科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
日本の歴史と文化Ⅰ/Japanese History and Culture Ⅰ |
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授業コード /Class Code |
A000162502 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
共通教育科目/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火1(後期)/TUE1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
新田町 義尚/NITTAMACHI YOSHINAO |
科目区分 /Course Group |
【共通教育科目】 〈リベラルアーツ領域〉/*** GENERAL EDUCATION COURSE *** 〈LIBERAL ARTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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新田町 義尚/NITTAMACHI YOSHINAO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講義は、共通教育科目DPが示す「文化・社会・自然に関する広く豊かな知識を備え、それを社会に役立てることができる」ことを目的とする。 日本古代史の概観を学ぶ。氏族制度から律令制度への転換に伴う政治・法制度・社会の進展とそれに伴う文化的な変容と統合の展開過程を史料の記述から読み取る。日本古代における対外関係の影響、社会変動と神仏習合から「日本の原点を知る」「日本の誕生」を探る。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.日本古代国家の成立、奈良時代史の概観を理解できるようになる。 2.氏族制から官僚制への流れ、律令の特色と歴史的意義を理解できる。 3.歴史資料や美術・建築の表現的特質から白鳳・天平期の文化的特色を理解できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
律令国家「日本」の誕生 飛鳥・白鳳・天平の美と精神 古代の神仏習合と東大寺大仏 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義形式で行います。教室では座席指定です。感染対策を考え、隣を1席空けて着席。座席表が教室内掲示されますので、それを確認して指定の席についてください。毎時間、出席を取り、授業シート記入をしてもらいます。授業スライドに従ってプリントに記入をしていきながら、自分の意見やまとめを加えて完成させます。できるだけ学生の意見や質問を反映させる双方向形式を取り入れたいと計画しています。学生同士で授業シートを使っての4~5人程度のグループでの意見交換の時間(20分以下にとどめます)を設定し、授業のまとめの記入をして仕上げて最後に提出という流れです。ただし、今後の社会状況の変化を見ながら安全を最優先させて対面授業を実施しなければなりませんので、グループでの意見交換などの実施可否は状況を見て判断し、講義のみを行うという場合もあり得ます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
日本史についての知識は前提として必要ありません。高校時代に日本史を履修していなかった人に対してもわかりやすいように、基礎から専門用語を説明します。この授業は、毎回キーになる専門用語を取り上げ、それを中心に解説をするかたちで進めます。日本法制史(古代)を軸にしながら、日本古代の歴史と古代宗教・美術・日本語などの複数の分野がまたがる学際的な領域を扱います。どの学部・学科の人にとっても、これからグローバルな異文化交流の時代に、自分たちがいま生きているこの「日本の原点」を知るため、とても有益です。ぜひこの機会に日本古代史について積極的に学んでみてください。すでに高校時代に日本史Bなどを履修していた人は、シラバスの授業予定に従って、高校時代に使った日本史の教科書や、山川出版社「日本史用語集」などで、基本的な用語などをあらかじめ調べてから受講すると、さらに授業の理解が深まります。授業ではノートをしっかり作るようにしましょう。毎回の授業シート、プリントなどの課題にきちんと取り組むように。課題は短いものですが毎時間必ず出してもらいます。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事前学習として、毎回の授業内容に対応する項目について専門用語の意味を調べておく。高校時代に使った日本史の教科書、『日本史用語集』などを持っている人は再度利用する。(目安として60分)それらを持っていない人や日本史を履修していなかった人は電子辞書や事典類をフルに活用する。ノートに用語の意味や説明、人名や歴史的事件の解説を書いておく。インターネット検索で歴史の専門用語を調べることもよいが、その際にはどのサイト、ホームページから調べた知識なのか、必ず引用元(出典)のURL、最終更新日時と調べた日時(閲覧日・時刻)を記録しておく。復習として、授業内容を振り返り各自でノート作成する。学習事項をまとめておく。関連する文献、概説書等を読んでおくようにし、最後の試験(またはレポート)に備える。(目安として60分) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
原則、毎回の授業で小レポート課題を出す。分量は毎回異なりますが、短い場合は一語で答えるものにひとこと感想やコメントを自由に添える程度の場合もあります。対面授業では教室で、20分程度グループで意見交換しながら協働で課題を作成する時間を取ります。3回に1回程度は200字~400字程度の論述型とし、教室で提出またはオンラインでレポート提出してもらうこともあります。毎回、この小レポートの提出をもって出席とします。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
