科目一覧へ戻る | 2024/01/18 現在 |
開講科目名 /Class |
経営戦略論特殊講義/Advanced Lecture on Corporate Strategy |
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授業コード /Class Code |
J003832001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
火2(前期),火2(後期)/TUE2(SPR.),TUE2(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
田中 康介/TANAKA KOSUKE |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
田中 康介/TANAKA KOSUKE | 経営学部/Business Administration |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講義では、経営戦略に関する基礎的な理論や知識の修得とともに、様々な新しい視点から、現代の経営戦略論について理解することを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1. 経営戦略に関する基礎的な理論を説明できる。 2. 新しい視点からも経営戦略を説明できる。 3. 経営戦略と組織の関係を説明できる。 4. どのように組織内で戦略は形成されるのかを説明できる。 5. 組織メンバーの戦略行動について説明できる。 6. 経営戦略の新しい理論モデルを説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
環境適応、意思決定、ドメイン、多角化、資源展開、競争戦略、分析型戦略、プロセス型戦略、経営革新、戦略・組織の関係、組織戦略、戦略行動、戦略形成プロセス、戦略的学習、戦略論の新展開 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
「授業の方法」「遠隔授業情報」参照。講義中心の授業ですが、より実践的な理解を促進するため、必要に応じて、実際の企業事例(映像等)を用いて説明します。詳しく(後期授業の方法・内容等)は、初回に説明します。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
授業中は、座って聴講するだけでなく、積極的に発表や討議に参加することが望まれる。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
授業計画の各回で示されている教材(プリント)の個所を、丹念に繰り返し読むこと。 事前学習として、講義の対象となる教材(プリント)の個所を読み込んでおくこと。(目安として1時間程度) 事後学修として、講義の対象であった教材(プリント)とビデオ教材等の内容を再確認すること。(目安として 1時間程度) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
学期末総括レポート(前・後期の各期末に1回ずつ:合計2回実施予定)、中間レポート(前・後期それぞれ中間~後半の時点で1回ずつ:合計2回実施予定) |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
学期末総括レポート:50%、中間レポート:30%、授業中の討議・発表等:20%の割合で、成績評価する。 |
テキスト /Required Texts |
オリジナル教材(プリント)を使用しますが、教材や資料は適宜配布します。 |
参考図書 /Reference Books |
産能大学経営研究会編著『現代企業と経営』産能大学出版部、奥村昭博著『経営戦略』日経文庫(日本経済新聞社)、ゲイリー・ハメル他『コア・コンピタンス経営』(日本経済新聞社)その他、必要に応じて指示する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 経営戦略と環境適応 | 企業(組織)は、環境に適応することによって、存続と成長を確保できる。こうした企業の環境適応において、カギとなるのが経営戦略である。そして、企業ごとの経営戦略の違いが、環境適応の成否を左右する。第1講(初回)では、企業の環境適応における経営戦略の意義について理解する。 | |
2 | 第2回 | 経営戦略の意味 | 経営戦略とは何か、なぜ企業にとって経営戦略は必要なのか、などを根本的に理解する。そして、経営戦略の基本的な意味や定義を理解した上で、特に戦略の必要性について、実際の企業事例を取り上げ、より実践的に理解する。 | |
3 | 第3回 | 戦略的意思決定 | 戦略的意思決定とは、まず「わが社はどのような事業を行い、どのような製品を開発し、どのような市場に進出するか」を決めることである。ここでは、戦略的意思決定の意味を理解した上で、更に戦略的意思決定が企業の存続・成長にどのような影響を及ぼすのかについて理解する。 | |
