を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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5 | 第5回 | 基本的な有機化合物(1) | アルコールおよびエーテルの化学構造と性質を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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6 | 第6回 | 基本的な有機化合物(2) | アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルの化学構造と性質を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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7 | 第7回 | 基本的な有機化合物(3) | アミン、アミドおよびチオールの化学構造と性質を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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8 | 第8回 | 基本的な有機化合物(4) | 芳香族化合物の化学構造と性質を理解する 〔予習:高校化学の復習 復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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9 | 第9回 | 基本的な有機化合物(5) | 第1~8回までに学習した内容をまとめ基本的な有機化合物を総合的に理解する 〔予習・復習:配布資料の繰り返しの確認〕 |
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10 | 第10回 | 食品成分の構造(1) | たんぱく質(主にアミノ酸・ペプチド)の化学構造と性質・機能を理解する 〔予習・復習:食品学総論テキスト・レジュメの該当部分の繰り返しの確認〕 |
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11 | 第11回 | 食品成分の構造(2) | 炭水化物(主に糖類)の化学構造と性質・機能を理解する 〔予習・復習:食品学総論テキスト・レジュメの該当部分の繰り返しの確認〕 |
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12 | 第12回 | 食品成分の構造(3) | 脂質(主に脂肪酸)の化学構造と性質・機能を理解する 〔予習・復習:食品学総論テキスト・レジュメの該当部分の繰り返しの確認〕 |
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13 | 第13回 | 食品成分の構造(4) | ビタミンの化学構造と性質・機能を理解する 〔予習・復習:食品学総論テキスト・レジュメの該当部分の繰り返しの確認〕 |
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14 | 第14回 | 食品成分の構造(5) | 色素、呈味・香気物質、生理活性物質の化学構造と性質・機能を理解する 〔予習・復習:食品学総論テキスト・レジュメの該当部分の繰り返しの確認〕 |
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15 | 第15回 | 総括 | 第10~14回までに学習した内容をまとめ食品有機化合物を総合的に理解する 〔予習・復習:講義内容を踏まえたテキスト・レジュメの繰り返しの確認〕 |