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総合インフォメーション

  • 2010/10/19  (総合)
    「平成22年度工学院大学新宿校舎地震防災訓練」を実施しました
2010年10月5日、工学院大学において「平成22年度工学院大学新宿校舎地震防災訓練」が行なわれました。これは14時00分に首都圏で震度6弱以上の地震が発生したと想定し、発災から数時間後までの緊急初動対応・応急対応を訓練するものです。

 
工学院大学新宿キャンパス1Fフロア

TKK3大学連携プロジェクトとしては、以下3つの訓練を実施しました。

1)3大学連携による情報共有訓練
助け合いシステム(WebGIS)を利用して、東北福祉大学(宮城県)と神戸学院大学(兵庫県)が被災地では把握しにくい関東圏の広域災害情報をニュース等から入手したと想定して、工学院大学(東京都)へ提供する情報共有訓練を実施しました。
神戸や仙台でニュースなどから入手した被災地の情報を情報提供シートに書き込み、助け合いシステムのチャット機能を使って工学院大学に送信しました。

また、同システムを使用して、工学院大学から工学院大学学生の安否情報を神戸と東北へ送信し、保護者や学生後援会からの安否確認の問い合わせ対応できるように情報共有を行う訓練も合わせて行ないました。



工学院大学にデータを送信する学生


チャット機能を使ってデータを送信

この訓練では、東北福祉大学や神戸学院大学の学生がそれぞれの大学において、実際に助け合いシステムを操作しました。教職員のみならず学生も同システムを操作できるようすることは、自宅で被災した場合にも自分の安否情報を送ることや、周辺の被災情報も共有することができ、災害直後の迅速な情報収集や情報把握に必要なことと考えられます。


2)遠隔会議システムによる3大学連携訓練
遠隔会議システムを用いて、災害対策本部長である工学院大学の水野学長より、東北福祉大学・神戸学院大学のTKK各センター長に対して防災訓練の報告がありました。遠隔システムの画面に映し出される工学院大学災害対策本部の様子は、訓練とはいえ、緊迫感を感じました。その後、各大学における備蓄品や自家発電装置の有無について3大学で情報共有をしました。災害発時に活用できる資機材・備品が学内のどこにあるのかを日頃より確認し、いざというときにすぐに動けるようにしておくことの重要性を痛感した機会でもありました。


遠隔会議システムを通して見た工学院大学災害対策本部



東北福祉大学の様子(写真左)、神戸学院大学の様子(写真右)



3)学生による講演型・体験型訓練の実施
講演型訓練として、東北福祉大学と神戸学院大学の学生が工学院大学の教職員や学生に対し、TKK連携プロジェクト、そして各大学における防災・減災の取り組みについて講演・実演しました。

神戸学院大学からは、学生消防団に所属する3名の学生が「神戸学院大学 学際教育機構 防災・社会貢献ユニット」、「学生消防団」、「災害時に使えるロープワーク術」について講演しました。
 
 

 

ロープワーク術の紹介コーナーでは、実際に来場者にヒモを渡し、体験しながら身につけてもらうことを目的に行なわれました。短いヒモを繋いで長くする方法や、絶対にほどけないように棒にヒモを結びつける方法など、緊急時に活用できるロープワーク術を実演しました。

東北福祉大学からは、学生が作成した防災・減災教材を紹介しました。
「減災○×クイズ」や、「一度は作ってみたいレシピ18」(サバ・メシレシピ集)、「減災すごろく」、「減災カルタ」、「さんあい体操」など、遊びながら学べる教材を、作成の目的や工夫した点などを盛り込みながら発表されました。
その中のひとつ、「さんあい体操」(被災地避難所にて発生しやすいエコノミークラス症候群を予防するための減災体操)は来場者全員で行ない、会場は笑い声でいっぱいになりました。

 

 


また、講演会場付近においてはパネル展を開催しました。
TKK3大学連携プロジェクトや各大学での防災・減災に関する成果物を展示し、作成した学生が直接来場者に対して説明を行なうなど、交流がうまれました。
 
 


さらに、屋外では体験型訓練として、東北福祉大学と工学院大学の学生によるサバメシ体験、アレンジ炊き出し訓練を行ないました。

 


学生による講演型・体験型訓練の実施を通じ、工学院学生からは「同年代の学生がこのような実践的な活動を行なっていることに驚いた」「理系の学生では考えつかないアイディアを形にしていて刺激になった」、また地域の方からは「このような若い力を起点に、防災の取り組みを地域に広げてもらいたい」などの意見が聞かれました。


このようにTKKとしては、「助け合いシステムを通しての情報共有訓練」と「学生同士の交流を通しての講演型・体験型訓練」を組み合わせて実施しました。
被災直後の混乱した状況下で、システムによる支援をいかに効果的に活用するかについて今後も改善と訓練を重ねていく必要があります。また3大学の学生が顔を合わせて交流し、信頼関係やネットワークを築くことが、非常時のボランティアや支援に活きてくると考えます。
今後も、TKKは助け合いネットワークの構築と充実に取り組みます。

以上