地域にすっかり定着した定期演奏会 800席の観客席がほぼ満席にフロントライン

11月24日(月)15:00~17:00  神戸学院大学管弦楽団 第14回定期演奏会

神戸学院大学管弦楽団 第14回定期演奏会

曲 目

  • J.シベリウス「交響詩フィンランディアOp.26」
  • E.グリーグ「ペールギュント第1組曲Op.46」
  • A.ドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』Op.95」

指 揮

松井隆司

3連休最終日の11月24日、グリーンフェスティバル第276回プログラムの神戸学院大学管弦楽団による第14回定期演奏会が行われました。当日は、800席収容のメモリアルホールはほぼ満席。会場は多くのクラシック音楽ファンの方で埋まりました。

演奏会では、ロビーのミニ演奏会の和やかな雰囲気とは打って変わって、緊張感がホールに漂うなか、シベリウスの交響詩「フィンランディア」によって演奏がスタートしました。次の曲目は、グリークの歌劇「ペールギュント」の第1組曲。前奏曲「朝」をはじめとして、「オーゼの死」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」といった、誰もが一度は耳にしたことのある曲が次々と演奏されました。「ペールギュント第1組曲」の演奏が終了後、現団長である経済学部3年次生の田中陽子さんから、新しく第15代団長となる経済学部2年次生の世良彰将さんへの引き継ぎを兼ねた挨拶が行われ、前半が終了しました。

後半のプログラムは、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。この交響曲は、第1楽章から第4楽章までの楽曲で構成されているドヴォルザークの代表曲です。団員にとても人気がある楽曲ということもあって、全員一致で今年度のプログラムに決定したということです。そのせいか、演奏が進むにつれて、指揮の松井先生と団員、そして観客のテンションも徐々に盛り上がって最終楽章へ。演奏の終盤、会場の雰囲気も最高潮に達し、万雷の拍手に迎えられプログラムは終了。アンコール曲は、シベリウス作「カレリアマーチ」が演奏されました。観客の方からも「子どもが在学生ということもあり参加しました。普段クラシックをよく聞く方ですが、かなり演奏のレベルが高いと感じます。今度は子どもも連れてぜひ来たいと思います。」との声も聞かれました。

開演後、この定期演奏会をもって卒団する4年次生の学生がヴァイオリンやチェロといった管弦楽器だけのミニ演奏会を開催
開演後、この定期演奏会をもって卒団
する4年次生の学生がヴァイオリンや
チェロといった管弦楽器だけのミニ
演奏会を開催(ホール前ロビーにて)

2008年度グリーンフェスティバル秋季の他の学生公演

第275回 神戸学院大学チアリーダー部 第16回 Dancing Expo 2008

第278回 神戸学院大学学生放送局 第31回 放送祭 「Look Back」

歴史の積み重ねが演奏レベルを引き上げる―
ともに過ごした14年間で実感

兵庫県立伊川谷北高等学校 吹奏楽部顧問
松井 隆司 主幹教諭
(神戸学院大学吹奏楽部 管弦楽団 指揮者・明石フィルハーモニー管弦楽団 指揮者)

兵庫県立伊川谷北高等学校 吹奏学部顧問 松井 隆司 主幹教諭 (神戸学院大学吹奏楽部管弦楽団 指揮者 明石フィルハーモニー管弦楽団 指揮者)

私は、神戸学院大学に管弦楽団が設立された14年前から指揮者として携わってきました。まさに、各年代の移り変わりを創設当初から見てきたわけです。そんな私の目から見ても、楽器を扱うのがやっとという初期の頃に比べたら随分と学生の演奏がうまくなったと感じます。最初にメモリアルホールで第1回定期演奏会を行った時は、「頼むから、お客さん帰らないで」と、内心ヒヤヒヤしながら指揮していたほどでしたから(笑)。それが、今ではどこに出しても恥ずかしくない演奏を披露するまでになりました。端的な例が、今回演奏したドヴォルザークの交響曲「新世界より」です。以前にも同じ曲を演奏したのですが、今回の方が格段に内容の濃いものに仕上がっています。また、管弦楽団には楽器に触れたことすらない新入生が入団してくるのですが、不思議なことに、彼らのレベルもその前の年に入部した新入生より少しずつうまくなっていく。つまり、楽団のレベルが向上するとともに、初心者の演奏能力も自然とその時の団員のレベルにあうようになっているのです。歴史の積み重ねが還元されている、ということでしょうか。神戸学院大学の楽団員を見ていて思うのは、非常にまじめで熱心だということ。この気質が、この14年間における地道なレベルの向上につながっているのではないかと思います。私としても、そうした彼らをサポートしていくのはやりがいもあって楽しいものです。来年、神戸学院大学管弦楽団は15周年という節目の年を迎えます。それを機に、一度自分たちの力を試そうということで、いつものメモリアルホールではなく、明石市民会館で公演することが決定しました。その次の年にグリーンフェスティバルに帰って来た時には、さらにたくましく大きくなった管弦楽団の姿をお見せしたいと思っています。ぜひ、期待していてください。

定期演奏会は1年間の集大成
これからも学生の演奏で地域を元気に

管弦楽団
経済学部 国際経済学科
3年次生 中田 陽子 さん

管弦楽団 経済学部 国際経済学科 3年次生 中田 陽子 さん

グリーンフェスティバルで行う定期演奏会は、私たち管弦楽団にとっても、1年の締めくくりとして実施される重要なイベントのひとつです。演奏する曲目も定期演奏会が終わった直後から決定し、1年をかけて準備していきます。普段は1週間に3回ほど、授業が終わった後の午後6時過ぎくらいから練習しています。しかし、1、2ヶ月前あたりからほぼ毎日、平均2時間以上、時には3時間かけて練習を行う場合もあります。そうして、常連のお客さんが多いグリーンフェスティバルに備えています。本学の管弦楽団では、初心者の団員も1年次生の時から定期演奏会の舞台に立つことができます。私の場合、高校時代から部活動でヴァイオリンを演奏していたので初心者というわけではないのですが、1年次生で定期演奏会デビューをした時にはとても緊張して演奏することで精一杯でした。観客として客席で見ていた友人に「もっと演奏を楽しんで」とアドバイスされたほど。そのおかげか、次の年の定期演奏会ではリラックスして演奏に臨めました。その年の演奏会ではコンサートミストレスという指揮者の次に重要な役目を果たし、その後、団長も務めました。特に、団長を経験したことで何事にも積極的に考えられるようになり、決断力も増したと感じます。お客さんからは、「学生の演奏には、プロにない若々しさを感じる」とよく言われます。グリーンフェスティバルには、私たち学生の団体も多数参加しているので、メモリアルホールに足を運んでいただき、演奏を聴いたり、演劇を見たりして、元気になっていただけたらと思います。

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