科目一覧へ戻る | 2024/01/18 現在 |
開講科目名 /Class |
財政学特殊講義Ⅱ/Advanced Lecture on Public Finance Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
J002871001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
水2(前期),水2(後期)/WED2(SPR.),WED2(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
平井 健之/HIRAI TAKEYUKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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平井 健之/HIRAI TAKEYUKI | 経済学部/Economics |
授業の方法 /Class Format |
講義と演習 |
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授業の目的 /Class Purpose |
【授業の概要】 わが国を含めて世界のほとんどの国の経済は、基本的には市場経済の仕組みにしたがっている。このような経済において、公共部門(政府)の果たす役割は今日ではさまざまな分野に及んでいる。この授業では、ミクロ経済学とマクロ経済学の理論を基礎にして、市場経済における公共部門(政府)の経済活動を理論的・実証的に分析し、公共部門(政府)のあり方について研究する。 そこで、財政・公共経済に関する経済学のテキストを選んで受講者の発表に基づき議論を行うとともに、受講者の理解が得られるように適宜、テキストの内容について解説を行う。 【授業の目的】 この授業の目的は、政府の経済活動を理論的に分析する能力を身に付けるとともに、市場経済において政府の果たすべき役割やさまざまな課題に対する政府の対応とその問題点について理解を深めることである。この授業は、経済学研究科のDPが示すように、経済学に関する高度な専門知識を有すること、さらに、経済学の学問領域の高度な研究方法をもって、自ら設定した課題を総合的に考察することを目指している。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
①財政をめぐる政府の経済活動を経済学の理論に基づいて分析し、評価することができる。 ②経済社会のさまざまな課題に対処するために、政府は、「何を行うか」、「どのように行えばよいか」について考えることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
市場の失敗、公共財、消費課税、所得課税、法人課税、自然独占、地方分権、財政赤字、公共投資、政府の失敗 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
受講生の研究テーマや予備知識・理解度に応じてテキストを選択し、輪読形式で受講生の発表と討論によって授業を進める。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
受講生はあらかじめ指定されたテキストの内容を予習することで報告の準備を行うこととする。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
毎回、報告のためにテキストの内容を予習するとともに、授業の内容は毎回連続しているので、授業内容の理解を深めるために、授業時間後の復習が求められる。予習と復習にそれぞれ5時間以上は必要である。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業内容に関するレポートの提出。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業での報告・討論の状況とレポートにより評価する。 |
テキスト /Required Texts |
未定。受講生と相談してテキストを決定する。 |
参考図書 /Reference Books |
土居丈朗 著『入門財政学 第2版』(日本評論社)、2021年 佐々木伯朗 編著『財政学 制度と組織を学ぶ』(有斐閣)、2019年 畑農鋭矢・林正義・吉田浩 著『財政学をつかむ 新版』(有斐閣)、2015年 西村幸浩・宮崎智視 著『財政のエッセンス』(有斐閣)、2015年 土居丈朗 著『入門公共経済学 第2版』(日本評論社)、2018年 小川光・西森晃 著『公共経済学 第2版』(中央経済社)、2022年 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回・第2回 | 経済分析の基本ツール | ①ミクロ経済学の基礎事項を学習する。 ②余剰の概念を学習する。 |
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2 | 第3回・第4回 | 経済分析の基本ツール | ①余剰の応用問題を考える。 ②厚生経済学の基本定理について理解する。 |
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3 | 第5回・第6回 | 公共財の理論 | ①公共財の自発的供給について学習する。 ②公共財の最適供給を実現するための供給方法を検討する。 |
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4 | 第7回・第8回 | 公共財の理論 | ①公共財の自発的供給について学習する。 ②公共財の最適供給を実現するための供給方法を検討する。 |
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5 | 第9回・第10回 | 消費に対する課税 | ①消費税の制度について学習する。 ②消費課税の転嫁と帰着について分析する。 |
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6 | 第11回・第12回 | 消費に対する課税 | ①消費課税の超過負担について理解する。 ②一般均衡の枠組みで、望ましい消費課税のあり方を検討する。 |
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7 | 第13回・第14回 | 所得に対する課税 | ①所得税の制度について学習する。 ②労働所得税の経済効果を分析する。 |
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8 | 第15回・第16回 | 所得に対する課税 | ①望ましい労働所得課税のあり方を検討する。 ②利子所得課税の経済効果について分析する。 |
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9 | 第17回・第18回 | 法人に対する課税 | ①法人税の制度について学習する。 ②法人税が企業の投資や資金調達に及ぼす影響を分析する。 |
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10 | 第19回・第20回 | 自然独占と規制 | ①自然独占産業における政府による規制の根拠を理解する。 ②自然独占産業における規制のあり方について検討する。 |
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11 | 第21回・第22回 | 地方財政と政府間財政関係 | ①国と地方の財政関係について学習する。 ②地方税の制度について学習する。 |
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12 | 第23回・第24回 | 地方財政と政府間財政関係 | ①地方公共財の理論を学習する。 ②望ましい政府間の補助金政策のあり方について検討する。 |
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13 | 第25回・第26回 | 財政赤字の経済分析 | ①財政赤字の負担をめぐる理論について学習する。 ②財政赤字の持続可能性について分析する。 |
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14 | 第27回・第28回 | 公共投資 | ①公共投資の経済効果について学習する。 ②最適な社会資本の供給のあり方について検討する。 ③公共投資の費用便益分析について学習する。 |
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15 | 第29回・第30回 | 政府の失敗 | ①政治過程における政府の意思決定のあり方を経済学的に分析する。 ②政府の失敗について理解する。 |