科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
公衆衛生学Ⅰ/Public Health Ⅰ |
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授業コード /Class Code |
B102552001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
栄養学部/Nutrition |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月1(前期)/MON1(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
津川 尚子/TSUGAWA NAOKO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈専門基礎分野〉/*** MAJORS *** 〈SPECIALIZED FIELD WITH BASIC SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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津川 尚子/TSUGAWA NAOKO | 栄養学部/Nutrition |
授業の方法 /Class Format |
講義。現時点では対面授業の予定だが、変更の場合は別途連絡し、シラバスを加筆修正する。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
公衆衛生学は、健康な人を含めたすべての人々を対象に、健康に悪影響を及ぼす環境・行動・社会的要因を取り除き、積極的に人々の健康状態の増進と生活の質(QOL) の向上を図ることを学ぶ学問である。公衆衛生活動は患者を対象として治療する臨床医学とは異なり、疾病や健康障害の「予防」を重視し、行政や組織、制度を通して実践されなければならない。栄養を通じて人々の健康維持・増進を目指す学生にとって、公衆衛生学はその基本となる学問領域であり、社会を俯瞰する幅広い視野で健康を捉えることができる知識・能力を修得することを目的とする。本授業では、主に公衆衛生の概念や人口構造、保健統計、傷病統計から日本の現状を知り、疫学調査のエビデンスに基づいた対策の実施を学ぶ。 栄養学部ディプリマポリシー(DP)として、「思考・判断:①科学的根拠に基づいて人の健康について考察できる。②栄養学・保健衛生学の学問領域において的確に判断できる。」および「関心・意欲 ①予防医学の知識を使って、地域住民の健康増進に意欲をもって寄与できる。②我が国の超高齢社会に対して関心を持ち、生活習慣病の予防に強い意欲を持っている。」を目指す。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
管理栄養士が持つべき公衆衛生の知識を修得するために、以下の項目を到達目標とする。 ①公衆衛生の概念と基本的な進め方について概説できる。 ②保健統計の重要性を理解し、保健統計関連指標の意味を概説できる。 ③傷病統計から、国民の傷病や生活の状況を把握する方法について概説できる。 ④疫学の概念や研究手法、疫学データの解釈について概説できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
公衆衛生、保健統計、疫学、疾病スクリーニング |
授業の進め方 /Method of Instruction |
教科書に準拠するが、配布する講義プリントを用いて授業を進める。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
公衆衛生に関する言葉は馴染みのないものが多いが、分からない言葉は一つ一つ積極的に調べて学ぶことを強く勧める。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
講義前に教科書の該当箇所を読んで予習をすることを勧める。また、講義終了後は復習をし、講義内容に疑問を残さないように努力する。(1時間程度) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
定期的に小テストを行う。小テストの問題解説、フィードバックは講義中に行う。その他、宿題等については講義中に適宜指示する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験90%、小テストおよび授業に対する意欲・態度10%。 |
テキスト /Required Texts |
健康・栄養科学シリーズ「社会・環境と健康」改訂第6版 編集:辻一郎/吉池信男 (南江堂) |
参考図書 /Reference Books |
国民衛生の動向 2022/2023(厚生労働統計協会)、公衆衛生マニュアル2023 中村 好一、 佐伯 圭吾 (南山堂) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 健康と公衆衛生の概念、公衆衛生の進め方 | 健康の定義、公衆衛生の概念を知り、プライマリヘルスケア、ヘルスプロモーション活動やアプローチ方法などを学ぶ。 | |
2 | 第2回 | 公衆衛生の歴史、社会的公正と健康格差の是正 | 日本と諸外国における公衆衛生と予防医学の歴史から、疾病予防における人々の苦労や方法を学ぶ。また、健康の社会的決定要因と健康格差の現状を知り、是正の方法について考える。 | |
3 | 第3回 | 保健統計の概要、人口静態統計 | 国勢調査・人口静態統計から、日本の人口推移、人口構成を知ることの重要性を学ぶ。 | |
4 | 第4回 | 人口動態統計:死亡統計(1) | 日本人の主な死因を知るとともに、粗死亡率、年齢調整死亡率(直接法、標準化死亡比)の意味と算出方法について学ぶ。 | |
5 | 第5回 | 人口動態統計:死亡統計(2) | 死産、周産期死亡、乳児死亡、妊産婦死亡の原因と現状について学ぶ。 | |
6 | 第6回 | 人口動態統計:出生統計 | 出生率、合計特殊出生率、総裁生産率、純再生産率など、出生統計指標を知り、将来の人口増減推移を学ぶ。 | |
7 | 第7回 | 生命表と平均寿命・平均余命 | 加工統計である生命表を理解し、平均寿命、平均余命の算出方法や影響因子について学ぶ。 | |
8 | 第8回 | 傷病統計 | 患者調査、国民生活基礎調査から得られる指標や情報、実施方法について学ぶ。 | |
9 | 第9回 | 疫学の概念、疫学研究の種類と方法 | 疫学の定義、疫学研究の種類と特徴、具体例を学ぶ。 | |
10 | 第10回 | 疫学指標(1) | 罹患率、有病率、相対危険、寄与危険などの疫学指標の算出方法やそれらが示す意味を学ぶ。 | |
11 | 第11回 | 疫学指標(2) | オッズ比の意味と算出方法、有意水準や95%信頼区間など統計学的解釈について学ぶ。 | |
12 | 第12回 | 疫学研究における結果の理解 | 疫学研究の結果を理解するために必要な背景要因、バイアス、交絡因子、Hillの判定基準について学ぶ。 | |
13 | 第13回 | 根拠の質、疫学倫理 | システマティックレビュー、メタ解析を含む疫学研究の根拠の質を学ぶ。また、疫学研究遂行のための研究倫理について学ぶ。 | |
14 | 第14回 | 疾病のスクリーニング | 疾病のスクリーニングの必要性とスクリーニングの精度(敏感度、特異度、陽性反応的中度、ROC曲線)を学ぶ。 | |
15 | 第15回 | 総合解説 | 本授業の内容を総合的に振り返り、公衆衛生に対する理解を深める。 |