科目一覧へ戻る | 2024/01/18 現在 |
開講科目名 /Class |
経営組織論特殊講義/Advanced Lecture on Organization Theory |
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授業コード /Class Code |
J003431001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
金4(前期),金4(後期)/FRI4(SPR.),FRI4(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
福井 直人/FUKUI NAOTO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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福井 直人/FUKUI NAOTO | 経営学部/Business Administration |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本科目経営組織論特殊講義は、経営学の基本的知識が修得済みであることを前提として、企業組織の管理に重点をおいて知識を深めることを目的とします。そして、学生諸君が経営組織の概念や理論を理解することを目指します。企業をはじめとする組織の活動は、そこで働く人々を共通目的のために方向づけることで機能しています。この共通目的の達成のために、組織全体の仕事をどのように人々で分担(分業)し、かつそれらを纏め上げるか(調整)を考える学問領域こそが、経営組織論です。すなわち、組織の構造はどのように作られるか、組織はどのようなプロセスで動いているか、またそれを管理するために経営者は何をしなくてはならないかを、経営学の諸学説を検討するなかで学びます。 本科目は通年科目であり、前期と後期とに分かれます。前期は経営組織論の概論的内容について学びます。後期はその発展的内容にまで踏み込んでいきます。前期後期で各1冊、計2冊の教科書を使用するので、両方とも購入し授業に臨んでください。 経済学研究科におけるDPとの関連でいえば、 経営組織の専門的知識を習得するという点で「DP1:知識・理解、経済学・経営学に関する高度な専門知識を有する。」「DP2:思考・判断、経済学・経営学の学問領域の高度な研究方法をもって、自ら設定した課題を総合的に考察することができる。」がかかわってきます。また現代は組織社会であることを鑑みると、本科目の内容は企業組織を超えて社会に通ずるものとなります。ゆえに「DP3:関心・意欲、修得した高度な専門知識を社会で応用することに関心があり、社会の発展に貢献したいと考えている。」につながります。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.経営組織の基礎的概念について説明できる。 2.組織変革に成功した企業の情報を独力で収集できる。 3.身近な組織(家庭、サークル、アルバイトなど)に本科目の知見を応用し実践できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
経営組織、組織構造、組織過程、組織成果 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
各回1章ずつ教科書を読み進めます。各回1名ずつ報告者を割り当てますので、報告者は1つの章についてレジュメを作成し報告することが求められます。報告者以外の人も必ず教科書は熟読してきてください。その内容についてディスカッションを行いたいと思います。もちろん難しい内容については福井から説明することもあります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
経営学の内容全般を復習しておいてください。本科目と非常に関連性の高い科目は経営学原理特殊講義ですので、そちらも併せて受講ください。 ※受講を検討されている方には、前期の教科書を事前に読んでみることを強く推奨する。その内容の理解が少しでもできるようであれば受講を歓迎するが、まったく理解ができない場合などは担当教員(福井)まで一度相談していただくことが望ましい。やはり初学者(経営学を学んだことのない人など)には厳しい内容ではないかと思う。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前に教科書の指定された箇所を読み、分からない語は辞典で調べる。(目安として1時間) 事後に配布資料およびノートを見直す。必要に応じて教科書に立ち返る。(目安として1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
とくにありません。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
報告25%、各回の小課題25%、期末レポート50% 期末レポートでは、現実の企業における実態と学術的な理論の往復ができるかという観点から、論述問題を出題します。問題は教科書の章末問題におそらく準じます。 |
テキスト /Required Texts |
前期使用:上林憲雄・庭本佳子編(2020)『経営組織入門』文眞堂。(2,090円) 後期使用:高尾義明(2019)『はじめての経営組織論』有斐閣。(2,090円) |
参考図書 /Reference Books |
安藤史江・稲水伸行・西脇暢子・山岡徹(2019)『ベーシックプラス経営組織』中央経済社。(2,640円) 鈴木竜太(2018)『経営組織論』東洋経済新報社。(2,420円) 鈴木竜太・服部泰宏(2019)『組織行動』有斐閣。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 経営組織論への招待 | 前期使用の教科書を概観しつつ、経営組織論とはどのような学問かを説明します。 | |
