基本情報/Basic Information

開講科目名 ／Class	生物無機・分析化学【再履修】／Bioinorganic and Bioanalytical Chemistry
授業コード ／Class Code	B100572003
開講キャンパス ／Campus	有瀬
開講所属 ／Course	栄養学部／Nutrition
年度 ／Year	2023年度／Academic Year
開講区分 ／Semester	前期／SPRING
曜日・時限 ／Day, Period	火5(前期)／TUE5(SPR.)
単位数 ／Credits	2.0
主担当教員 ／Main Instructor	石井　剛志／ISHII TAKESHI
科目区分 ／Course Group	【専門教育科目】　〈基礎科学群〉／*** MAJORS *** 〈BASIC SCIENCES〉
遠隔授業 ／Remote lecture	No

担当教員情報/Instructor Information

教員名 ／Instructor	教員所属名 ／Affiliation
石井　剛志／ISHII TAKESHI	栄養学部／Nutrition

授業の方法 ／Class Format	【対面授業（講義・演習）】
授業の目的 ／Class Purpose	本科目は、栄養学部のDPに示す栄養学・保健衛生学の学問領域において的確に判断するための素養を身につけることを目指す。 授業では、以下に示す「管理栄養士国家試験出題基準（ガイドライン）」を基に、分析化学の観点から、食品の成分と機能を学ぶ。 ◎管理栄養士国家試験出題基準（ガイドライン）大項目 　２．食品の分類と食品成分 　３．食品の機能 健康科学に基づいた疾病予防および健康増進に必要な専門知識を習得する過程では、食品学・栄養学・生化学等を学修するが、これらの科目を理解するためには、分析化学の基礎知識が必要不可欠である。本項目は、「食べ物と健康の関連の理解」を学修するうえで重要な食品成分や食品機能について、食品成分やその代謝物と生体成分の分析の観点から科学的に思考できる力を身につけることを目指す。また、食品学総論・各論により学んだ食品に含まれる成分の性質、所在、機能の知識を活用し、食品成分表における食品の分類法・分析法を理解することで、栄養管理における食事評価と食事計画の実施に資する素養を身につけることを目指す。
到　達　目　標 ／Class Objectives	無機化学や分析化学の基礎を習得し、食品成分とその分析法に関する科学的思考力を身に着ける。 ・ 分析化学の基礎的な理論を理解し、計算や実験結果の整理・考察に活用できる ・ 分析方法の名称と基礎的な原理を理解し、食品分析や生体分析の際に適切な方法を選択できる ・ 食品に含まれる栄養素の検出・定量に重要な分析法を説明できる ・ 食品機能の探索・評価法および構造・機能解析法を説明できる ・ 食品成分表の基本的な構成を理解し、収載成分の分析法について説明できる
授業のキーワード ／Keywords	分析化学、無機化学、定性・定量分析、機器分析、食品成分、食品機能、日本食品成分表
授業の進め方 ／Method of Instruction	「講義」と「演習」を適宜織り交ぜながら授業を進める。「講義」はスライドやテキスト（配布資料を含む）を用いて行うが、計算法や物理化学的な理論を理解する観点から、適宜「演習」の時間をとる。高校までに身につけた化学の知識は、受講者間で大きな隔たりがあり、基礎的な内容もすべて忘れている者も少なくない。そのため、講義の内容に全くついて行けず、予習・復習することすらままならない者が出る。コロナ禍以前であれば「演習」時の巡回指導や希望者に対する研究室での個別指導などで対応していたが、本年度も実施できない可能性がある。そこで、講義中に小テストを課し、その結果を基に補充講義として特別補講（任意参加）を実施する場合がある。
履修するにあたって ／Instruction to Students	本講義では、物理化学的理論や化学反応、食品成分の構造や物性等を示して説明することが多い。履修者（特に化学が苦手な者）は、「生物物理化学」「生物有機化学」「化学」「食品学総論実験」の内容について確認しておくこと。また「食品学総論」や「生物有機化学」で学んだ化合物が頻出するので、各化合物の名称や構造・特性を理解しておくこと。「単位変換」「モル濃度計算」「コロイド（タンパク質）の特性」「物質の化学構造と極性の関係」など高等学校から1年次までに学んできた基礎的な事項については特に復習・確認しておくこと。
授業時間外に必要な学修 ／Expected Work outside of Class	聞きなれない専門用語や物理・化学的な理論が多いので、講義内容の予習・復習をしっかりと行うこと。必要な時間は各人で異なる（これまでの関連科目の履修状況・理解度により予習・復習ともに各1～4時間程度）をしっかりと行うこと。丸暗記ではなく、講義中に教示する理論や覚え方を利用して理解することが望ましい。計算や化学が苦手なものは、授業前の予習として、「化学（全学共通）」を復習しておくこと。食品成分の分析法を理解する際には、「食品学総論」「食品学総論実験」「食品学各論」「生物有機化学」「生化学（タンパク質の構造）」「生化学実験（一部）」で学んだ知識が必要となるので、食品成分の名称や化学構造（極性）、タンパク質の立体構造、実験の内容についても復習しておくこと。上記の分野や科目が苦手な者は、定期試験直前にまとめて勉強しようとしても、理解が追い付かない可能性がある。日々の復習が重要となる。
提出課題など ／Quiz,Report,etc	講義内容の理解度を調査する小テストを適宜実施する（事前通知したものは成績に反映）。食品成分表の収載成分や嗜好成分の分析法については管理栄養士国家試験でも出題されるため、これらの理解度の確認に向けた能動的な講義・課題を課す（詳細は講義中に提示）。
成績評価方法・基準 ／Grading Method・Criteria	完全記述式（計算、分析方法の説明、適切な分析方法の選択）の定期試験を実施し、講義中に行う事前に通知した小テストおよび提出課題の結果を踏まえて到達目標の達成度を総合的に評価する。配点は定期試験（80％）小テスト（20%）として100点満点に換算し、60点以上を合格とする。出席点（加点）は設けていないが、出席３分の２未満の場合は評価の対象とせず不合格とする。
テキスト ／Required Texts	・『食品分析化学』、新盛一敏・森光康次郎著、東京化学同人 ・  配布資料
参考図書 ／Reference Books	・『基礎から学ぶ食品分析学』、谷口亜樹子編著、建帛社、2,420円 ・  高等学校教科書『化学基礎』および『化学』（東京書籍、数研出版等） ・  食品学総論実験実習書

