科目一覧へ戻る | 2024/01/18 現在 |
開講科目名 /Class |
労働経済学特殊講義/Advanced Lecture on Labor Economics |
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授業コード /Class Code |
J003091001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月3(後期),月4(後期)/MON3(AUT.),MON4(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
岡本 弥/OKAMOTO HISASHI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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岡本 弥/OKAMOTO HISASHI | 経済学部/Economics |
授業の方法 /Class Format |
演習 |
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授業の目的 /Class Purpose |
大学院修士課程レベルの労働経済学(論)について解説を行う。 使用する教材の各章ににおいて、重要な点の説明を行う。使用予定教材は経済理論に重心を置いて書かれているが、必要に応じて実証に関する論文についても補足的に解説を行う。 また、受講者の習熟度を高めるため、数回に一度、教員と立場を入れ替え。レジュメ作成+解説をお願いする。 DP(学位授与方針)の「2.経済理論の基礎を修得し、日常の経済生活や経済全体の動向について理論的に理解できる」ことを目的とする。 なお、この教科の担当者は金融機関で融資渉外業務に約6年従事した実務経験のある教員であり、自らの体験を踏まえつつ、労働経済学の主な分析対象である賃金の決定メカニズムや人的資本蓄積について歴史や制度の影響といった現実的な視点を織り交ぜて解説を行う。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
以下の2つを目標としたい(ちなみに(2)はやや意欲的な目標といってよい)。 (1)需要曲線と供給曲線の扱い方に習熟し、それらを用いて労働経済学の分析対象となる様々な市場活動(内部労働市場+外部労働市場)を説明できるようになる。 (2)経済理論が示唆する経済行動が妥当か検証するためにどのようなデータが必要なるかをイメージできるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
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授業の進め方 /Method of Instruction |
毎回、各章の主要なトピックについて解説する。加えて、先に述べたように、履修生の習熟度を高めるため、レジュメを作成し、自ら解説するといった形のセッションも必要に応じて実施したい。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
毎回の授業終了後、特に数学の証明について2時間程度かけて、自力で再現できるチェックする機会をもつことを強く勧める。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
単位取得が必要なものについては、学期末にタームペーパーの提出を義務付ける。具体的な内容および期限については、初回の講義の際に伝達することとする。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
報告(60点満点)とタームペーパー(40点)により評価を行う。 |
テキスト /Required Texts |
Borjas,G,J.(2015) Labor economics(7 th edition),McGraw-Hill Education |
参考図書 /Reference Books |
大竹文雄(1998)『労働経済学入門』日経文庫 川口大司(2017)『労働経済学 理論と実証をつなぐ』有斐閣 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回〜2回 | 講義概要の説明 第1章 Introduction to Labor Economics |
【講義概要の説明】 講義の進め方、評価、宿題など講義に関する重要事項の説明を行う。 【第1章 Introduction to Labor Economics】 労働経済学のテーマ、分析手法について概説する。 |
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2 | 第3回〜4回 | 第2章 Labor Supply | 労働市場における供給サイド(労働者)の行動について説明する。 | |
3 | 第5回〜6回 | 第3章 Labor Demand | 労働市場における需要サイド(企業)の行動について説明する。 | |
4 | 第7回〜8回 | 第4章 Labor Market Equilibrium(1) | 労働市場における均衡の決定メカニズムを詳しく説明する。 | |
5 | 第9回〜10回 | 第4章 Labor Market Equilibrium(2) | 賃金所得に対する課税や移民、自然災害が労働市場に与える影響を解説する。 | |
6 | 第11回〜12回 | 第5章 Compensating Wage Differenticials | 補償賃金格差理論に基づき、仕事(Job)の危険度および労働者の選好の異質性を考慮した場合の均衡がどのように決定されるか説明する。 | |
7 | 第13回〜14回 | 第6章 Human Capital(1) | 人的資本理論について解説し、教育の収益率について議論する。 | |
8 | 第15回〜16回 | 第6章 Human Capital(2) | シグナリング理論について解説し、人的資本理論とシグナリング理論の妥当性について議論する。 | |
9 | 第17回〜18回 | 第7章 Wage Structure | 標準的な賃金支払スキームである歩合給を念頭におきつつ、わが国の大企業と中心に浸透している年功的賃金システムの経済合理性について、主に後払い賃金仮説を用いて解説する。 | |
10 | 第19回〜20回 | 第8章 Labor Mobility | 移民が受け入れ側の国の経済に与える影響について解説する。 | |
11 | 第21回〜22回 | 第9章 Labor Market Discrimination(1) | 労働市場における差別を説明する代表的仮説であるベッカーの「嗜好による差別」仮説及びフェルプスの「統計的差別」仮説について詳しく説明する。 | |
12 | 第23回〜24回 | 第9章 Labor Market Discrimination(2) | 労働市場における差別の程度を計測するオハカ分解を説明し、観察される男女差別の形成に影響を与える要因を検証する。 | |
13 | 第25回〜26回 | 第10章 Labor Union | 労働組合が労働者(労働組合員)の賃金や企業の雇用水準、離職率に与える影響について解説する。 | |
14 | 第27回〜28回 | 第11章 Unemployment(1) | 失業の発生メカニズム及び効率賃金仮説など失業に関する諸仮説について概説する。 | |
15 | 第29回〜30回 | 第11章 Unemployment(2) | Job-Searchモデルについて詳しく説明する。 |