4 | 第4回 | 経営戦略の本質 | 企業は何のために経営戦略を策定・実行するのか、という問に答えるならば、創造や革新のためである。ある高名な経済学者によれば、企業や企業家の起こす創造的革新が経済や社会の発展をもたらすという。ここでは、経営戦略の本質である創造や革新の意味・意義を理解する。 | |
5 | 第5回 | 経営戦略の概念と構想 | 経営戦略に関する基本的な考え方(概念)を理解した上で、経営戦略を構造的に分解し、全社戦略、事業(競争)戦略、機能別戦略など、それぞれについて理解する。加えて、経営戦略の基盤となる経営理念やビジョン、更に全社的な戦略構想についても理解する。 | |
6 | 第6回 | ドメインの定義と多角化戦略 | 戦略構想の第一歩であるドメイン(事業領域)が定義されると、まず企業はそのもとで事業を展開していく。ある事業を集中的に行っていく企業もあれば、事業を拡大したり或いは事業を多様化・多角化したりする企業もある。ここでは、特に企業の多角化戦略に焦点を当て、その方向や類型について理解する。 | |
7 | 第7回 | 資源展開の戦略 | 企業(組織)は、その目的を達成するために、必要な経営資源を蓄積し調達するとともに、ドメインを構成する事業分野のそれぞれに、その資源を配分していくことが求められる。ここでは、特に財務的資源(資金)の配分に焦点を当て、その戦略手法について理解する。 | |
8 | 第8回 | 競争戦略論 | 企業には、全社的に事業を調整・管理することが必要である一方、それぞれの事業ごとの戦略、とりわけ市場や競合他社に目を向けると、競争戦略が不可欠となる。競争戦略を策定する際の決め手は、まず自社の競争(市場)環境を分析することにある。ここでは、市場の競争要因分析とその手法を理解する。 | |
9 | 第9回 | 競争戦略論 | 企業は、競争(市場)環境やそこに含まれる要因を分析した上で、自社がどのような競争戦略を採れば良いのかを決定しなければならない。ここでは、企業の採るべき競争戦略の基本的類型について理解する。 | |
10 | 第10回 | 競争戦略論 | 市場戦略(マーケティング)の視点からも、市場実態に則し競争ポジション(地位)を設定し、その各ポジションに応じた競争戦略が類型化されている。ここでは、それら市場競争の戦略類型について理解する。 | |
11 | 第11回 | 分析的アプローチの限界 | これまで検討してきた理論(例えば多角化戦略、資金配分、競争戦略など)は、事前の分析を重視する「分析型戦略論」と呼ばれる理論体系である。しかし、分析もやり過ぎると却って役に立たないといわれ、近年では、その限界も指摘されている。ここでは、分析型戦略論の限界説について理解する。 | |
12 | 第12回 | 組織論的アプローチの台頭 | 現実の世界では、事前に分析した通り単純に物事が運ぶわけではない。現実の企業(組織)では、多様な人々が経営戦略の策定や実行に関与しながら、複雑なプロセスを形成している。こうした観点から、ここでは、経営戦略論の新潮流「プロセス型戦略論」の考え方について理解する。 | |
13 | 第13回 | 経営戦略論の新潮流 | 現代企業が経営戦略をどのように捉え実践していくべきか、について考察する。そのために、上記プロセス型戦略論の枠組みに基づき、様々な企業事例を取り上げ、経営戦略の全体的プロセス(策定・実行・実現)を具体的に理解する。 | |
14 | 第14回 | 経営戦略と経営革新 | 現代企業の戦略プロセスについて考察する。先に検討したように(第4講)、経営戦略の本質は創造的革新にあり、ここでは特に、企業(組織)が革新を遂行していくための制度や方法などについて検討する。そして今一度、経営戦略の意味・意義を再考する。 | |
15 | 第15回 | 前半の総括 | 前半の講義内容について復習し、その理論体系について総括し理解する。 | |
16 | 第16回 | 経営戦略と組織 | 経営戦略の実行主体である、経営組織とは何か、を理解する。組織とは人の集まりであるが、各人が勝手に行動しているわけではなく、人々は共通の目的を持ち、それを達成するために組織を構築し、協働している。第1講(初回)では、そのような経営組織の意味を理解した上で、組織の構造や形態などについて理解する。 | |
17 | 第17回 | 戦略と組織の関係 | 組織は、より効率的・効果的に目的を達成しようと、そのための戦略を策定し実行する。その場合、組織にとって適切な戦略が策定されなければならないし、逆に戦略を実行するための適切な組織が構築されなければならない。ここでは、そのような戦略と組織の関係について理解する。 | |
18 | 第18回 | 組織戦略 | 経営戦略の本質は、創造的革新にあるといわれる。つまり経営戦略は、創造や革新を実現するために策定、実行されるものであり、組織もそれらの実現に向けて構築、運営されなければならない。ここでは、革新を起こすべく創造的な組織をいかに構築するか、そのための方法(戦略)について理解する。 | |
