科目一覧へ戻る | 2023/07/31 現在 |
開講科目名 /Class |
表現言語論特殊講義Ⅱ(E)(2022年度以前入学生)/Advanced Lecture on Literature Study Ⅱ(English) |
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授業コード /Class Code |
J008351001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火5(後期)/TUE5(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
長谷川 弘基/HASEGAWA HIROKI |
科目区分 /Course Group |
〈表現言語論〉 /〈COURSE OF LITERATURE STUDY〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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長谷川 弘基/HASEGAWA HIROKI | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
西洋文学にはギリシア・ローマ時代から「エクフラシス(ekphrasis)」と呼ばれるジャンルがある。絵画や彫刻などのビジュアル・アートを題材にしたエクフラシスは、特に18世紀以降様々な注目を集めてきた。近代になってエクフラシスが注目を浴びる理由とその意味について、主にW. J. T. Mitchellの批評を参照にしつつ、実際のエクフラシス作品を読み解きながら、理解を深める。視覚芸術と言語芸術の関係、特に詩文の中に表現される視覚芸術の意味を理解し、批評理論が文学研究に果たす役割を意識できるようになる。 この授業は主に人間文化学研究科ディプロマポリシーに示す「専門領域において十分な知識と技能を蓄積し、それを学問上の研究課題や実社会の諸問題に対して的確に応用することができる」能力の涵養を目指すものである。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1)言語と視覚イメージの相違を、主に記号論的立場から理解する。 2)言語と視覚イメージの対立が自己と他者の対立のアナロジーであることの意味を理解する。 3)エクフラシスの現代的意味を理解する。 |
授業のキーワード /Keywords |
言語、記号、視覚イメージ、エクフラシス、自己、他者 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
英文の文献を利用しながら、その内容に沿った形で講義を行う。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
相当量の英文を読むことになるので、事前の準備を怠らないこと。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
2時間程度の準備が必要である。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
レポート。提出したレポートには意見・修正点・評価などを記した上で返却する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
学期末のレポート。 |
テキスト /Required Texts |
最初の授業にプリントを配布する。 |
参考図書 /Reference Books |
W. J.T. Mitchell: Picture Theory (Univ. of Chicago Press,1995) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | イントロダクション:エクフラシスとは何か | エクフラシスに関する大まかな解説;英文学における代表的作品の紹介 | |
2 | 第2回 | エクフラシスの文体論的分析1:W. H. Auden: "Musee des Beaux Art" | 作品の解説 | |
3 | 第3回 | エクフラシスの文体論的分析2:W. H. Auden: "Musee des Beaux Art" | 作品の文体論的特徴の確認とその意義について | |
4 | 第4回 | エクフラシスの文体論的分析3:John Keats:: "Ode on a Grecian Urn" | 作品の解説 | |
5 | 第5回 | エクフラシスの文体論的分析4:John Keats:: "Ode on a Grecian Urn" | 作品の文体論的特徴の確認とその意義について | |
6 | 第6回 | エクフラシスの文体論的分析5:W. B. Yeats:: "Lapis Lazuli" | 作品の解説 | |
7 | 第7回 | エクフラシスの文体論的分析6:W. B. Yeats:: "Lapis Lazuli" | 作品の文体論的特徴の確認とその意義について | |
8 | 第8回 | レッシングの『ラオコーン』 | 18世紀ジャンル論争の背景と意味 | |
9 | 第9回 | 言語学と記号論1 | エクフラシスを記号論的に分析するために記号論の基礎を学ぶ第一回(ソシュールの記号論) | |
10 | 第10回 | 言語学と記号論2 | エクフラシスを記号論的に分析するために記号論の基礎を学ぶ第二回(パースの記号論) | |
11 | 第11回 | 言語学と記号論3 | エクフラシスを記号論的に分析するために記号論の基礎を学ぶ第三回(グッドマンの記号論) | |
12 | 第12回 | 言語学と記号論(まとめ) | 記号論的思考のメリットとデメリット | |
13 | 第13回 | 絵画に対する記号論的・分析的アプローチ1 | フーコーの「ラス・メニーニャス」に関する分析を検討する | |
14 | 第14回 | 絵画に対する記号論的・分析的アプローチ2 | 前回の続き | |
15 | 第15回 | 詩の構造と絵画の構造の比較 | 文体論的・構造的アプローチによるエクフラシス理解の限界について |