科目一覧へ戻る | 2023/07/31 現在 |
開講科目名 /Class |
心理学研究法Ⅱ/Psychological Research Methods Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
J008372001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水3(後期)/WED3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
岡村 心平/OKAMURA SHINPEI |
科目区分 /Course Group |
〈専門基礎科目〉 (選択科目)/〈BASIC SPECIALIZED SUBJECTS〉 (ELECTIVE) |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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岡村 心平/OKAMURA SHINPEI | 心理学部/Psychology |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
目標:この科目は,心理学研究科の修士課程DP1・2・3・4の獲得を目指す。具体的には,公認心理師として修得していることが望ましい研究手法について学修する。各種介入の効果を適切に測定する,あるいは,効果研究で得られた知見を適切に評価することは公認心理師が心理学の学識を実務の場面で実践するために必要な学修である。 心理学だけでなく,医学あるいは社会科学において要求される効果研究の基準を学修し,効果研究で必要とされる統計解析手法の理解を深める。また,心理支援などの実践のプロセスを分析・検討するために要求される観察法・面接法なども質的研究法や,実際の心理支援の効果・過程を研究対象とした事例研究法についての理解を深める。 具体的には,研究論文のレビューや分析手法の確認,的確なリサーチレビューの立案と手続きの選定,研究倫理の遵守を踏まえた上での研究計画書や事前承諾書の作成などを目指す。 なおこの科目は,保健医療・教育・産業領域にて5年間,心理支援支援に従事し,実務経験を有する公認心理師・臨床心理士資格を持つ教員が担当する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
●各研究法の特徴を理解し,研究計画に反映させることができることを目的とする。 ●学術論文に対して適切な批判を行い,当該論文の研究知見の有効性と限界に関して議論を行う ことができることを目的とする。 ●心理学研究における倫理的な側面に関する課題とその対処法に関して学ぶことができる。 ●各種文献データベースの利用方法を知り,自らの研究計画に反映することができることを目的 とする。 |
授業のキーワード /Keywords |
実験計画法,要因計画,操作的定義,リサーチ・クエスチョン,質的研究法,事例研究法,研究者倫理,データベース,PsycINFO |
授業の進め方 /Method of Instruction |
基本的に講義形式で授業を行いますが、受講生が自身の研究テーマに関連した研究方法については発表してもらいます。第1回目の授業では全体のオリエンテーションを行い、そのあとは受講生を2つのグループ(AグループとBグループ)に分けます。Aグループは第2~7回は主に基礎心理学系の研究法について英文資料をもとに学び、第8~13回は主に臨床心理学系の研究法について仮想事例をもとに学びます。Bグループは上記の第2~7回の内容を第8~13回で学び、上記の第8~13回の内容を第2~7回で学びます。第14回と第15回は両グループ合同で、受講生が自身の研究テーマに最適な研究法について発表するとともに、授業内容を振り返ります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
「心理学研究法Ⅰ」の単位を修得していることが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
受講生は、各回の授業内容に関して,事前に資料に目を通して,授業に臨むこと(目安として60分)。また各回の授業へのコメント提出時に学修内容を振り返り、授業内容や自身の考えを整理して復習すること(目安として30分)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
・PsychoINFOやPubMEDなどで,論文要約(abstract)を3編提出し,授業で発表を求める。 ・和文論文1編を選び,特にその研究方法に関して,批判的に検討を加えた上で,授業で発表を求める。 ・架空の研究計画を立案し,リサーチ・クエスチョンや研究手法について検討し,研究倫理審査を想定した上で同意書等の必要書類の作成を行う。 ・インタビュー場面のデモンストレーションや,逐語記録などのデータの分析方法を,授業内で詳細に検討する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
全授業回数の3分の2以上の出席をもって、単位の認定・評価の対象者とする。そのうえで、 ①授業への積極的参加度(毎回の授業後に提出するコメントや質問、感想等の内容に基づく)(20%) ②発表内容(30%) ③発表時に用意した配布物(30%) ④発表者でないときの発言(20%) の4点について、それぞれを評価し、その評価結果を合算する。 |
テキスト /Required Texts |
指定しない。授業内容に関連する書籍は、参考図書以外にも各回の授業回で随時紹介する。 |
参考図書 /Reference Books |
研究資料検索用サイト(PsycINFOやPubMED)は図書館webページの左欄にある,データベース(学内)よりアクセスすると良い 高野陽太郎・岡隆(編) (2017). 『心理学研究法 補訂版』有斐閣. W.J. レイ (著), 岡田 圭二 (編訳)(2013). 『改訂エンサイクロペディア 心理学研究方法論』北大路書房. 山本力(著) (2018). 『事例研究の考え方と戦略 心理臨床実践の省察的アプローチ』創元社. |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーション | 授業の進め方の説明、心理学研究のあり方と多様性、心理学研究における妥当性と信頼性、再現性について検討する。 | |
2 | 第2回 | 各研究法の概観 | 主な研究手法について,実際の論文要約を概観しながら学修する。 | |
3 | 第3回 | 実験計画の論理 | 独立変数の操作、従属変数の測定、剰余変数の統制、媒介変数と調整変数の可能性、生活体変数の制約、実験群と統制群、横断比較と縦断比較 | |
4 | 第4回 | 実験計画の種類 | 実験室実験、質問紙実験、フィールド実験と自然実験、準実験 | |
5 | 第5回 | 実験データの整理と分析 | 要因計画、記述統計と推測統計、統計的検定 | |
6 | 第6回 | 調査データの整理と分析 | 相関分析と因果分析 測定尺度 | |
7 | 第7回 | 研究参加協力者への倫理的配慮 | 日本心理学会およびAmerican Psychological Associationにおける倫理規程 研究倫理審査委員会 | |
8 | 第8回 | 実践的研究法の概観 | 臨床実践に関わる研究法として、事例研究、プログラム評価、臨床面接法等について学修する。 | |
9 | 第9回 | 事例研究法① | 事例研究論文のレビューを通じて公認心理師にとっての事例研究の意義について検討する。 | |
10 | 第10回 | 事例研究法② | 事例研究論文のレビューを通じて公認心理師にとっての事例研究の意義について検討する。 | |
11 | 第11回 | 臨床面接法 | 臨床面接法の手順や分析、報告の仕方や遵守すべき研究倫理について学習する。 | |
12 | 第12回 | インタビュー・データの収集 | 受講生によるインタビューのデモンストレーションを実施する。 | |
13 | 第13回 | インタビュー・データの分析 | インタビュー・データの分析を行い,分析手法について批判的に検討する。 | |
14 | 第14回 | 研究テーマに最適な研究法の模索1 | 受講生による自身の研究テーマに最適な研究法について発表し、討議する。 | |
15 | 第15回 | 受講生による研究テーマに最適な研究法の模索2 | 受講生による自身の研究テーマに最適な研究法について発表し、討議する。 |