「ポーアイ4大学による連携事業―安全・安心・健康のための総合プログラムを軸として―」とはフロントライン

その1:事業の概要

4つの大学と地域関連団体が連携して地域活性化に貢献する大型事業

「ポーアイ4大学による連携事業―安全・安心・健康のための総合プログラムを軸として―」は、文部科学省が特色ある大学間の戦略的な連携の取組を支援するプログラムで、今年度10月1日よりスタートした事業です。文部科学省の支援事業として3年間実施し、事業自体は10年間継続することを当面の目標として実施される大型プロジェクトです。

4つの大学と地域関連団体が連携して地域活性化に貢献する大型事業

本学を含め、隣接する大学間では、今回の事業が計画される以前からさまざまな分野において事務レベルでの連携が図られてきました。本学ポートアイランドキャンパス開設時に入試広報をはじめとする各専門部会が共同で立ち上げられ、連携可能な案件について検討してきました。昨年に引き続き今年も開催された合同オープンキャンパスは、こうした活動の中で決定され実際に実施されたもののひとつです。こうして実績を積み重ねてきた横のつながりを土台とし、自治体や地元企業など地域関連団体との連携を強化してより拡大した運営組織として再編。各大学の教育・研究分野の特色を活かして、“安全・安心”と“健康・生活支援”をキーワードにそれぞれ「ポーアイ防災推進プロジェクト」と「ポーアイ健康推進プロジェクト」を新たに事業の柱として掲げ、今回の事業をスタートさせることとなりました。

新たなプロジェクトと専門機関の設置

新たなプロジェクトと専門機関の設置

今回の事業の発足によって稼働する2つのプロジェクトには、各プロジェクトに対応する専門機関が設置されています。「ポーアイ防災推進プロジェクト」には「ポーアイ安全・安心ステーション」、「ポーアイ健康推進プロジェクト」には「ポーアイ健康・生活支援ステーション」が置かれ、前者は本学ポートアイランドキャンパス内に、後者は兵庫医療大学内に設置されました。これら2つのステーションを統括する機能を果たすのが「ポーアイ4大学連携推進センター」です。

大学・行政・企業、そして学生が連携する
新たな地域貢献のかたちを求めて

戦略的大学連携支援事業責任者
学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
ユニット長 前林 清和 人文学部 教授
(ポーアイ防災推進プロジェクト担当)

戦略的大学連携支援事業責任者 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット ユニット長 前林 清和 人文学部 教授(ポーアイ防災推進プロジェクト担当)

今回文部科学省の支援事業に採択された「ポーアイ4大学による連携事業―安全・安心・健康のための総合プログラムを軸として―」は、お互いが協力し合うことで、それぞれの大学がこれまで築いてきた地域社会との連携を強化し、なおかつ、より効率的な大学運営が行われることを目指して発足した事業です。プロジェクトの健康・生活支援部分を兵庫医療大学と神戸女子大学・神戸女子短期大学が中心となって運営し、防災・安全に関する事柄に関しては、学際教育機構防災・社会貢献ユニットの活動実績のある本学が主に担当します。

今後30年以内に高い確立で発生するとされている南海地震、東南海地震、東海地震のほか、年々拡大する自然災害に備えて、地域住民の方には日常の生活レベルから防災意識を高めてもらいたいと考えています。これまでは、こうした啓発活動を行う際消防署や自治体主催で実施され、専門家が講習会などを行って、一部の意識の高い住民のみが参加するという構図が一般的でした。しかし、それでは、啓発の効果は限定的になってしまいます。そういった意味で、学生が主体となって広く地域住民の方とふれあいながらさまざまな活動を行う今回のプロジェクトは、新たなモデルケースになると考えています。また、事業の柱である「ポーアイ4大学連携推進センター」と2つのステーションにはそれぞれコーディネータを配置しました。3つの機関に配置されたコーディネータに4大学や外部関連団体とのパイプ役となってもらい、地域住民からのより多くの要望を吸い上げる体制を整えました。学生にとっても、今まで他大学が実施してきたプログラムに参加することで、交流と見識が広がります。自分たちの知識を他者に伝えるという行為を通して、学力やスキル、コミュニケーション能力の向上といった、総合的な“人間力”を培う場にもなると期待しています。

今回の事業は、文部科学省の平成20年度「戦略的大学連携支援事業」の総合的連携型(地元型)において、全国の大学から寄せられた24件の申請のなかから採択された取組です。4大学が部会活動で横のつながりを密にして強固な土台を築くとともに、各自で行ってきた地域貢献の実績に立脚した企画内容ということが高く評価されたのだと考えています。このプロジェクトは、今始まったばかりです。複数の大学と関連団体が連携して地域貢献を行うというこの画期的な試みを、学生たちと盛り上げていきたいと思います。期待してください。

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