2025年4月 学長就任にあたって 学長 備酒 伸彦フロントライン

学長就任にあたって 新学長就任の挨拶 備酒 伸彦 学長
学長就任にあたって 新学長就任の挨拶 備酒 伸彦 学長

この度、中村恵前学長の後を受けて、学長に就任いたしました備酒伸彦でございます。伝統ある本学の一員として、皆様と共に新たな時代に向かえますことを光栄に存じます。大学創立60周年、同窓会設立50周年という節目に大役を仰せつかり緊張の毎日ですが、皆様のお力を頼りに「後世に残る大学」の実現に向けて励んで参る所存です。

備酒 伸彦 学長

本学は、1966年に初代学長・森茂樹博士の下、建学の精神「真理愛好・個性尊重」 を掲げて、栄養学部だけの単科大学として創立され、60周年の節目を迎えるにあたり一層の発展を期しているところです。

神戸市中央区ポートアイランドと西区有瀬にキャンパスを展開し、10学部・8研究科、11,000人を超える学生数を擁する神戸市内で最大規模の文理融合型私立総合大学へと発展してきた本学は、その「宝」とでもいうべき卒業生が10万人を超えました。世界的な研究者、一部上場企業のトップや管理職、自治体の首長をはじめ議員として活躍されている方々も輩出し、最近ではスポーツや芸能の分野で活躍する卒業生も多くいます。

このような発展を遂げてきた本学は、さらなる成長を企図して、初代学長が建学の精神として掲げた「真理愛好・個性尊重」をもとに定めた「神戸学院大学憲章」を土台として、2023年に「長期ビジョン及びグランドミッション」を公表しました。同時に「第3次中期行動計画 (2023-2027)」をスタートさせるとともに、「神戸学院大学キャンパス整備基本計画 (2018-2028)」に基づいて、有瀬キャンパスの再整備、1号館の建設に着手しているところです。2026年4月に供用を開始する1号館には、学生が集い交流できる賑わいのスペースが生まれます。是非、期待をもってお披露目をお待ちいただければと存じます。

備酒 伸彦 学長

このように歴史を振り返り、近い将来を眺めますと、本学が着実に発展していることを感じます。一方で、中長期的に将来を見越しますと「社会に貢献し後世に残る大学」を実現するために、考え、実行しなければならない課題は山積しています。

将来を生きる学生が、時代を拓く人材として育つことを考えたとき、学部・研究科の編成はいかにあるべきなのか。そこで行われる教育の質をどう担保するのか。教育の根幹となる研究について考えたとき、限られたリソースを活用して成果を挙げるためには何をすべきなのか。いずれの課題につきましても、今の段階で明確な解決への道筋をお示しすることは叶いません。ただ、これらの課題解決は本学にとって必須であるということ、またそれには決して長くない期限があるということを十分認識し、新学長として緊張感をもって具体的な行動を起こして参ります。その節には皆様のお知恵をいただくことが不可欠です。何卒、さまざまなご教示を賜りますようお願い申し上げます。

さて、本学から離れて我が国に目を向けますと、未曽有の少子・縮小社会の到来は、我々に今までの常識にとらわれない新たなチャレンジを余儀なくさせます。その原動力になるのがまさに今学んでいる学生たちです。大学で仕事をしておりますと、正課、課外活動を通して学生と交わる度に、彼らのもつエネルギーを感じます。

オープンキャンパスを支えてくれる「オーキャンズ」の発表に触れる機会がありました。彼らはその場で、私が思いもつかないアイデアを多数披露してくれました。また、そのプレゼンテーションたるや見事としか言いようのないものでした。その姿に感動を覚えながら、「私たち大人はできない理由を考えるのに対して、学生たちはできる方法を考えている」ということを痛感しました。

備酒 伸彦 学長

私は理学療法士という職で、22年間を高齢者ケアの現場と行政機関で過ごした後、本学に赴任しました。大学教員としては珍しい経歴かと思いますが、この経験から私は、人が動く、組織が動く力の源は、個々のモチベーションであるということを知りました。そしてそのモチベーションは本人と周りの人の具体的な行動で生まれるということを学びました。

歩く力があるのに寝たきりの方にも多く出会いました。このような場合、ただ身体にアプローチしても状況は変わりません。ある寝たきりの高齢女性の話です。窓際のベッドに寝ていた高齢女性に、家族がふと「おばあちゃんも外が見たいだろう」と思いつき、窓のすりガラスの上下を入れ替え外が見えるようにする住宅改造を行いました。「向こうに寝返りをして座れば外が見えますね」とかけた私の言葉に、彼女は「やってみたいわ」と応え、練習を重ねて彼女は窓に向いて座りました。それどころか手を伸ばして自ら窓を開け、ついには学校帰りに前を通る子供に声を掛けお菓子を配っている姿がありました。

最後に唐突なお話を申し上げたようで恐縮ですが「できる方法を考える」素地をもっている学生たちが、より高いモチベーションを持てるよう寄り添い、そして彼らが、大学生活での学びや活動を通して常識を知り、常識を疑い、自ら考えて時代を拓く力をもった人材に育つために、さまざまな支援を行っていくことが神戸学院大学の使命であると考えています。
そのために、新学長として「できる方法を考え、それを実行する」ことに邁進する所存です。

今後ともご理解とご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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