科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
日本の歴史と文化Ⅱ/Japanese History and Culture Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
A000152001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
共通教育科目/ |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月4(前期)/MON4(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
用田 政晴/YODA MASAHARU |
科目区分 /Course Group |
【共通教育科目】 〈リベラルアーツ領域〉/*** GENERAL EDUCATION COURSE *** 〈LIBERAL ARTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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用田 政晴/YODA MASAHARU | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
本科目は、「考古学入門」をテーマに、講義を中心に対面授業で進めます。授業での質問等については、その場で可能な限り対応します。 【注意】コロナ禍の状況あるいは受講者数等によっては、授業の方法・内容ともに今後変更の可能性があります。その場合は、掲示・dotCampasあるいはMoodle・メール等でお知らせします。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本科目は、本学の共通教育センターがめざす、学生の「到達目標」に掲げられているように、受講生個々人が、①文化・社会・自然に関して広く豊かな知識を備えている ②学修した知識・技能を活用して社会と交わり、新しい価値を創造する ③生涯にわたって自発的に学び続けていく、および④高い倫理観・責任感を持って社会に貢献することができることをめざしています。 なお、「共通教育科目」とは、学部教育の基礎となる技能、専門を超えて将来社会人として必要とされる基礎的な思考力や基礎的な実践能力を育くむための科目群です。 本科目は、副題を『考古学入門』とする共通教育科目群の一つです。 この授業では、考古学の歴史や方法論、遺跡保存と歴史教育、各時代ごとの主要な課題を通じて日本の歴史と文化の一端を学ぼうとするものであり、広くアジアからの視点でも日本列島の歴史と文化を評価していく必要性も説く予定です。 なお、講義者は博物館に26年間勤務した実務経験のある教員であり、県史編纂事業や文化財保護行政などに関わった期間を加えると45年以上の考古学研究やその関連調査に従事してきました。講義ではそうした博物館や研究活動で得られた知識・体験等を交えた実務的教育なで構成します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
(1)考古学とは何か、その方法論はどのようなものかを説明できる(知識) (2)日本考古学の現状と課題を理解し、関連諸科学とアジアの歴史についての基礎を知る(知識) (3)歴史と文化をテーマにした文章(レポート)を論理的に、かつ正しく書くことができる(知識・技能) (4)歴史を学び、自分の将来像を描いてそれに向かって行動できる(企画・計画力) (5) これからの社会を支える人としての基本的な歴史の知識や社会生活での態度を育てる(習慣) |
授業のキーワード /Keywords |
考古学 埋蔵文化財 遺跡 遺物 保護 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
本科目は、講義を中心に進めます。講義の質問等については、その場の授業で講師が必要に応じて解説します。 初回授業では、考古学をテーマとする本講義の全体像を把握するためのオリエンテーション等を行います。 第2回から第6回の講義では、日本考古学の現状、方法論、学史と時代区分、歴史教育など、第7回以降は各時代ごとの主要なテーマを取り上げ、第13回から第15回は日本考古学との比較のためのアジア考古学の現状を取り上げます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
(1) 講義期間中に、下記参考図書に掲げた日本の考古学・古代史に関する岩波新書か岩波文庫・岩波現代文庫、あるいは講談社現代新書・講談社学術文庫等を最低1冊以上は読むように努めてください(掲げるものの一部を小テストあるいは課題レポートのテーマに出題予定です)。 (2)講義の中で興味を持った点などは、自分自身でも図書館等で積極的に調べるようにしてください。 (3)講義日程は事情により変更されることがあります。原則として事前の講義時にお知らせします。また、掲示・dotCampusあるいはMoodle・メール等でも連絡します。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
