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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2023/07/21 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
人類の歴史Ⅳ(資格)/History of Human Beings Ⅳ
授業コード
/Class Code
B507133002
開講キャンパス
/Campus
有瀬
開講所属
/Course
人文学部/Humanities and Sciences
年度
/Year
2023年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
火5(後期)/TUE5(AUT.)
単位数
/Credits
2.0
主担当教員
/Main Instructor
北村 厚/KITAMURA ATSUSHI
科目区分
/Course Group
【専門教育科目】 〈人と社会と自然科目群〉/*** MAJORS *** 〈SUBJECTS OF ENVIRONMENT, HUMAN, COMMUNITY AND HISTORY〉
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
北村 厚/KITAMURA ATSUSHI 人文学科/Humanities
授業の方法
/Class Format
講義
授業の目的
/Class Purpose
この科目は、人文学部DP1、2および人文学科DP1,2で示される教養としての基礎知識及び人間の文化についての専門知識を身につけることを目指すものです。

現在を生きる私たちの背後には、膨大な年月の積み重ねがあります。「人類の歴史」では、宇宙の誕生から未来へと向かう長い時間の流れの中に人類の歴史を位置づけ、人間についての理解を深めるとともに、未来を構想する視座を獲得することを目的とします。
「人類の歴史Ⅳ」では、20世紀の歴史を学ぶことで、人類史上最も悲惨な二度の世界大戦はなぜ起こったのか、人種主義はどうしてなくならないのか、私たちは原子力とどう付き合っていくのかといった現代的諸問題について考察し、人類が破滅へと陥らないためにどのような考え方が必要なのか、未来の世界に向けた問題解決への知識と思考力を得ることを目指します。

人種主義(レイシズム)、排外的憎悪、内戦、虐殺、難民など、現代世界は不安な時代を迎えています。21世紀のこの状況は、第二次世界大戦へと帰着した1930年代に似ているという指摘もあります。人類の破滅を招かないためにも、20世紀の歴史を学ぶことが必要です。

