2016年1月
-学長からの新年のメッセージ-フロントライン

フロントライン 学長からの新年のメッセージ2016 「次の50年に向けて更なる進化を遂げるために」 神戸学院大学 学長 岡田 豊基

【1】はじめに

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
2016年、神戸学院大学は創立50周年を迎えました。

本学は、1966年、森茂樹先生を初代学長として、建学の精神「真理愛好・個性尊重」(学びと知の探究を通じて、普遍的な学問体系の英知に触れる喜びを実感し、その過程で自己と他者の個性に気づき、互いの存在をこよなく尊重する)の下、学生数100人の栄養学部だけの大学として設立されました。50年後の今、本学は、2つのキャンパス、9つの学部、1万人を超える学生を擁する、神戸市内で最大規模の私立総合大学へと発展しております。

法人創立100周年を迎えた2012年に公表した「神戸学院100年宣言」の中で、「社会の発展に寄与する質の高い教育を行う学校、神戸という街にふさわしい魅力ある学校となるよう、新しい100年に向けた第一歩を踏み出すことを宣言します」と謳い上げています。本学は、2013年から「中期行動計画」に示された事柄を実現し、劇的な変貌を遂げつつあります。その結果、4年間で入試志願者数が1.5倍に増加し、全国の高校生の注目を集めており、このことに対し、喜びとともに大きな責任を感じております。

【2】更なる進化を遂げるための大きな節目

昨年は、学部移転、総合リハビリテーション学部学科改編、グローバル・コミュニケーション学部設置、大学本部のポートアイランドキャンパスへの移転などがなされました。これに続いて本年は、栄養学部の改組拡充、附属高等学校の移転、附属中学校の設置などが行われます。そしてこのように法人としての枠組みが形作られつつある今、この2016 年こそ、神戸学院大学が次の50年に向けて更なる進化を遂げるための大きな、そしてとても大切な節目の年になると思っております。

【3】「学生の満足度の高い大学」であり続けるために

1.「学生の満足度の高い大学」とは

本学は、「学生の満足度の高い大学」であり続けることを目指して参りました。ここで今一度、「学生の満足度の高い大学」とは何か、振り返ってみましょう。それは、学生が大きく成長する大学、就職に強い大学、地域連携が盛んな大学、社会に貢献する研究成果が数多く発表されている大学であると考えます。そして、現在、本学はこれらの大学として実際に成長しつつあります。この本学の成果を外部にアピールするとともに、「学生の満足度の高い大学」であり続けるという目標の継続こそが、本学の伝統を築いていくものと思います。

2.学生の「夢」の実現を支援する

学生の多くは「夢」を持って入学して参ります。「学生の満足度の高い大学」として学生の「夢」の実現を支援することこそが本学の責務であると思い、その実現のために4つの柱を考えております。

  1. 教育・研究の充実=「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」
    (ⅰ)学生が「学ぶことの楽しさ」を感じるよう、授業(講義・演習・実験等)の充実を図る
    「神戸学院大学の『教育力』の向上を目指して」(2014年10月1日)を基本にし、「国際化ビジョン」の推進、体系的教育システムの構築、「高大接続プログラム」の推進等によって、授業の充実を促進して参ります。

    (ⅱ)新学部等の教育方法・教育成果を全学で展開する
    現代社会学部ではアクティブラーニングを主体にし、グローバル・コミュニケーション学部では英語・中国語・日本語を駆使するグローバル人材を育成します。昨年は、「学生チャレンジプロジェクト」が始まり、学生たちが積極的に取り組んでいます。本年は、「神戸学院カレッジ」が始まります。今後は、新学部等の教育方法・教育成果を全学で展開し、学士課程教育・大学院教育の充実を図って参ります。

    (ⅲ)9学部を擁する文理総合大学の強みを発揮する
    本学には、文系・理系9学部を擁する文理総合大学としての強みがあります。共通教育では他学部の科目を履修できることから、たとえば、法律や経営の知識を持った薬剤師や栄養の知識を持った人材の育成が可能です。全学教育推進機構では、教育開発センターは教育力の向上を力強く牽引する役割を果たし、共通教育センターはリメディアル教育・リベラルアーツ教育を広く展開します。また教職教育センターは教員を志望する学生の多い人文学部を中心として教員養成を促進するなどして、幅広い知識と能力を身に付けた学生を育成して参ります。

  2. 学生支援の充実
    (ⅰ)就職支援の充実
    本年4月、キャリア教育センターが設置されます。それに伴い、学生一人ひとりの希望に沿った就職指導を行い、共通教育・専門教育と連動したキャリア教育の充実を図って参ります。課外講座では、公務員試験の合格や資格の取得等を通じて手段としての学問から研究としての学問への架け橋を構築して参ります。また、「大学の宝」である卒業生のご協力を頂戴することで、同窓会との連携を拡大し、同窓会には、インターンシップの実施、PBL(Project-Based Learning 課題解決型学習)の展開、女子学生のキャリア支援等をお願いしております。

    (ⅱ)課外活動・ボランティア活動の充実
    課外活動やボランティア活動を通じて、学生たちは、1つのことにひたむきに取り組み、仲間と感動を共有することで充実した学生生活を送っています。他学部の学生と仲間になることで、人としての幅が広がっております。創立50周年にあたり、教育後援会から1億5000万円のご寄付を頂きました。その気持ちにお応えすべく、施設の充実を図って参ります。

  3. キャンパス環境の整備
    ポートアイランドキャンパスは、都市共生型キャンパスとして多くの市民が行きかう場所として、有瀬キャンパスは、「緑漲る有瀬の丘」(神戸学院大学学歌)らしい落ち着いた場所として、それぞれの特長を生かした再編に取り掛かっております。

  4. 職場環境の充実
    「学生の満足度の高い大学」として「中期行動計画」を実行していくにあたり、「男女共同参画室(仮称)」を設置して、600人を超える教職員の皆様がより働きやすい職場環境を充実して参ります。これら4つの柱が支えとなり、本学を更なる高みへと引き上げてくれるものと信じております。

【4】結びに代えて

7月13日には佐藤雅美先生が学長に就任されます。それまでの間、私は、修学環境の整備を進めるなど、次に繋がる仕事をし、佐藤先生にバトンをお渡ししたいと考えています。

結びにあたり、神戸学院大学の関係者の皆さん、本年もまた全員で力を合わせて、「学生の満足度の高い大学」であり続ける歩みを進めていくことを改めてお願いするとともに、皆様方のご多幸とご健康をご祈念し、新年のご挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。

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