理事長挨拶『創立110周年、その先へ』
平素より、学校法人神戸学院及び附属中学校・高等学校、大学・大学院の教育並びに運営にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
学校法人神戸学院は2022年に創立110周年を迎えました。1912(明治45)年に、校祖森わさがわずか8人の生徒をもって森裁縫女学校を創設したのが本法人の始まりです。
創立以来、110年の時を経て、今や附属中学校・高等学校と大学・大学院を合わせ、生徒・学生数が1万2,000人を超える法人へと発展してまいりました。今もなお、森わさの「精神の根幹たる腹の教育」「底力のある教育」「真に社会に役立つ人間の教育」という確固たる信念は、私たちが実践している今日の教育にも随所に受け継がれています。
女性にとって自立の道が非常に限られていた時代、労苦をいとわぬ奮闘で今日の礎を築いた校祖森わさの偉業を讃え、法人創立110周年記念事業として、法人本部を設置するポートアイランドキャンパスに胸像が設置されました。これを機に、創設者の足跡を後世に語り継ぐとともに、今日の社会を支え、明日を切り開いていく人材を育成するために、110年のその先に向かう努力を積み重ねていかなければならないという思いを改めて強くしています。
法人を取り巻く環境は、少子化による就学人口の減少等厳しいものがあります。また、グローバル化、少子高齢化、ロボットや AI(人工知能)の台頭など、今後、ますます目まぐるしく変化し、複雑化していくことが見込まれます。さらに、新型コロナウイルス感染症など、これまでの常識が通用しない、将来予測が困難な時代にも対応していく必要があります。
これまで、本法人は「学校法人神戸学院第2次中期行動計画(2018-2022)」のもと、設置する各学校間の調和ある発展を目指すことを基本方針とし、毎年、点検と計画の見直しを図りながら本計画の実現に努めてまいりました。第1次・第2次中期行動計画の達成状況を受け、with コロナ、after コロナの状況に適切に対処しながら、急速な社会的変化に対応した教育を提供し、これからの厳しい時代においても選ばれる法人となるよう、現在「学校法人神戸学院第3次中期行動計画(2023-2027)」を策定しているところです。
また、法人創立130周年、大学創立75周年を目前とする2040年を見据え、今後、どのように教育研究を実践していくべきか、どのような教育機関を目指していくのかの指針として、先行して大学において「長期ビジョン」を策定するとともに、グランドミッションを定めたところです。今後、法人や附属中学校・高等学校においても順次策定を進めてまいります。
本法人は、これからも、社会からの期待に応え、新たな時代を担う人材を育成するために、創設以来の歴史と伝統を受け継ぎ、さらなる成長を目指してまいります。
今後とも皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月
学校法人神戸学院
理事長 西本誠實