なお、この科目の担当者は、世界史を専門として高等学校での専任講師を3年間経験していた、実務経験のある教員です。従ってこの授業では、教職科目として必要な、高校世界史の教科知識を身につけることができます。 
到 達 目 標
/Class Objectives
1.20世紀の世界について知識と理解を深めることができる。
2.世界大戦やジェノサイドがどのようなメカニズムで発生したのか、歴史を構造的に把握することができる。
3.現代世界の諸問題について人類史的な観点から提言をすることができる。
授業のキーワード
/Keywords
人種主義 世界大戦 移民 内戦 ジェノサイド 核兵器 市民運動 民族主義
授業の進め方
/Method of Instruction
テキストと史料を用いた講義形式の授業です。テキストの該当部分は事前に読んできてもらい、授業ではその内容を史料を基に解説します。毎回、授業の最初に前回の課題に対するフィードバックを行い、最後に授業内容に関する小課題を課します。小課題は授業の復習として当日中に取り組み、Moodleに投稿してもらいます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
私語や途中退室は厳禁です。授業を受ける最低限のマナーを守ってください。
授業時間外に必要な学修
/Expected Work outside of Class
時間外に課題に取り組み、提出してもらいます。(1時間)。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
毎回小課題を提出してもらいます。次の授業で優れた回答を講評します。さらに第15回目に最終レポートを提出してもらいます。最終レポートの評価は要求があれば個別に開示します。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
小レポート6点×14回(80点)と、最終レポート(20点)を合計して成績を付けます。
テキスト
/Required Texts
北村厚『20世紀のグローバル・ヒストリー 大人のための現代史入門』ミネルヴァ書房、2021年
参考図書
/Reference Books
授業中に適宜紹介します。
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 20世紀のグローバル・ヒストリー はじめに授業の受け方についてレクチャーするとともに、「人類の歴史Ⅳ」のテーマである20世紀のグローバル・ヒストリーについて、その概念と方法論について説明します。
2 第2回 20世紀の幕開け 20世紀の世界史を「帝国」の形成から解体までの歴史とみなす考え方があります。その問題について考えるために、19世紀末に欧米諸国がどのようにして世界を植民地化したのか、何のために支配をしたのかを学びます。
3 第3回 人種主義と民族主義の拡大:1900年代 20世紀は欧米列強によるアジア・アフリカへの抑圧から幕をあけます。その中でどのように人種主義が広まったのか、その抑圧に抵抗する民族主義はどのように拡大したのかを考えます。
4 第4回 革命と戦争の世界:1910年代 世界分割の最終段階で発生したのが第一次世界大戦は、ヨーロッパだけでなく、アフリカやアジアをまきこむ文字どおりの世界大戦となりました。その動乱は、ユーラシア大陸規模ではどのような影響をもたらしたのかを考えます。
5 第5回 平和と協調の模索:1920年代 第一次世界大戦が終わっても、世界各地の動乱はなおも続きます。アメリカでは人種主義が最盛期をむかえます。そんな中で一時的にもりあがった国際協調と平和主義の意義を考えます。
6 第6回 奈落へとおちる世界:1930年代 世界恐慌の勃発とともに、国際協調と平和は崩壊します。植民地では民族主義が高揚し、先進国ではファシズム、全体主義が台頭します。いち早く東アジアで勃発した戦争、ヨーロッパ・アフリカでの戦争など、局地的な戦争はジェノサイド化の様相を呈します。
7 第7回 世界の破滅:1940年代前半 第二次世界大戦は枢軸国、連合国を問わず市民を殺戮するジェノサイド戦争となりました。燼滅戦、ホロコースト、独ソ戦、戦略爆撃、そして原爆。殺戮はなぜエスカレートしたのか。人類最大の悲劇を問い直します。
8 第8回 終わらない戦争:1940年代後半 1917年におこった2度の革命によって、ロシア帝国が崩壊したのち史上初の社会主義政権が成立しました。しかしこの革命はロシア内戦というユーラシア規模の内戦へと発展し、第一次世界大戦が1918年に終わっても1922年まで終わりませんでした。なぜ戦争は終わらなかったのか、グローバルな視座から考えます。
9 第9回 核の恐怖から平和共存へ:1950年代 朝鮮戦争での核戦争危機や水爆実験の競争によって、世界は核の恐怖につつまれます。そんななか、市民による原水爆禁止運動やアジア・アフリカ諸国による平和十原則の登場によって、世界は大きく変貌していきます。核と平和の関係について考えます。
10 第10回 グローバルな市民の抵抗:1960年代 「アフリカの年」から始まる1960年代は、キューバ危機とベトナム戦争を経て、グローバルな市民運動に世界がつつまれる1968年にいたり、世界を変貌させました。超大国の正義が疑われ、古い権威が否定され、解放のために市民が戦う時代です。市民運動はなぜ高揚したのかを考えます。
11 第11回 現代世界の転換期:1970年代 ベトナム戦争が終わりをむかえる1970年代は、様々な意味で第二世界大戦後の世界の総決算となりました。西ドイツと日本は過去を清算するべくかつての戦争相手国と和解し、中国の革命も終焉します。しかしポル・ポトのジェノサイドなど人類的悲劇はなおもなくならず、さらにイスラーム主義が登場し、現代世界につながる諸問題が現れます。
12 第12回 民主化のドミノ:1980年代 東欧、韓国、フィリピン、ラテンアメリカ諸国といった世界の各地で、次々と民主化運動が高揚します。ソ連のペレストロイカとチェルノブイリ原発事故がそれを後押ししました。民主化はなぜ連鎖したのかを考えます。
13 第13回 内戦とジェノサイド:1990年代 冷戦が終焉をむかえ、世界は和解へと動いていきます。しかしソ連の崩壊によって再び世界に民族主義の波が押しよせます。そして激しい民族主義の要求は内戦へと発展し、アフリカやユーゴスラヴィアでジェノサイドが続発します。1990年代はなぜジェノサイドの時代になったのかを考えます。
14 第14回 テロの脅威から現代へ:21世紀 2001年9月11日のアメリカにおける同時多発テロを皮切りに、対テロ戦争という新しい戦争の形が登場します。21世紀は平和の時代にはなりませんでした。「私たちの時代」の方向性について考えます。
15 第15回 まとめ 最後に、全体を総括するレポートを作成し、提出してもらいます。

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