科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
美術演習/Seminor on Art |
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授業コード /Class Code |
A005001501 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
共通教育科目/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月1(後期)/MON1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
岸本 吉弘/KISHIMOTO YOSHIHIRO |
科目区分 /Course Group |
【共通教育科目】 〈リベラルアーツ領域〉/*** GENERAL EDUCATION COURSE *** 〈LIBERAL ARTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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岸本 吉弘/KISHIMOTO YOSHIHIRO | 人文学部/Humanities and Sciences |
授業の方法 /Class Format |
演習・実技(対面式授業を前提とします) |
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授業の目的 /Class Purpose |
「絵を描く」ということについて、どのような経験やイメージを持っているでしょうか?小学校の図画工作の時間や、中学校の美術授業を思い出す人も多いのではないでしょうか。上手く描けずに「自分には向いていない」と思っている人もなかにはいるかもしれません。古来、絵画は愛おしい人や大切な物などを描きとめ、記録として残す重要な役割を担ってきました。また近代以降はその表現に拡がりが加わり、種々様々な絵画表現が登場してきます。つまり「絵」は上手いや下手という価値判断だけでは決してなく、「何を表現しようとしているか?」という主体的ななモチベーションや情熱的な姿勢こそが重要視されるとも言えます。本授業では絵画制作を通じ、豊かな感性と表現力を養い、また必要な技術・知識を得ることを目的としています。 それらは全学DPにある(知識・技能)(思考力・判断力・表現力等の能力)(主体性を持って多様な人々と共同して学ぶ態度)と深く連動するであろうものなのです。 尚、この授業の担当者は30年近くにわたり、画家として抽象絵画の創作に専念し、個展やグループ展など国内外での発表活動も多く、国内での主要美術館にも作品収蔵もあり、かつ美術批評的な活動も併せて展開している実務経験のある教員であるので、より実際的な観点から授業展開及び制作指導をすることが可能であり、その上でアクティヴ・ラーニング(能動的・積極的な学び)の場の提供も可能となります。 また、シラバスについては、折々の制作の進捗状況によって、順序や内容を変更する場合があります。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
絵画の実制作を主軸に、題材やテーマをどう解釈し、その絵画的(造形性・構図・色彩など)特性をどう判断・理解するか、そしてそれらを実践制作に結びつけ、自分らしい「ものの見方」や「感じ方」などの価値基準をもって作品を具体的に制作する力、すなわち「高度な創造力・表現力」を得ることが本授業の目標であり、これは「自立した自己の育成」にも深くつながります。またそうした「力量」は芸術表現分野での活用に留まらず、他の学術分野への主体的な理解や態度、また日常生活においても役立つものなのです。 |
授業のキーワード /Keywords |
絵画、デッサン、写実絵画、抽象絵画、現代美術、自己表現、色彩表現、イメージ, 鑑賞 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
本授業は演習(実技)の授業として行います。演習内容の紹介や導入、その後の創作時間、最終的には完成作品を一堂に並べての合評会を開催します。各授業回の質問や感想等は必要に応じ出席カードに記入して下さい。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
汚れて良い服装で受講するか、もしくは作業着を持参し着替えた上で受講して下さい。また受講するに当たり鉛筆や絵具類の購入など、最低でも3000円程度以上の材料費が必要となります。購買店にてそれら全ては購入可能です。(授業内において次回授業の必要材料等は指示します。)美術や表現することに関して、積極性のある学生を求めます。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
自らが制作するだけでなく、なるべく多くの美術館に脚を運び、絵画作品の実物を見るようにしてください。実際の作品には多くの多義的な情報量があり、創作の参考になると同時に、自身の感性を磨くことにも繋がります、お薦めの展覧会等の情報は授業中に伝えます。この美術館見学は授業時間外に各自で必要な時期に行ってください。(1時間以上かけてじっくりと展示全体を鑑賞し、その中から興味・関心がある作品を選び、その作品の特徴や意義、創作理念や技法などをじっくりと観察してみるのがポイントです。展示会場にある作品説明キャプションや音声ガイド、展示カタログもその手助けとなることでしょう。) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
・本授業内で大きくは2つの課題(表現演習Ⅰ、Ⅱ)を課します。その作品(指定の画用紙サイズによる)提出が必須となります。 また完成作品のみならず、その制作プロセスも重要視します。 尚、適宜フィードバックなども行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