No.	回 ／Time	主題と位置付け ／Subjects and position in the whole class	学習方法と内容 ／Methods and contents	備考 ／Notes
1	第1回	分析化学の基礎	分析データの取り扱い方と計算方法（各種濃度および力価）を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、1年次関連科目の繰り返しの確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認・計算練習〕
2	第２回	分析化学の基礎理論	化学平衡、pHおよび緩衝液の理論を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、1年次関連科目の繰り返しの確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認・計算練習〕
3	第3回	分析化学の基礎理論	酸化還元、キレートおよび錯体の理論を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、1年次関連科目の繰り返しの確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
4	第4回	容量分析	中和滴定、酸化・還元滴定、沈殿滴定およびキレート滴定の理論を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、食品学総論実験「滴定」の確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認・計算練習〕
5	第5回	重量分析、分子分光分析	揮発・抽出・沈殿法および分光法（ 吸光・蛍光・赤外）の理論を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
6	第6回	物質の分離・精製の基礎	濃縮、抽出および分配による物質の分離精製の理論を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、食品学総論実験「二相分配」の確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
7	第7回	物質の分離・精製法	クロマトグラフィーによる物質の分離精製法を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、食品学総論実験「LC、GC」の確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
8	第8回	物質の分離・精製法	電気泳動による物質の分離精製法について理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、1年次関連科目の繰り返しの確認〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
9	第9回	機器分析	質量分析法、電気化学分析法、分子間相互作用解析法について理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
10	第10回	その他の分析	免疫化学的分析法について理解する 質量分析法、電気化学分析法、分子間相互作用解析法について理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
11	第11回	食品成分の定性分析	タンパク質、アミノ酸、糖、脂質、ビタミンの定性分析法を理解する 〔予習・復習：課題への取り組みと繰り返しの確認〕
12	第12回	食品成分の定量分析	日本食品成分表の対象栄養素の定量分析法を理解する 〔予習・復習：課題への取り組みと繰り返しの確認〕
13	第13回	食品成分の構造・機能解析	機能性成分の探索・評価法および構造・機能解析法を理解する 〔予習：テキスト該当部分の通読、これまでの講義の復習〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
14	第14回	食品分析	食品の栄養価や美味しさを分析する方法を理解する 〔予習：食品学総論・補講の二次機能や官能評価の復習〕 〔復習：予習内容と配布資料の繰り返しの確認〕
15	第15回	総括	食品中の栄養素や機能性成分の分析法について総合的に理解する 〔予習・復習：講義内容を踏まえたテキスト・レジュメの繰り返しの確認〕