神戸学院大学

松尾教授らの研究グループがデュシェンヌ型筋ジストロフィーの心機能障害因子を発見しました

2018/01/22

 総合リハビリテーション学部の松尾雅文教授(神戸大学名誉教授)らの研究グループがこのほど、男児のみに発症する遺伝性筋疾患「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy: DMD)」の心機能障害因子「Dp116」を発見しました。この因子の発現を阻害する新たな心不全治療薬が開発できる可能性を示す画期的な成果で、米国心臓協会(American Heart Association)が発行する専門誌「サーキュレーション:ゲノミックスとプレシジョンメディシン誌1月号」に掲載されました。
 松尾教授と、神戸大学、兵庫医科大学、南開大学(中国)の研究者らは、神戸大学医学部附属病院が蓄積した過去10年間にわたる患者181人の心エコー検査データを利用。患者をアイソフォーム(構造は異なるが同じ機能をもつタンパク質)の欠損パターンによってグループ分けし、アイソフォームの欠損と患者の心機能障害との関連を解析しました。
 その結果、Dp116というアイソフォームの欠損をもつDMD患者は心機能障害の発生が目立って低いことを発見。また、これまでDp116は心臓には発現しないとされてきましたが、Dp116が人の心臓でも発現していることを分子生物学的手法で初めて明らかにしました。
 これらの結果から、DMD患者の心機能障害の治療については、DMD遺伝子の異常の場所によってその方法を選択する必要があること、また、心機能障害治療の新しい標的としてDP116の発現を阻害する新規心不全治療薬の開発ができる可能性があることを突き止めました。
 松尾教授は「直接の死因となる心機能障害を防げる可能性が出てきたことは、患者にとって極めて意義深いと思います」と話しています。