19 | 第19回 | 組織戦略 | 環境は絶え間なく変化しており、従来と同じ戦略・組織のもとで企業活動を続けていては、環境に適応できなくなる。企業は、環境変化にうまく対応できるような、或いは環境変化をうまく先取りできるような戦略を臨機応変に採り、その実行・実現のために、従来の組織を革新していかなければならない。ここでは、組織革新のための戦略について理解する。 | |
20 | 第20回 | トップの戦略行動 | 戦略を策定・実行していく上で、トップ・マネジメント(経営者・経営陣)が組織(メンバー)をどのようにリードしていくか、という問題は極めて重要である。トップの行動次第で、組織の存否が左右されるといっても過言ではない。ここでは、戦略実現のための、トップの役割やリーダーシップについて理解する。 | |
21 | 第21回 | ミドルの戦略行動 | 戦略を実現するためには、上述のトップのみならず、ミドル・マネジメント(中間管理者)も重要な役割を担っている。ミドルは、現場とトップの、或いは組織内外の結節点として、自らの行動を通じて、戦略の実現に貢献していくことが求められる。ここでは、戦略実現のための、ミドルの役割やリーダーシップについて理解する。 | |
22 | 第22回 | 組織の戦略形成プロセス | 現実の企業(組織)では、上記トップやミドルその他のメンバーも含め、多様な人々が経営戦略の策定や実行に関与しながら、複雑なプロセスを形成している。こうした観点から、ここでは、様々な企業事例を取り上げ、組織とそのメンバーの戦略形成プロセスについて、具体的に理解する。 | |
23 | 第23回 | 戦略的学習 | 現代的な経営戦略の考え方では、戦略が形成されるプロセスで最も重視されるのは、いわゆる「戦略的学習」である。環境に長期的に適応していくためには、組織やそのメンバーは、自らの行動によって、継続的に学習を行っていくことが求められる。ここでは、戦略の実行を通じて、組織がどのように学習するのかについて理解する。 | |
24 | 第24回 | 戦略的学習 | 引き続き、戦略的学習について考察する。戦略の実行プロセスにおいて、組織やそのメンバーは、様々なことから学習する。組織内の出来事や人々から学習することもあれば、組織内だけではなく、必要に応じて、組織外の顧客や他社からも学習することもあろう。ここでは、様々な企業事例を取り上げ、顧客や他社からの学習について理解する。 | |
25 | 第25回 | 経営戦略論の新展開 | 従来の経営戦略論は、戦略策定に際し精緻な分析手法を求める考え方であった。それに対し近年、分析・策定だけでなく、組織(メンバー)が実際に戦略を実行・実現していくプロセスを考察しようとするアプローチが主張され、特に組織の経営資源やそれらを基に形成された能力の視点から経営戦略を考察しようとする、「資源ベースの戦略論」なるものが台頭している。ここでは、その考え方について理解する。 | |
26 | 第26回 | 経営戦略論の新展開 | 最近、いわゆる「サプライ・チェーン・マネジメント」の議論も盛んに行われている。サプライ・チェーンとは、顧客-小売-卸-製造-部品・資材サプライヤ等の供給活動の連鎖構造であり、そのチェーン(連鎖)全体をいかに最適化するかがマネジメントの重要課題とされている。ここでは、それらサプライ・チェーンについて、戦略的視点から理解する。 | |
27 | 第27回 | 経営戦略論の新展開 | 製品やビジネス・プロセスなどを、構成部品や工程、或いは部分的プロセスなどに分割し、それらに機能を配分して、それによって必要となる部品(工程)・プロセス間のインタフェースをいかに設計(アーキテクチャ)するかについて検討する、いわゆるアーキテクチャ研究も最近、盛んである。ここでは、アーキテクチャのタイプ及び、その設計思想や構想などの、戦略的な意味・意義を理解する。 | |
28 | 第28回 | 経営戦略論の新展開 | 最近の様々な企業事例から、プラットフォーム・ビジネスなる事業モデルが析出されている。プラットフォーム・ビジネスとは、誰もが明確な条件で提供を受けられる商品やサービスの供給を通じて、第三者間の取引を活性化させたり、新しいビジネスを起こす基盤を提供したりする役割を、ビジネスとして行っている存在のことである。ここでは、このプラットフォーム・ビジネスの事業戦略について理解する。 | |
29 | 第29回 | 経営戦略論再考 | これまで見て来たように、経営戦略と経営(企業)組織は、当然ながら密接な関係を持っている。経営戦略とは、組織が環境に適応していくための、いわば設計図であり、進むべき方向、資源展開のパターンなどを定めたものである。そして、この戦略を実行していくのが組織である。講義の最終段階では、経営戦略とともに組織にも焦点を当て、戦略と組織との関係、戦略を実行する際の組織のあり方、組織メンバーの戦略行動などについて今一度、再考する。 | |
30 | 第30回 | 全体総括 | 講義内容全般にわたり復習し、その全体的な理論体系について総括し理解する。 |