科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
先進医療薬学/Pharmacy in Frontier Medicine |
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授業コード /Class Code |
K000611001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
博士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
土4(後期)/SAT4(AUT.) |
単位数 /Credits |
1.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
久米 典昭/KUME NORIAKI |
科目区分 /Course Group |
【薬学専攻】 /*** Pharmaceutical Sciences *** |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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久米 典昭/KUME NORIAKI | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
鷹野 正興/TAKANO MASAOKI | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
橋本 保彦/HASHIMOTO YASUHIKO | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
対面授業により行う予定である。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
医療の第一線で活躍する薬剤師、および医薬研究開発の最前線で活躍する薬学研究者に必要な、最新の医療薬学の情報と、科学的な思考能力を習得することをめざす。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
最先端の医療薬学の情報を習得する。 データに基づいた論理的かつ科学的な思考能力を習得する。 |
授業のキーワード /Keywords |
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授業の進め方 /Method of Instruction |
講義により情報が提供された後に、それに基づいて討議を行う。 3名の担当者により分担される。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
予習、復習および提出課題の作成 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業の中で指示します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業中での討議への参加態度、発言内容、提出課題の内容で評価する。 |
テキスト /Required Texts |
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参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 高LDLコレステロール血症治療におけるコレステロール合成阻害と吸収阻害を考える | 低比重リポ蛋白(LDL)は、動脈硬化性疾患の主要な危険因子として認識され、その血中濃度を低下されるためのスタチン(内因性コレステロール合成阻害薬)治療は、すでに十分に確立し、普及している。その治療の第一選択薬はスタチンであるが、その効果が不十分な場合には、次にエゼチミブ(コレステロール吸収阻害薬)が追加される。この病態におけるコレステロールの合成と排泄の位置づけについて考える。 | |
2 | 第2回 | 重症の高LDLコレステロール血症に対する新規治療を考える | 低比重リポ蛋白(LDL)は、動脈硬化性疾患の主要な危険因子として認識され、その血中濃度を低下されるためのスタチン(内因性コレステロール合成阻害薬)治療は、すでに十分に確立し、普及している。重症な高コレステロール血症では、スタチンに加え、エゼチミブ(コレステロール吸収阻害薬)およびレジン薬(胆汁酸再吸収阻害薬)が併用され、効果を示している。しかしながら、家族性高コレステロール血症を含めた重症の高LDLコレステロール血症では、これら3剤を併用しても管理目標値までLDLコレステロール値が十分に低下しない場合もある。このような症例に対し、新規治療標的であるPCSK9を阻害する薬剤が開発された。PCSK9は、その分子の発見からヒトの病態での役割の解明、創薬への臨床応用まで、きわめて迅速に開発が進められた。本薬剤の最新の臨床エビデンスも含めて提示し討論する。 | |
3 | 第3回 | トリグリセリドを標的とした動脈硬化治療を考える | 動脈硬化性疾患の発症予防としてのスタチン治療はエビデンスも多く、確立された治療であるが、本剤を用いてもそのリスク低下率は30-50%程度であり、その残余リスクに対して、スタチンに追加する新たな予防治療が求められている。低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症および炎症が、スタチン治療下の主要な残余リスクと考えられる。本講義では、トリグリセリドを標的として開発されたPPAR alpha modulatorなどを紹介し、それらの問題点および今後の可能性につき討論する。 | |
4 | 第4回 | 糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の臨床エビデンスについて考える | 糖尿病治療薬SGLT2阻害薬を用いた大規模臨床試験の結果から、本薬剤で治療するのに適した患者像を考える。 | |
5 | 第5回 | 統合失調症患者の治療について考える | 統合失調症は慢性疾患であるため,発症すると長期間の継続治療が必要となる。特に発症から5年を超えて入院すると,予後が悪く長期入院となることも少なくない。長期入院は,患者の病院依存や社会との乖離など患者のその後の人生に大きく影響する。本講義では,なぜ長期入院となるのか,患者の退院促進はどのように行うべきであるのについて,医療と支援という点から討論する。 | |
6 | 第6回 | 双極性障害の治療を考える | 双極性障害は抑うつ状態と躁状態という全く逆の状態を有する障害である。多くの患者は抑うつ状態の時には、医療機関を受診するが、躁状態では爽快気分も伴って“今の状態こそが本来の自分である”と言い、 受診しない事が多い。医師もうつ病と双極性障害のうつ状態とを誤診しやすく、その結果、病状が遷延することも少なくない。どのような治療が最適であるのか、患者との関わりから考える。 | |
7 | 第7回 | 依存症からの回復を考える | 依存症の患者は本当に快楽を求める結果、その物質に依存してしまうのだろうか?また、覚醒剤等の使用により、日本ではその行為を犯罪として、刑務所で隔離するが、それで本当に依存症の患者は回復するのだろうか?医療者として、患者を治療するという観点から依存症の回復について考える。 | |
8 | 第8回 | 再生医療の現状と未来(1) 臓器再生の最先端研究 |
2012年に東大医科研の中内啓光らは、膵臓欠損ブタの胚に正常ブタの胚を注入することで、正常ブタの胚由来の膵臓が形成されることを実証した。この研究は、ヒトにおける臓器再生の第一歩を刻んだ業績である。この研究について概説し、臓器再生の意義、そして、それらの研究の抱える倫理的問題についても討論する。(1) | |
9 | 第9回 | 再生医療の現状と未来(2) 臓器再生の最先端研究 |
2012年に東大医科研の中内啓光らは、膵臓欠損ブタの胚に正常ブタの胚を注入することで、正常ブタの胚由来の膵臓が形成されることを実証した。この研究は、ヒトにおける臓器再生の第一歩を刻んだ業績である。この研究について概説し、臓器再生の意義、そして、それらの研究の抱える倫理的問題についても討論する。(2) | |
10 | 第10回 | 科学的思考と批判能力 | 講義受講者の皆さんに興味のある最先端研究を紹介してもらい、それについてディスカッションする。この過程で、データを客観的、科学的に解析し、ディスカッションする能力を身につけよう。 |