科目一覧へ戻る | 2024/03/07 現在 |
開講科目名 /Class |
労働法特殊講義/Advanced Lecture on Labor Law |
---|---|
授業コード /Class Code |
J011481001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
木1(後期)/THU1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
表田 充生/OMOTEDA MITSUO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
表田 充生/OMOTEDA MITSUO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
演習形式を基本とする。万一新型コロナ感染状況の悪化等の事態が生じて遠隔授業を併用する等の事態に至った場合においても、その基本方式に変更はない。 |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
この科目は、法学研究科のDPに示された、学部段階で身につけた法的素養を前提として、労働関係に関わる各種法的問題につき、実社会や法実務において通用する高度な専門的知識を習得し、実践的な問題解決を示すことができるようになることを目指す。 労働法の領域には、雇用関係法(個別的労働関係法)と労使関係法(集団的労働関係法)という2つの主要な領域がある。いずれの分野も重要であるが、近年の労働立法の動向等も踏まえて、本講義は「個人としての労働者」に焦点をあてた前者にやや比重を置きながら展開する。 労働基準法及び労働契約法を中心に、採用内定、労働契約の内容、配転・出向及び解雇など,労働契約の成立から終了に至るまでの過程で生じる様々な法律問題を検討する。また、労働組合に関連した法的問題、及び、グローバリゼーションが進む中、産業構造が大きく変化し、雇用形態も多様化してきた現代において新たに生じてきている労働問題も採り上げていく。 本講義では、改正法や新立法の動向も踏まえて、最新の裁判例や学説等を基に、大学院生レベルで必要とされる「変化する労働法」の基本知識を修得する。労働法は、労使間対立が常に内在している中で展開していく法領域であるが、このことにより具体的な労使紛争の解決には、各紛争における事実認定の重要性を前提に、法の適用の場面におけるバランス感覚が非常に大切となってくる。判例研究も行いながら、労働法を通じて法的思考を鍛えつつ、様々な労使紛争の適切な解決案を提示できるようになることを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
到達目標: 1.労働法上の基本的な概念や制度を理解し、なぜそのような制度等が設けられたのかを考察し、関連した法律規定や判例の内容を修得すること。 2.民法における契約法上のルールとの相違を意識して、労働法独特の考え方や労使紛争の解決手法を把握すること。 3.労働法上の個別のテーマに関してより深く考察・検討することにより、特に判例を素材とした事実関係の把握や裁判所による法の適用に関する手法を検討することにより、労使双方の立場を考慮に入れつつ、バランスのとれた適切・妥当な労使紛争解決能力を身に付けることができるようになること。 |
授業のキーワード /Keywords |
労働契約の成立と終了、採用内定の取消し、解雇、懲戒処分、配転・出向、労働条件の決定・変更、就業規則、労働協約、労働組合、争議行為、ハラスメント、労働基準法、労働組合法、労働契約法、男女雇用機会均等法 等 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
本講義では、労働法上のテーマごとに重要な法律問題を確認した後、主として判例を素材としながら各問題について検討していく。判例研究を通じて様々な法律上の争点につき十分に考察してもらいたい。授業は演習形式を基本として行う予定である。(なお、授業計画に掲げた主題については、受講生の興味・関心も考慮に入れて相談のうえ若干の変更を行う場合もある。) 受講生には授業の中で取り扱う各判例についてどのように考えていくべきか、各判決の理由付けや結論は妥当か等を常に問いかけながら進めていく。したがって、単に授業を聴くだけではなく、積極的に参加する姿勢で臨んでほしい。なお、受講生には何回か判例報告等を行ってもらう(報告回数は受講人数に応じて決定するため、受講者数が少ない場合は一人当たりの報告回数が増えることとなるので、その点は予め了解しておいてほしい。例えば、受講生が3名の場合なら一人当たりの報告回数は4回の見込みとなります。)。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
その他〜受講生に対する希望等 学部レベルの「労働法」の知識を前提として授業を進めていくので、学部において労働法科目を履修していなかった方は事前に労働法のテキストを通読しておくことが望ましい。毎回の授業に要する予習及び復習の時間は、それぞれ最低2時間程度である(ただし、報告担当となった際は事前準備にそれ相当の時間を要する)。 社会人として働き始めた際に最も身近な法の一つとなる労働法を通じて、法的思考を学んでみたい意欲のある学生さんの受講をお待ちしています。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
授業各回で取り扱うテーマに関わるテキストの該当箇所を事前に通読しておくこと、及び、授業で検討すべき裁判例について事前に概要を把握しておくこと。なお、毎回の授業に要する予習及び復習の時間は、それぞれ最低2時間である。ただし、報告担当の際は事前準備に相当の時間を要するので、その心積もりで受講してほしい(受講者数に応じて報告回数が決まるが、学期15回の講義中、一人の報告回数の上限は10回とする〔受講者が最低人数の一人の場合〕)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
下記の成績評価方法の欄にも記載してあるが、第14 回講義時に期末レポートを提出していただく。(なお、これは期末試験に替えて実施するものでもある。) 提出していただいたレポートに関しては、最終講義時にコメントする。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
出席を前提としたうえで、授業における質問等に対する発言内容、及び、演習におけるディスカッションへの積極的な姿勢(30%)、授業内での判例等報告(受講人数に応じて報告回数は増減する:50%)、並びに、期末のレポート(1回実施:20%)で判断する。 |
テキスト /Required Texts |
テキストは、水町勇一郎『労働法[第9版]』(有斐閣、2022年)、及び、村中孝史・荒木尚志編『労働判例百選[第10版]』(有斐閣、2022年)。 |
参考図書 /Reference Books |
その他の参考文献等については、開講時にあるいは必要に応じて随時説明する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | イントロダクション 〜労働法を学ぶ意義 等〜 | 本講義内容の概要、労働法の意義と学び方、及び、労働法に関する最近の動向 等 | なお、第2回~第14回の授業内容については、受講者数等の状況等に応じて、受講生と相談のうえ、取り扱うテーマを一部変更する場合もある。 |
2 | 第2回 | 労働契約の成立① | 採用内定 | |
3 | 第3回 | 労働契約の成立② | 試用期間満了後の本採用拒否 | |
4 | 第4回 | 労働契約の終了① | 解雇制約法理、解雇権濫用法理 | |
5 | 第5回 | 労働契約の終了② | 整理解雇 | |
6 | 第6回 | 人事をめぐる法的問題① | 配転命令の有効性 | |
7 | 第7回 | 人事をめぐる法的問題② | 配転命令の有効性 | |
8 | 第8回 | 懲戒処分 | 懲戒権の法的根拠、懲戒権の濫用 | |
9 | 第9回 | 労働組合 | ユニオン・ショップ協定 | |
10 | 第10回 | 就業規則 | 就業規則の不利益変更 | |
11 | 第11回 | 労働協約 | 労働協約の規範的効力 等 | |
12 | 第12回 | 争議行為 | 争議行為の正当性 | |
13 | 第13回 | 時間外労働 | 長時間労働と過労死・過労自殺 | |
14 | 第14回 | ハラスメント問題 | セクシュアル・ハラスメント | |
15 | 第15回 | 総括 ~現代労働法上の課題等~ | この講義の総括、及び、労働法上の今後の課題 等 |