試験(状況によってはレポートに変更あるいは定期試験期間ではなく最終授業を試験に振り替える場合もあります。また連絡します)60%。毎回の授業で課す課題=小レポート(授業時間内と授業時間外オンライン提出の両方。授業時にはグループワーク参加や受講姿勢への評価を含む)40%。ただし出席回数が全体の3分の2以上に満たない場合は試験受験資格を失う。単位は認定しない。遅刻せず授業に出席し課題に取り組むことが基本的な要件。 |
テキスト /Required Texts |
テキストは使用しない。 |
参考図書 /Reference Books |
吉田 孝 (1997)『日本の誕生』(岩波新書)岩波書店 松岡正剛 (2006)『日本という方法』角川ソフィア文庫、 NHKブックス・日本放送協会出版 大津透ほか(2022)『もういちど読みとおす 山川新日本史 上』山川出版社 →高校時代に日本史を履修していなかった人は特にこの山川出版社のものを推奨する。 高校時代に日本史を履修していた人は、その日本史の教科書や年表を教室に持参して副読本として使用することをすすめる。 斎川 眞 (1999)『天皇がわかれば日本がわかる』(ちくま新書)筑摩書房 吉村武彦 (1991)『古代王権の展開』集英社版「日本の歴史 第3巻」 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 授業ガイダンス 序論 「日本」の誕生(国家・制度・対外関係) |
授業の進め方・成績評価方法など説明 歴史用語の基礎知識 「日本」の誕生 日本人の精神的原郷 日本文化の特質(主題/方法) |
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2 | 第2回 | 「律令国家」の成立 | 「律令」と古代日本 律令制とは 氏姓制度 氏族制から官僚制へ 古代日本の国家体制について 大宝律令 その成立と特色 |
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3 | 第3回 | 「冊封」体制 東アジア世界とヤマト王権 |
冊封とは何か 7世紀以前の東アジア古代世界 中華帝国の華夷秩序 「天皇」号と「日本」の呼称の由来 |
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4 | 第4回 | 推古朝の転換 遣隋使と厩戸王の時代 |
日本古代国家の成立 古代氏族共同体から中央集権国家へ 厩戸王(聖徳太子)の時代 600年と607年2つの遣隋使の謎 |
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5 | 第5回 | 「天皇」号と「日本」国号の成立 | 「天皇」「日本」とは何か 律令国家成立の思想的基盤 氏族制から律令制=官僚制への転換 儒教・道教・神祇信仰 |
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6 | 第6回 | 弥勒信仰とは |
仏教伝来 弥勒信仰の受容と展開 メシア救済思想 弥勒上生信仰と弥勒下生信仰 仏像彫刻 「救い」のイメージ |
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7 | 第7回 | 飛鳥・白鳳期の仏教美術 |
初期仏教・飛鳥文化の展開 渡来人と秦氏 広隆寺 白鳳美術の特色 法隆寺を支えた木について |
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8 | 第8回 | 神仏習合 古代日本の宗教・信仰 |
神仏習合とは 古代日本の神祇信仰と仏教 氏族的共同体の信仰 仏教伝来をめぐる政治的・文化的問題 仏教の受容・融合・日本的変容 |
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9 | 第9回 | 『古事記』について | 『古事記』より 「ヤマトタケル」伝承を読む 神話と叙事詩 古代王権と征服伝承 歌謡・儀礼・言霊 英雄譚の説話学的特徴 |
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10 | 第10回 | 日本語の歴史(古代編) | 『古事記』和化変体漢文から宣命体 訓読の成立 「かな」の誕生へ 古代日本語の特質 上代特殊仮名遣いとは 古代日本語八母音説 |
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11 | 第11回 | 白鳳文化から天平文化へ 基層信仰と外来文化の融合 |
観音信仰の受容と日本的展開 救いのかたち 阿弥陀浄土信仰へ 初期山岳仏教の特色 玄昉・行基・泰澄などの活動 |
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12 | 第12回 | 聖武天皇と国家仏教 | 聖武天皇と光明皇后の信仰と思想 『続日本紀』の時代 東大寺・大仏開眼への道 天平政治史の光と闇 |
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13 | 第13回 | 『古今和歌集」と平安朝国風文化の成立 | 紀貫之『古今和歌集』仮名序を読む 詩歌における「心」と「詞」 かなの成立 和文体と漢文体 『古今和歌集』の表現と解釈 |
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14 | 第14回 | 『日本という方法』(松岡正剛)+丸山真男「古層」論 | 総論 紀貫之の日本語改良と『古今和歌集』仮名序の文化的意義 和漢並立の文化様式 和風と手わざの方法 古代律令国家の解体・変質 |
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15 | 第15回 | まとめ 日本文化論への歴史的アプローチ | まとめ 「日本は主題の国ではなく方法の国である」(松岡正剛) 「歴史意識の古層を流れる共通の型」(丸山真男)最終の確認試験実施 |