科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
哲学概論 (資格)/Outline of Philosophy |
---|---|
授業コード /Class Code |
G000302002 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
資格用科目/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年/FULL-YEAR |
曜日・時限 /Day, Period |
火5(前期),火5(後期)/TUE5(SPR.),TUE5(AUT.) |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
平光 哲朗/HIRAMITSU TETSUROU |
科目区分 /Course Group |
【資格に関する科目】 〈教職課程に関する科目〉/*** COURSES FOR CERTIFICATION *** 〈TEACHER TRAINING COURSES〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
平光 哲朗/HIRAMITSU TETSUROU | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
≪前期≫ ≪主題≫ 問いからはじめる哲学 ≪目的≫ 本講義では、哲学的な疑問から出発して、著名な哲学者たちの考察のなかへ入っていきます。それにより受講者は考える力を養い、哲学の基礎的な考え方を獲得します。 私たちは、日常に訪れるふとした隙間のなかで、哲学的な疑問を持つことがあります。この講義では、そうした疑問のいくつかを受講者と一緒に考えます。 例えば夜寝る前、こんな風に考えたことはないでしょうか。「…このまま眠って、もし目覚めることがないなら、それが死ぬということだろうか。明かりが消えるように私の意識も消える…」。こうしたぼんやりとした疑問を、さらに著名な哲学者たちの考察のなかに置き直して考えます。 また例えば、夢と現実の区別についての疑問では、デカルトの省察を導きの糸にします。そうすることで受講者は、おそらく極端と思われるような結論に行き当たることでしょう。 本講義で取り上げる哲学者たちは、それぞれに考察を極限まで推し進めたことで、私たちの足元に大きな穴がぽっかりと開いていることに、気づかせてくれます。 この講義全体を通して、小さな哲学者が受講者一人ひとりのなかに生まれることを期待しています。 ≪後期≫ ≪主題≫ 西洋哲学の歴史を辿る ≪目的≫ 本講義では、古代ギリシヤに端を発した西洋哲学の流れを、現代の手前まで辿ります。それにより受講者は、理性を中心においたものの考え方の始まりからひとつの終わりまでを、さまざまな哲学者たちとともに、自ら辿り直すことになります。受講者は、哲学者たちが生み出してきた、それぞれに独創的な思考の体系のなかに身を置き、自分でも彼らと同じ問いを考え、議論の展開につき従います。そうすることで、受講者が自分で問いを立て、問題の前提を考察し、議論を展開するときに必要になるものの考えかたの、最も徹底された諸形態を学びます。 講義では、各回のテーマについて、最も肝心な問いに焦点を絞って論じます。参加者が、その問いを引き継いで思索を深め、自ら探究をはじめることを期待します。 本講義は、人文学科DP1、2、4、5、7、8、9に対応しています。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
≪前期≫ 問いを持つ。 問いについての自分の考えを展開できる。 哲学者たちの議論を適切に理解できる。 哲学者たちの議論のなかに自分の問いを位置づけることができる。 ≪後期≫ 哲学者たちの思考を体系的に理解し、説明できる。 西洋哲学の基礎知識を獲得する。 哲学者たちの問いと考察を受けて、自らの問いを立てることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
|
授業の進め方 /Method of Instruction |
これは講義です。受講者は講義を受けて考えたことを毎回コメントとして記述します。その内容を、教員が次回講義の冒頭で紹介します。それにより、受講者のみなさんが考えたことを、受講者全体で共有します。そうすることで、受講者がさらなる考察への刺激と啓発を互いに与え合うことができるようにします。こうした双方向的で相互的な授業過程をとおして、受講者のみなさんが問題の理解を深め、自発的に考察を続けていくよう促します。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
|
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事後学習として、講義内容について自らの考察を深める(目安として1時間程度) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義各回についてのコメント記述とレポート課題。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
講義内容の理解度と考察(75%)、レポート課題(25%) |
テキスト /Required Texts |
|
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | ガイダンス 私はいま夢を見ているのではない、と知ることはできるか |
デカルトによる省察。方法的懐疑における夢の懐疑について。 | |
2 | 第2回 | 私はいま夢を見ているのではない、と知ることはできるか | ベルクソンにおける現実と夢の違い。身体と夢。 | |
3 | 第3回 | 私たちは自由か | 決定論について。スピノザにおける必然主義。 | |
4 | 第4回 | 私たちは自由か | ライプニッツにおける可能世界論。 | |
5 | 第5回 | これまでの問いのレビューと討議 | 受講者による第1回から第4回の問いへの考察と討論。 | |
6 | 第6回 | 心と体の関係について、または魂は存在するか | デカルトにおける精神と身体の二元論、スピノザの平行説。 | |
7 | 第7回 | 心と体の関係について、または魂は存在するか | 現代の脳科学における諸前提について。ベルクソンの心身関係論。 | |
8 | 第8回 | 死とは何か | ソクラテスと死。 | |
9 | 第9回 | 死とは何か | ハイデガーによる死の考察。 | |
10 | 第10回 | これまでの問いのレビューと討議 | 受講者による第6回から第8回の問いへの考察と討論。 | |
11 | 第11回 | 私はなんのために生きているのか | アリストテレスにおける最高善について。 | |
12 | 第12回 | 私はなんのために生きているのか | ニーチェにおけるニヒリズムについて。 | |
13 | 第13回 | 神は存在するか | 世界を創造する神と世界に内在する神。 | |
14 | 第14回 | 神は存在するか | 神の死について。 | |
15 | 第15回 | これまでの問いのレビューと討議 | 受講者による第11回から第14回の問いへの考察と討論。 | |
16 | 第16回 | 哲学とは何か | ギリシヤにおける哲学の始まり。ソクラテス以前の哲学者たちについて。 | |
17 | 第17回 | ソクラテス | 無知の知、問答、ソクラテスの死。 | |
18 | 第18回 | プラトン | イデア、想起説、哲人王。 | |
19 | 第19回 | アリストテレス | 形相と質料、自然学、形而上学。 | |
20 | 第20回 | 中世哲学 | 神学、普遍論争、トマス・アクィナス。 | |
21 | 第21回 | ルネサンス期の哲学 | ルネサンス、宗教改革、科学革命。 | |
22 | 第22回 | デカルト | 理性、方法的懐疑、「我思う故に我在り」。 | |
23 | 第23回 | スピノザ、ライプニッツ | 実体、神即自然、モナド。 | |
24 | 第24回 | ロック、バークリ、ヒューム | ロックの認識論、バークリの観念論、ヒュームの批判。 | |
25 | 第25回 | カント | 理性批判、コペルニクス的転回、二律背反。 | |
26 | 第26回 | ヘーゲル | 弁証法、歴史、絶対知。 | |
27 | 第27回 | キルケゴール | 実存の三段階、単独者、信仰。 | |
28 | 第28回 | マルクス | 物象化、史的唯物論、革命。 | |
29 | 第29回 | ニーチェ | 「神は死んだ」、力への意志、永遠回帰。 | |
30 | 第30回 | 総括 | 講義全体のレビューと総括。 |