(1)毎回、講義資料を配布する予定で、次回のテーマも伝えますので下記参考図書等により予習をしておいてください(目安として20~30分)。また、事後学習として講義内容の重要な点をノートなどに整理しておいてください(目安として30~40分)。 (2)受講生は、できるかぎり身近にある古墳・城跡・集落跡などの遺跡を訪問し、説明資料等を熟読するなどして実践的に講義の補強を行うようにしてください。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
下記の2件の課題を出す予定です。 (1)小テスト2回 (2)課題レポート1回 作成にあたっては、可能な範囲において下記の指定図書等を参照してください。 レポート未提出あるいは出席回数が規定に満たない方は評価対象外とします。なお、提出期限を過ぎたレポートは受け付けません。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
以下の3点を勘案して総合的に評価します。 (1)適宜実施の小テスト(2回) 60% (2)課題レポート(1回)30% (3) 受講態度(出席カード記載事項等による積極性など)10% レポートの提出のない者、講義への出席が規定回数に満たない者(開始後5分以上の遅刻2回は欠席1回相当)等は評価対象外とします。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
以下の文献は安価なお薦め例です。その他、大学の図書館や県立・市立図書館等で自ら適切な本を探してください。 ・ 田中 琢2015『考古学で現代を見る』岩波現代文庫 ・ 都出比呂志2011『古代国家はいつ成立したか』岩波新書 ・ 近藤義郎2020『前方後円墳の時代』岩波文庫 ・ 広瀬和雄2010『前方後円墳の世界』岩波新書 ・ 石川日出志2010『農耕社会の成立』岩波新書 ・ 瀬川拓郎2017『縄文の思想』講談社現代新書 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス |
講義の進め方、内容を聴く。また、レポートの書き方やまとめ方、および評価基準・方法等について説明をきく。 | |
2 | 第2回 | 日本考古学の現状 | 考古学というイメージと実態が重なる部分と異なる部分を明らかにしながら、現代日本の中での考古学の現状を知る。 | |
3 | 第3回 | 考古学の方法論 | 考古学研究はどのような方法論・資料操作で科学的に行われるものなのか、型式学を基本に考古資料分析法を学ぶ。 | |
4 | 第4回 | 理化学的年代測定法 | 相対年代しか明らかにできない考古資料の絶対年代を知る方法として放射性炭素14年代測定法をはじめとする理化学的方法論の概略を知る。 | |
5 | 第5回 | 考古学史と時代区分 | 考古学の歴史を近代以前のヨーロッパから学び、時代区分の原理とその変遷から日本列島や人類の歴史区分について理解する。 | |
6 | 第6回 | 歴史教育と遺跡の保護 | 小学校・中学校の歴史教科書の記述を評価しながら考古学の現状を学び、また現代日本の開発と遺跡の保護・保存の関係を知る。 | |
7 | 第7回 | 縄文時代農耕論 |
かつては狩猟採集の時代であったとされる縄文時代は、すでに農耕が始まっていたという最近の成果とその評価について学ぶ。 | |
8 | 第8回 | 揺らぐ弥生時代年代論 |
放射性炭素14年代や年輪年代測定法の開発等によって、日本考古学における縄文・弥生・古墳時代の従来の年代観が大きく変わろうとしている実態を知る。 | |
9 | 第9回 | 前方後円墳の創出 |
古墳時代の始まりは前方後円墳の出現によって規定されることを知り、弥生時代墳墓との違いから社会構成体の変化を読み取る。 | |
10 | 第10回 | 爆発的に築かれた群集墳 |
6世紀を境にした古墳時代後期は、古墳造営の様相とその背景が大きく異なることを知り、その歴史的な意味を学ぶ。 | |
11 | 第11回 | 古代の鉄生産と塩生産 | 弥生・古墳時代から古代律令制期にかけて行われた鉄の生産と製塩について、その方法を学び、古代国家の関与を理解する。 | |
12 | 第12回 | 山岳信仰の考古学 |
自然崇拝にはじまる日本の信仰の歴史を考古学から学び、山岳寺院の歴史的変遷モデルを理解しながら神仏習合、修験道なども知る。 | |
13 | 第13回 | 東南アジア考古学紀行 |
東南アジアを代表する大河川メコン川流域のベトナム・ラオス・カンボジアにおける遺跡の保存と活用のありかたについて知る。 | |
14 | 第14回 | 西アジアの発掘 |
アジアの西端イスラエルにおける文化財保護の現状と発掘調査の方法等について知り、人類史と考古学の在り方について理解を深める。 | |
15 | 第15回 | 中国の遺跡と博物館 |
中国の遺跡と博物館から文化財の保護と活用を学び、講義の全体を振り返り、受講者それぞれが歴史に学ぶ意味とそれを今後にどのように活かせるかを考える。 |