平常点(参加度、態度等:30%)、作品提出2課題(70%) |
テキスト /Required Texts |
資料などを配布します。 |
参考図書 /Reference Books |
岸本吉弘著「絵画 新たなる物語のために」晃洋書房、2018年 他に美術基礎やデッサン基礎のような実技入門書(美術出版社刊など)も必要に応じ参照ください。色々な技術的なヒントを得ることも可能です。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 1 | 美術表現とは(導入1) | 絵画史(具象絵画や写実絵画を中心)の概要のスライド講義をし、絵画の根源や発祥から、美術表現の多様性を学びます。 | |
2 | 2 | 美術表現とは(導入2) | 美術実技の特性や魅力などを講義し、次回からの授業紹介(導入)・準備物の指示します。 |
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3 | 3 | 表現演習Ⅰ リアルさの探求1 |
鉛筆の削り方から、グラデーション作成を実践します。 | |
4 | 4 | 表現演習Ⅰ リアルさの探求2 | 陰影のつけ方(明暗グラデーション)を作成し、立体らしさを表現することを学びます。 |
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5 | 5 | 表現演習Ⅰ リアルさの探求3 | 自画像デッサン1:頭部の構造(骨格や筋肉)を量感として明暗対比の中で鉛筆デッサンし(四切サイズ画用紙)、対象を観察することを学ぶ。 |
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6 | 6 | 表現演習Ⅰ リアルさの探求4 | 自画像デッサン2:描写密度を高め、完成を目指す。 |
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7 | 7 | 表現演習Ⅰ リアルさの探求(合評会) | 皆さんの完成作品(自画像デッサン)を一堂に並べて、比較相対化するなかで個別作品の評価を行う。教員からの一方通行的な指導だけでは無く、学生からの作品プレゼンテーション的な意味合いも併せ持ち。本授業前半(リアルさの探求)としての振り返りもし、総括とする。 |
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8 | 8 | 表現演習Ⅱ 導入 | 20世紀以降の絵画史(抽象絵画や現代美術作品を中心)のスライド講義に加え、美術実技の特性や魅力などを講義し、次回からの授業紹介(導入)・準備物の指示する。 |
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9 | 9 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求1 | モダンテクニック演習:色彩(アクリル系絵具などの水性絵具など)を使用して、絵具表現(色彩表現)の可能性を探る、ドリッピング(跳ね飛ばし)やステイニング(にじみぼかし)などの様々な抽象的表現効果を実践し、自身の感覚を画面上で解放させる。 | |
10 | 10 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求2 | イメージトレーニング1:「四季のイメージ」(四切サイズ画用紙)に自己表現(上記のモダンテクニックなども表現効果として活用しながら)を実践する。色や形や構成などを具体的に発想しながらも、自身の無意識下にある感覚値も表面化できるように工夫する。 |
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11 | 11 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求3 | イメージトレーニング2:「四季のイメージ」(四切サイズ画用紙)の密度を高め、完成へと向かう。 |
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12 | 12 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求4 | 抽象的自画像1:四切サイズ画用紙に自己表現(上記のモダンテクニックなども表現効果として活用しながら)を実践する。色や形や構成などを具体的に発想しながらも、自身の無意識下にある感覚値も表面化できるように工夫する。 |
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13 | 13 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求5 | 抽象的自画像2:密度を高め、完成へと向かう。 |
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14 | 14 | 表現演習Ⅱ 表現性の探求(合評会) | 完成作品(四季のイメージと抽象的自画像の2作品)を一堂に並べて、比較相対化するなかで個別作品の評価を行う。教員からの一方通行的な指導だけでは無く、学生からの作品プレゼンテーション的な意味合いも併せ持ち。本授業後半(表現性の探求)としての振り返りもし、総括とする。 |
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15 | 15 | 美術鑑賞について(まとめ) |
これまでの本授業での実践的な経験値をベースにし、鑑賞授業を実施する。絵画の感じ方や考え方、見方なども踏まえ、グループディスカッション形式で意見交換をする場も提供し、美術作品を鑑賞することの意味や意義を認識する。 |