2 | 第2回 | 経営組織とは(組織入門) | 組織がなぜ必要とされるのか、また組織を維持・存続させるためには何を行わねばならないかを検討します。(教科書第1章) | |
3 | 第3回 | 組織の基本原理(組織構造) | 組織における分業と調整のあり方について考えます。(教科書第2章) | |
4 | 第4回 | 物事を決める(意思決定) | バーナード組織論とサイモン意思決定論を中心に、限定合理性を克服すべく組織的意思決定がいかになされるかを学習します。(教科書第3章) | |
5 | 第5回 | メンバーのやる気を高める(モチベーション) | 組織のメンバーのやる気をいかに高めるか、モチベーション論を中心に考察します。(教科書第4章) | |
6 | 第6回 | メンバーを引っ張る(リーダーシップ) | 組織のメンバーを組織目的に向けるために、いかに影響を及ぼしていくか、リーダーシップ論の観点から考えます。(教科書第5章) | |
7 | 第7回 | チームを組む(チームワーク) | 複数の人々による協働をいかにして促進させるか、チームワークの観点から考えていきます。(教科書第6章) | |
8 | 第8回 | 組織の形を変える(組織形態) | 環境や戦略に応じて、組織の形をどのように設計するかを検討します。(教科書第7章) | |
9 | 第9回 | 文化を捉える(組織文化) | 組織のメンバーに共有された意味の体系である組織文化について、その定義や機能を学びます。(教科書第8章) | |
10 | 第10回 | 情報・知識を捉える(知識創造) | 組織がいかにして情報を処理し、知識を創造するのかを学びます。(教科書第9章) | |
11 | 第11回 | 革新をおこす(イノベーション) | 組織におけるイノベーションの意義について確認し、いかにしてイノベーションを促進するかを考えます。(教科書第10章) | |
12 | 第12回 | 他組織と協力する(ネットワーク) | 組織は単独で活動するのではなく、他の組織と協働することもあります。この章では組織間関係をネットワークの観点から分析します。(教科書第11章) | |
13 | 第13回 | 組織を変える(組織変革) | 組織は環境変化に応じて、その構造や文化を変革することに迫られます。この章では組織変革のあり方について学びます。(教科書第12章) | |
14 | 第14回 | 経営組織論を学ぶ視点(学問論) | 諸科学における経営学の位置づけを確認するとともに、経営学における経営組織論の役割を熟考します。(教科書補章) | |
15 | 第15回 | 前期の総まとめ | 前期ここまでの14回を振りかえるとともに、実際の企業において経営組織論の知見がいかに役立つかを事例を交えて説明します。 | |
16 | 第16回 | 前期の復習および後期のスタート | 後期使用の教科書を開始し、なぜ組織について学ぶのか、組織にはどういった側面が存在するかを再確認します。(教科書序章) | |
17 | 第17回 | 組織の定義 | ここから数回は、バーナードによる組織論を学びます。まずは同氏による組織の定義から入り、組織の本質を捉えます。(教科書第1章) | |
18 | 第18回 | 組織目的 | バーナードによる組織成立の3要件を確認し、この回ではそのうち組織目的について学びます。同時に組織均衡論の考え方も紹介します。(教科書第2章) | |
19 | 第19回 | コミュニケーションと調整 | 組織のコミュニケーションという観点から、組織における分業と調整のあり方を考えます。(教科書第3章) | |
20 | 第20回 | 貢献意欲 | ともすれば組織目的と個人目的は一致しないことが多いですが、組織メンバーから貢献意欲を引き出すには何が必要かを考えます。(教科書第4章) | |
21 | 第21回 | 合理システムの設計 | 最も合理的な組織の理念型とされる官僚制組織のの設計原理について学びます。(教科書第5章) | |
22 | 第22回 | 自生的システムの設計 | 非公式組織や人的ネットワーク、組織文化といった自然発生的に生まれる組織現象について学習します。(教科書第6章) | |
23 | 第23回 | 組織プロセス | 組織の中の人間行動として、リーダーシップやコンフリクト、グループダイナミクスといった概念について学習します。(教科書第7章) | |
24 | 第24回 | 経営資源としての変化する人 | 組織に所属する人そのものについての理解を深めるため、モチベーションや組織社会化、経験学習といった概念について検討します。(教科書第8章) | |
25 | 第25回 | 環境と組織 | 組織が環境にいかにして適応してその形を変えるか、コンティンジェンシー理論や資源依存理論に注目して議論します。(教科書第9章) | |
26 | 第26回 | 戦略と組織学習 | 戦略と組織の連関についてチャンドラーによる見解を理解した後、組織による能動的学習である組織学習の概念を学習します。(教科書第10章) | |
27 | 第27回 | イノベーションと組織 | イノベーションを創出するためには組織の構造やプロセスをいかに管理するかを考えます。また、組織間関係についても言及します。(教科書第11章) | |
28 | 第28回 | 変化を続ける組織 | 持続的イノベーションと破壊的イノベーションを両立させるためには何が必要か、両利きの経営に関する議論について検討します。 | |
29 | 第29回 | 組織行動論の考え方 | 担当教員の専門領域に近い組織行動論について、最新の研究潮流を俯瞰的に捉えます。この回は論文を配布するので教科書は使用しません。 | |
30 | 第30回 | 後期の総まとめ | 後期ここまでの14回を振りかえるとともに、実際の企業において経営組織論の知見がいかに役立つかを事例を交えて説明します。 |