大学から文化を発信し地域と人を元気に グリーンフェスティバルの歩みフロントライン

グリーンフェスティバルとは

1988年、有瀬キャンパス(神戸市西区)の9号館が竣工した際に、客席数800席を擁する本格的多目的ホールとしてオープンした「メモリアルホール」。このホールのこけら落としとして、著名人による講演会や演奏会、舞台などのイベントを開催しました。これが、グリーンフェスティバルの始まりです。もともと本学人文学部(当時:教養部)で、授業の一環として文化体育館(有瀬キャンパス内)で同様の催しを行っており、当初はこうした授業と同様学生を主な対象として開催されました。しかし同時に、地域の皆さんにも文化的なイベントを提供していきたいという理念のもと、一般のお客さまにも無料で開放。春と秋の2季に渡って多くのプログラムを開催し、周辺地域から数多くの観客が訪れるようになりました。初演から20年を経た現在では、本学が実施する恒例イベントとして地域社会にしっかりと根付いています。

メモリアルホール

2008 秋季グリーンフェスティバル

第270回 10月4日(土) 15:00 開演
趙栄春 ニ胡・リサイタル
ピアノ/研井 功子
第271回 10月25日(土) 15:00 開演
田中 美奈 ヴァイオリン・リサイタル
ピアノ/鈴木 華重子
第272回 11月1日(土) 16:00 開演
秋津 智承 チェロ・リサイタル
ピアノ/岡原 慎也
第273回 11月2日(日) 15:00 開演
T.O.P.ブラス・クィンテットの午後
トランペット/秋月 孝之・篠崎 孝、ホルン/村上 哲、トロンボーン/ロイド・タカモト、テューバ/川浪 浩一
第274回 11月15日(土) 15:00 開演
沢入国際サーカス学校公演
「マールイ・サーカスの一日―サーカス、それは生きること!」
演出/アレクセイ・ビートキネ 企画/NPO法人国際サーカス村協会
第275回 11月23日(日・祝) 17:00 開演
神戸学院大学チアリーダー部 第16回 Dancing Expo 2008
第276回 11月24日(月・休) 15:00 開演
神戸学院大学管弦楽団 第14回 定期演奏会
指揮/松井 隆司
第277回 12月6日(土) 15:00 開演
仲道 郁代 ピアノ・リサイタル
―モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲連続演奏 第2回―
第278回 12月20日(土) 15:00 開演
神戸学院大学学生放送局 第31回 放送祭「Look Back」

グリーンフェスティバルの特徴

グリーンフェスティバルで開催されるプログラムは、オーケストラやアンサンブル、ソロなどの形式で演奏されるクラシック音楽や、現代演劇や古典芸能などの舞台を中心に構成されています。1988年のオープニングからこれまで本学の課外活動団体のほか、国内外から数多くの一流アーティストが出演してきました。なかでも日本のクラシック音楽界でトップの実力を誇る、大阪フィルハーモニー交響楽団やピアニストの仲道郁代氏、チェロの長谷川陽子氏は、長年にわたりグリーンフェスティバルで演奏を披露してきました。舞台の演目も、国内の新進気鋭の劇団によるオリジナルの現代劇をはじめとして、落語や狂言、京劇まで幅広いジャンルをカバー。このためだけに企画されたオリジナルの舞台や異なる分野のコラボレーションなど、大学主催ならではの実験的で多彩なプログラム構成となっているのも特徴です。さらに、学生団体(吹奏楽部、管弦楽団、チアリーダー部、学生放送局)の練習の成果を発表する場としているところも特徴のひとつです。また、スタッフとして音響は学生放送局、受付は吹奏楽部、チアリーダー部、場内整理は管弦楽団の学生が担当し、舞台の場合は演劇部がサポートするなど、学生とともに力を合わせて作り上げるイベント。それが、グリーンフェスティバルなのです。

グリーンフェスティバルで培われたノウハウや責任感を
後輩たちにも引き継いでもらいたい

学生放送局 アナウンス部 局長 人文学部人文学科 3年次生 阪口 裕紀 さん
学生放送局 技術部 法学部法律学科 3年次生 竹内 泰裕 さん

向かって左から阪口さん、竹内さん
向かって左から阪口さん、竹内さん

私たちは、本学の学生放送局でそれぞれアナウンス(阪口さん)と音響(竹内さん)を担当しています。学生放送局は毎年、グリーンフェスティバルのプログラムとして公演を行っており、今回は「Look Back」というタイトルで実施します。当日のプログラムは、自分たちで考えたオリジナルの脚本を用い、事前に録音した音声のみを流す“録音劇”と実際に数人のアナウンス部局員が舞台に立ってセリフを語る“生朗読劇”などの内容となっています。このように、学生放送局の局員は出演者として舞台に参加するほか、期間中に開催されるすべての公演に機材や音響などの技術スタッフとしても参加しています。グリーンフェスティバルには、学生放送局のほかに演劇部なども技術スタッフとしてメモリアルホールの運営業務を担当し、学生たちで各公演を舞台の裏から支えています。学生放送局にとってグリーンフェスティバルは、大学の構内で一般の方と直接触れ合うことのできる貴重な機会でもあります。その分、機材関係のトラブルがあった場合、お客さまにはステージを披露している団体の失敗と見なされてしまうため、大きな責任を負っていると感じます。しかし、そうした緊張感を持って1年次生の時からこのイベントに関わってきたおかげで、3年次生になった今では自分たちの仕事に対する責任感と自信が持てるようになったと思います。私たち3年次生は、今回のグリーンフェスティバルでの公演をもって、実質的な活動から引退します。今までグリーンフェスティバルにおいても、トラブルへの対応方法や分からないことなどは先輩方にアドバイスをもらってきました。今度は、自分たちがその役割を担う番です。私たちは、あくまで表舞台の演者をうまく引き立てることが仕事。今後仕事を引き継いでいく後輩たちにも、そのことを一番に考えてグリーンフェスティバルを盛り上げてもらいたいと思います。

阪神・淡路大震災とグリーンフェスティバル

義援金を贈っていただいたバンベルク交響楽団管楽合奏団の公演

1995年、阪神・淡路大震災の年に開催された春と秋の公演は「阪神・淡路大震災被災者支援公演」として、来場者でお気持ちのある方から義援金を募る形で実施されました。当時は、被災者の方が観客として見に来られていたり、出演者のなかにも被災したり肉親を亡くした方がおられたりと、震災がグリーンフェスティバルにも大きな影を落とした公演となりました。一方で、同年秋の公演の際には、ドイツより来日した「バンベルク交響楽団管楽合奏団」のメンバーが母国で集めた義援金を当時の通貨・マルクで持参していただくなどのエピソードも残っています。

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