特集:教育活性化会議 座談会
「神戸学院大学における今後の教育改革 ― 学士課程教育の構築に向けて ―」
学長メッセージ
「真理愛好・個性尊重」の精神をもとに
教職員・学生が一体となった改革を
神戸学院大学 学長
岡田 芳男
1991年、当時の文部省は、一般教育と専門教育の区分を廃止するという、いわゆる「大綱化」の方針を打ち出しました。これにより、各大学は4年間の学部教育を自由に編成できるようになったものの、そのためにかえって教養や基礎教育の部分がおろそかになるという事態が生じてしまいました。そうした、近年の大学が陥っている状況を打開しなければということで、ここ最近の中央教育審議会答申には、学生に社会で生きていくのに必要な基礎能力を修得してもらうために、大学での教養教育の充実がうたわれるようになっています。単に卒業単位を満たせばよいということではなく、きちんと4年間学習をし、学士にふさわしい知識や教養を身に付けた人物を育てること。それが、今の社会が求めている大学の役割なのです。本学でも、昨年末に出された中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」において示された指針内容を踏まえつつ、「真理愛好・個性尊重」という建学の精神をもとに、本学独自の教育改革を押し進めているところです。昨年組織された「教育活性化会議」や4月発足予定の「教育開発センター」は、そうした学内改革の中心的役割を担うため、重責を負うこととなります。ただ、真に改革を成功させるためには、教職員の努力だけでは果たせません。学ぶ側の学生が、与えられた単位以上の勉強に励むという姿勢がなければ、本当の意味での改革にはならないのです。教職員と学生が一丸となって教育改革に取り組むこと。それこそが、本学が目指すべき姿ではないでしょうか。