2015年1月「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」 -学長からの新年のメッセージ-フロントライン

フロントライン 学長からの新年のメッセージ2015 「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」 神戸学院大学 学長 岡田 豊基

【1】はじめに

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

皆様方におかれましては、心も新たに2015年を迎えられたことと存じます。
「神戸学院100年宣言」の中で、「社会の発展に寄与する質の高い教育を行う学校、神戸という街にふさわしい魅力ある学校となるよう、新しい100年に向けた第一歩を踏み出すことを宣言します」と謳い上げています。
昨年は「劇的な変貌の始まり!」と位置づけ、「神戸学院100年宣言」および「中期行動計画」に示した事柄が一つずつ実現しています。

【2】新たなステージの始まり

本年4月には、学部移転、総合リハビリテーション学部の学科改編、グローバル・コミュニケーション学部の設置、大学本部のポートアイランドキャンパスへの移転など、新たなステージが始まり、本学の枠組みがほぼ整います。それらを踏まえ、「学生の満足度の高い大学」であり続けるために、本年は、「教育力の向上」を目指し、「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」を重点的に取り組んで参ります。

【3】「学生の満足度の高い大学」であり続けるために

1.初代学長・森茂樹の思いに立ち返る

本学は、1966年、初代学長・森茂樹先生の下、「真理愛好・個性尊重」を建学の精神として設立されました。建学の精神「真理愛好・個性尊重」とは、「学びと知の探究を通じて、普遍的な学問体系の英知に触れる喜びを実感し、その過程で自己と他者の個性に気づき、互いの存在をこよなく尊重する。」(神戸学院大学憲章)とあります。2016年に創立50周年を迎えるにあたり、森茂樹先生の「後世に残る大学」という思いに立ち返ることが望ましいと考えます。

2.学生の「夢」の実現を支援する

学生の多くは「夢」を持って入学して参ります。「学生の満足度の高い大学」として、学生の「夢」の実現を支援することこそが本学の責務であると思い、その実現のために4つの柱を考えています。

  1. 教育・研究の充実=「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」
    「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」に取り組み、教育・研究を充実して参ります。

    (ⅰ)学生が「学ぶことの楽しさ」を感じるよう、授業(講義・演習・実験等)の充実を図る
    「神戸学院大学の『教育力』の向上を目指して」(2014年10月1日)と題する考え方を学部長・研究科長と共有しており、その中に打ち出している、「国際化ビジョン」の推進、体系的教育システムの構築、「高大接続プログラム」の推進、授業の充実等を促進して参ります。

    (ⅱ)新学部等の教育方法・教育成果を全学で展開する
    現代社会学部ではアクティブラーニングを主体にし、グローバル・コミュニケーション学部では英語・中国語・日本語を駆使するグローバル人材を育成します。また、法科大学院では、10数年にわたり法曹養成において多大な成果をあげておられます。今後は、これらの教育方法・教育成果を全学で展開し、学士課程教育ならびに大学院教育の充実を図って参ります。

    (ⅲ)文系・理系9学部を擁する総合大学としての強みを発揮する
    本学には、9学部を擁する総合大学の強みがあります。共通教育では他学部の科目を履修できることから、たとえば、法律や経営の知識を持った薬剤師や栄養の知識を持った教員等の育成が可能です。全学教育推進機構では、教育開発センターは教育力の向上を力強く牽引する役割を果たす、共通教育センターは専門教育と並行して、リメディアル教育・リベラルアーツ教育を広く展開する、教職教育センターは教員志望の多い人文学部を中心として教員養成を行う、課外講座は公務員試験の合格や資格の取得等を通じて手段としての学問から研究としての学問への架け橋を構築するなどして、幅広い知識と能力を身に付けた学生を育成して参ります。
  2. 学生支援の充実
    (ⅰ)学生支援の充実
    学生一人ひとりの希望に沿った就職指導を行い、共通教育・専門教育と連動したキャリア教育の充実を図って参ります。そのためには、キャリア教育センターの設置が必要であると考えています。さらに、「大学の宝」である卒業生のご支援・ご協力を頂戴することで、同窓会との連携を拡大し、インターンシップの実施、PBL(Project Based Learning)の展開、女子学生のキャリア支援等をお願いしております。

    (ⅱ)課外活動・ボランティア活動の充実
    課外活動やボランティア活動を通じて、学生は、1つのことにひたむきに取り組んで、一人ひとりが感動し、感動を仲間と共有することで幸せを感じていますし、他学部の学生と仲間になることで、人としての幅が広がっています。今後は、2キャンパス体制での活動を視野に入れ、活動のための施設の充実を図って参ります。
  3. キャンパス環境の整備
    有瀬キャンパスとポートアイランドキャンパスの特徴を活かすような整備をして参ります。有瀬キャンパスは、「緑漲る有瀬の丘」(神戸学院大学学歌)らしい落ち着いた場所とし、ポートアイランドキャンパスは、都市共生型キャンパスとして多くの市民が行きかう場所にしたいと考え、早速、有瀬キャンパスの再編に取り掛かります。皆様方のお考えを是非ともお聞かせ下さい。
  4. 職場環境の充実
    「学生の満足度の高い大学」として「中期行動計画」を実行していくためには、職場環境を充実することが必要です。それにあたっては、ワーク・ライフ・バランスを強く意識しながら進めて参ります。

【4】結びに代えて

2016年に創立50周年を迎えるにあたり、2015年は、神戸学院大学は、①学生が大きく成長する大学であること、②就職に強い大学であること、③地域連携活動が盛んな大学であること、④社会に貢献する研究成果が数多く発表される大学であることを本学の「教育・研究の成果」としてアピールして参ります。その結果、神戸学院大学に「誇り」と「愛着」を持つ学生が巣立ち、将来にわたり、卒業生として神戸学院大学を力強く応援してくれるものと期待します。

神戸学院大学は劇的に変貌し始めています。

神戸学院大学の関係者全員で力を合わせて「教育のパラダイムシフト(構造的大転換)」に取り組み、「学生の満足度の高い大学」を目指して進んでいきましょう。

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